
ボイラー技士の仕事内容は? 資格の取得方法と共に解説
2018/02/22
2021/04/07
ボイラー技士とは、建物内のボイラーの操作・点検・管理・調整・検査などを行うことができる国家資格です。ボイラーは正しく扱わないと大きな事故を起こす可能性があるので、小規模ボイラー以外はボイラー技士の資格がなければ取り扱うことができません。取得すれば転職や就職に有利なので、資格取得を考えている人も多いでしょう。
今回は、ボイラー技士の仕事内容を中心に資格取得の方法やメリットを解説します。
この記事を読めば、ボイラー技士の資格試験に合格する勉強のコツなどもよく分かるでしょう。ボイラー技士の資格取得目指して頑張っている人は、ぜひ読んでみてくださいね。
1.ボイラー技士とはどんな資格?
前述したように、ボイラー技士は建物内のボイラーの操作・点検・管理・調整・検査などを行うことができる国家資格です。特級・一級・二級と3種類の資格区分があります。どの資格区分を取得しても、すべてのボイラーを取り扱うことが可能です。しかし、「ボイラー取扱作業主任者」になることのできるボイラーの大きさが異なります。上位の資格区分を取得すれば、より大きなボイラーの取扱社業主任者になることが可能です。
1-1.ボイラー技士の資格を取得するメリット
ボイラーは暖房や給湯・動力源など、いろいろな用途に使われています。私たちの身近にある用途では、ビルなどの不特定多数の人が利用する施設の暖房や、公衆浴場での給湯などが代表的です。また、工場・鉱山・発電所などでもボイラーは活躍しています。つまり、ボイラーがあるところすべてにボイラー技士が必要です。資格を取得すれば、転職や就職に役立つことでしょう。
2.ボイラー技士の仕事内容
2-1.ボイラー技士を必要としている職場
ボイラー技士は、ボイラーを設置している事業所で需要があります。ビル管理や設備管理の名目で求人がかかることもあるでしょう。また、大規模なボイラーを設置している施設では、ボイラー技士の役目も重要です。そのため、高給で雇用されることもあるでしょう。まず下位のボイラー技士の資格を取得し、経験を積みながら上位の資格区分を取得し、転職をすれば昇給や昇進のチャンスも得やすくなります。
2-2.給与について
ボイラー技士の給与は年収350万円~です。取り扱うボイラーの規模が大きくなるほど、給与もアップするでしょう。また、取扱作業主任者になれば、資格手当もつくことがあります。
2-3.働ける年齢や将来性
ボイラーの取り扱いは、それほど体力が必要というわけではありません。ですから、定年を超えても働いている技術者も多いでしょう。また、ボイラーが将来全く必要なくなるということは考えにくく、常に一定の需要はあります。これから高齢の技術者が退職していくほど、需要も高まることでしょう。資格取得をしておいて損はありません。
3.ボイラー技士の資格取得方法
この項では、ボイラー技士の資格取得方法について解説します。ぜひ、参考にしてください。
3-1.受験資格と免許取得条件
ボイラー技士の資格は、安全衛生技術試験協会が主催する、ボイラー技士試験に合格すれば取得できます。ただし、受験資格と免許取得には以下のような条件があるので注意しましょう。
- 特級:一級ボイラー技士免許があれば受験可能。免許の取得には、5年以上のボイラー取り扱い経験か、3年以上のボイラー取扱作業主任者の経験必要
- 一級:二級ボイラー技士免許があれば受験可能。免許の取得には、2年以上のボイラー取り扱い経験か、1年以上のボイラー取扱作業主任者の経験が必要
- 二級:誰でも受験可能。免許の取得にはボイラー運転に関する規定の普通職業訓練を修了するなど、条件がある
二級に関しては、試験に合格した後で職業訓練を受けても問題ありません。また、上記以外にも受験資格をえることができるものもあるので、詳しくは協会のホームページを確認してください。二級を取得した後、さらに経験を積み、資格をステップアップしていくことが一般的です。
3-2.資格試験について
ボイラー技士の試験は、
- ボイラーの構造に関する知識
- ボイラーの取扱いに関する知識
- 燃料・燃焼に関する知識
- 関係法令
の4科目各10問ずつ(特級のみ6問)が出題されます。特級~二級まで科目数は同じですが、二級が3時間で終わるのに対し、特級と一級は範囲が広いので試験時間は4時間です。各科目で40%以上得点し、全体で60%以上の得点率で合格となります。1科目でも40%以下の得点率だと不合格です。なお、特級に限り科目合格があり、2年以内にすべての科目を合格すれば資格を取得できます。
3-3.申し込み方法など
ボイラー技士試験を受けたい場合は、安全衛生技術試験協会やボイラー取扱者の講習を行っている団体などで無料配布している願書を手に入れ、必要事項を記入して申し込みましょう。郵送で取り寄せることも可能です。電子申請は行っていません。なお、一級・二級は1年間に複数回試験があるので、受験日を決めておきましょう。1年に何度受験してもかまいません。試験は全国の安全衛生技術試験センターで行われます。詳しい試験日も、協会のホームページを確認してください。
3-4.独学勉強方法のコツ
ボイラー技士の試験勉強は独学か通信教材を利用しましょう。独学の場合は、ナツメ社から刊行されている「一発合格シリーズ」が人気です。大型書店やインターネットショップで取り扱っているので、内容をよく見て購入しましょう。オーム社からは「マンガで分かる二級ボイラー試験」という参考書も出ていますので、図やイラストで学んだほうが分かりやすいという人におすすめです。参考書と共に過去問も購入し、くり返し解いておきましょう。過去問題集は、過去5年間くらいの問題がセットになって販売されています。過去問題と同じような問題はあまり出題されませんが、問題の傾向をつかむうえでも大切です。
4.ボイラー技士に関するよくある質問
Q.ボイラーを運転するだけならば、二級ボイラー技士を取得するだけでも大丈夫ですか?
A.そのとおりですが、取扱作業主任者になれる有資格者のほうが重宝されます。
Q.二級から一級を飛び越して特級を受験することはできるでしょうか?
A.安全衛生技術試験協会のホームページに記載されている受験条件を満たしていれば大丈夫です。確認してみてください。
Q.女性でもボイラー技士になれますか?
A.もちろんです。現在はまだ数が少ないですが、これからの活躍が期待されるでしょう。
Q.ボイラー技士は、整備や点検は行えますか?
A.いいえ。整備や点検はボイラー整備士が行わなければなりません。
Q.ボイラーが事故を起こせば、ボイラー技士の責任でしょうか?
A.正しい使い方をしなかった結果事故が起こった場合は、技士の責任が問われることもあります。
5.おわりに
今回はボイラー技士の仕事内容などを解説しました。ボイラー技士はボイラーを使っている場所すべてで必要とされています。技術系の資格の中では需要も高く、取得しておいて損はありません。
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