給水装置は誰の責任で管理を行う? 詳しく解説!
2017/03/07
給水装置とは、配水管をはじめとする水道管から家屋やビル内に水を給排水する装置です。分水栓や止水栓・メーターなども含まれます。一般住宅から大規模な商業施設・オフィスビルまで給水装置は欠かすことができません。また、給水装置は設置するだけでなく、定期的な管理も必要です。
そこで、今回は給水装置の管理区分や管理責任、さらに給水装置の工事を行うために必要な資格などをご紹介しましょう。
この記事を読めば、給水装置の維持管理の方法や給水装置工事についてよく分かります。給水装置工事主任技術者の資格取得を目指している方も、ぜひ読んでみてくださいね。
1.給水装置とは?
給水装置とは、浄水場から配水管を通ってくる水を敷地内に引き込み、各蛇口まで給水する装置のことです。配水管や給水管・止水栓などが該当します。一般住宅から大規模な施設場まで、水道設備がある場所にはすべて給水装置が取り付けられているのです。
給水装置は、メーター以外はすべて建物の所有者のものになります。ですから、壊れた場合は持ち主の負担で修理しなくてはなりません。
2.給水装置の管理について
前述したように、道路に埋められている配水管やメーター以外の給水装置は、建物の所有者の財産です。ですから、自分たちで管理する必要があります。ただし、道路からメーターまでの給水管から自然漏水した場合は、水道局の負担で修理を行うことが可能です。この場合、漏水を見つけたら所有者が水道局に連絡しましょう。
それ以外の給水装置が老朽化したり壊れたりした場合は、建物の所有者が費用を負担して修理や交換を行います。不特定多数の方が利用する大規模商業施設やオフィスビル、学校や病院といった設備は、ビル管理法で定期的な水質検査や給水設備の清掃などを行うことが定められているので、劣化具合や交換時期も分かりやすいでしょう。
給水装置の修理や工事を行う業者は、たくさんあります。水道局指定工事店に指定されている店ならば、各自治体の水道局のお墨付きを得ているので安心です。給水装置工事を依頼する場合は、水道局指定工事店に依頼しましょう。
3.給水装置工事主任技術者とは?
この項では、給水装置工事主任技術者についてご説明します。どのような資格なのでしょうか? また、取得する方もご紹介します。
3-1.給水装置工事主任技術者とは?
給水装置工事は、水を必要な場所まで運ぶための大切な工事です。もし工事に不備があれば漏水が起こって家屋に被害が出るだけでなく、健康悪影響が出ることもあるでしょう。給水装置工事主任技術者は、給水装置工事の技術的な管理・技術者たちの指導監督・水道事業者が行う検査の立ち合いなどができる国家資格です。
また、水道局指定工事店に指定されるためには、必ず給水工事主任技術者が常勤していなければなりません。取得をすれば昇進だけでなく転職にも有利な資格です。
3-2.給水装置工事主任技術者の資格を取得するには?
給水装置工事主任技術者の資格を取得するには、給水工事技術振興財団が主催する試験を受け、合格する必要があります。誰にでも受験できるわけではなく、3年以上の実務経験が必要です。ですから、給水装置工事主任技術者を目指す方は、まず給水装置工事を行う会社に入社し、実務経験を積みましょう。給水装置工事主任技術者の監督下ならば、無資格者でも給水装置工事を行うことができます。
なお、1級・2級管工事施工管理技士の資格を取得している場合は、試験の一部が免除となるのです。
3-3.給水装置工事主任技術者の試験内容
給水装置工事主任技術者の試験は、
- 公衆衛生概論
- 水道行政
- 給水装置の概要
- 給水装置の構造及び性能
- 給水装置工事法
- 給水装置施工管理法
- 給水装置計画論
- 給水装置工事事務論
の8科目の学科試験です。4択のマークシート方式で、問題は全部で60問出題され、6割以上の得点で合格になります。
3-4.試験の日程や申し込み方法
給水装置工事主任技術者の試験は、毎年10月に行われます。給水工事技術振興財団のホームページから電子申請も可能です。電子申請を行った後、給水装置工事の実務を行った証明書を簡易書留で郵送しましょう。なお、実務経験の書類は1度送付すれば3年間は郵送が免除されます。1度目の受験で残念ながら不合格になってしまい、翌年再チャレンジする場合は郵送しなくても大丈夫です。
試験費用は16,800円ですので、指定された金融機関へ振り込んでください。試験会場は毎年9月上旬に財団のホームページ上で発表されます。なお、全県では実施されませんので遠方の方は宿泊場所なども準備しましょう。
3-5.勉強のコツ
給水装置工事主任技術者の試験勉強の方法には、独学・予備校の講習などに通う・通信教材を利用するといったものがあります。ネットショップでも給水装置工事主任技術者の参考書が取り扱われているので、独学でチャレンジする方は購入してください。オーム社から出版されている「これだけ覚えるシリーズ」などが人気です。
資格取得のための予備校や専門学校でも、給水装置工事主任技術者の試験対策講座が開設されています。直前講習なども開催されていますので、独学を行った場合は最後の仕上げに利用してもよいでしょう。今はサテライト講座やe-ラニング講座なども開設されていますので、パソコンなどを利用して授業を受けることもできます。
4.給水装置の管理に関するよくある質問
Q.賃貸住宅で給水装置のトラブルが起きた場合はどうしたらよいでしょうか?
A.すぐに大家さんや管理会社に連絡してください。
Q.分かりにくい場所で漏水が発生した場合はどうしたらよいでしょうか?
A.漏水が起これば、水道料金が値上がりします。そのため、水道局から漏水していませんか? と連絡がくるでしょう。
Q.給水装置は自分で交換できますか?
A.蛇口やパッキンの交換程度は可能です。しかし、配水管などの工事は専門の業者へ依頼しましょう。
Q.自分でリフォームを行おうと思っていますが、屋内の配水管などは自分でいじっても大丈夫ですか?
A.おすすめできません。業者に依頼した方がよいでしょう。
Q.給水装置工事主任技術者の試験を受けたいのですが、実務経験とはどのようなものを指すのですか?
A.給水装置工事全般を指します。ただし、事務仕事や資材や人の運搬は実務に入りません。分からない場合は協会に問い合わせてください。
おわりに
今回は給水装置の管理や給水装置工事が行える資格についてご紹介しました。給水装置の大部分は目に見えません。しかし、定期的な点検や補修・修理は必要です。一軒家の場合でも定期的に業者へ検査を依頼するとよいでしょう。給水装置の劣化を放っておくと、建物自体が傷んでしまうかもしれません。また、マンションやアパートの場合は階下へ水漏れが起こると被害も拡大します。
給水装置工事を行う会社は全国にたくさんあり、給水装置工事主任技術者の求人も豊富です。給水装置工事を一生の仕事としていくならば、ぜひ取得しておきましょう。昇進も望めますし、転職にも有利になります。
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