建設機械の種類や扱うのに必要な資格は? 取得方法と共に紹介!
2017/03/09
2021/04/07
建設機械とは、土木工事や建設工事に使われる機械の総称です。ショベルカーやクレーン・ブルドーザーなど、皆様がよく知っている特殊車両も建設機械の一種になります。建設工事や土木工事の現場に建設機械は欠かせません。また、建設機械を扱うためには講習に通ったり資格を取得したりする必要があります。
そこで、今回は建設機械の種類や建設機械に関連する資格についてご紹介しましょう。
この記事を読めば、建設機械を扱うにはどのような資格が必要かということもよく分かります。建設機械を扱うオペレーターになりたいという方も、ぜひ読んでみてくださいね。
1.建設機械の基礎知識
はじめに、建設機械の定義や種類、扱うのに必要な資格などをご紹介します。どのような機械があるのでしょうか?
1-1.建設機械とは?
建設機械とは、前述したように土木工事や建設工事を行う際に使われる機械の総称です。その歴史は18世紀までさかのぼることができ、国産のショベルカーやブルドーザーの原型は、太平洋戦争中に開発されました。戦後、復興と高度経済成長によって土木工事を中心に建設業が大いに発展し、それと共にたくさんの建設機械が開発されます。現在では、無人で操作できる建築機械も登場し、さまざまな現場で使われているのです。
1-2.建設機械の種類とは?
建設機械は、主に
- 一般建設用機械 (ブルドーザー・油圧ショベル・掘削機など)
- 河川工事用機械 (船に取りつけたクレーンなど)
- ダム工事用機械 (コンクリートを生産・冷却・運搬する設備など)
- 除雪機械( 雪上車・除雪車など)
- 下水道工事用機械 (推進工事用機械)
に分類されます。また、建設機器は車両というイメージがありますが、デリックに代表される原動機が別の場所に付いている据え置き型クレーンのようなものも多いのです。
1-3.建設機械を扱う方法とは?
建設機械にはさまざまな種類があり、どれも扱いを間違えると大事故の原因となります。ですから、建設機械を扱うためには、資格を取得したり講習を受けたりして建設機械を扱う技術を身につけなければなりません。なお、車両系建設機械で公道を走るには運転免許が必要ですが、工事現場など私有地内を運転するだけなら免許は必要ないのです。そのため、18歳未満でも技能講習を修了していれば、私有地内限定で運転することができます。
2.建設機械に関する資格について
この項では、建設機械を取り扱うことができる資格についてより詳しくご紹介します。どのような資格があるのでしょうか?
2-1.運転免許・建設機器オペレーター
前述したように、ブルドーザーやショベルカーなど車両系建設機械を公道で運転するには、大型特殊自動車免許が必要です。この免許は、普通自動車免許を取得していれば、適性検査後に6時間の技能講習と卒業検定を受けることで取得できます。スムーズにいけば数日で取得できるでしょう。大型特殊自動車免許は、自動車学校で取得できます。
車両系建設機械を扱うには、大型特殊自動車免許の他に、車両系建設機械運転技能講習を修了しなければなりません。この講習は通常38時間かかりますが、大型特殊自動車免許を取得していれば14時間で済みます。ですから、大型特殊自動車免許を取得してから技能講習を受ける方も多いのです。技能講習は都道府県労働局長登録教習機関で行うことができます。教習センターなどで開催しており、インターネットでも申し込みが可能です。
なお、建築系の学校で建設機械運転に関わる単位を取得すれば、技能講習を受けたとみなされます。
車両系建設機械の中でもクレーンなど、運転技術以外の技術を必要とするものは、専用の免許が必要です。この試験は、安全衛生技術試験協会が主催しており、試験を受けて合格すれば運転士の資格を取得できます。自分が扱いたい建設機械に必要な資格を事前に調べておきましょう。分からない場合は、職場で尋ねてください。
2-2.建設機械施工技士
建設機械施工技士とは、建設機械を用いた工事の施工管理や工程管理、安全管理などを行うための資格です。建設機械オペレーターが建設機械を扱える資格ならば、建設機械施工技士はオペレーターたちを管理・監督できる資格になります。取得をすれば昇進はもちろんのこと、転職にも有利でしょう。また、取得すれば主任技術者や監理技術者になれます。
2-3.建設機械整備技能士
建設機械整備技能士とは、建設機械の整備を行うことができる資格です。特級・1級・2級の3種類があり、有資格者が整備した建設機械だけが、「整備済み」と称することができます。現在、工事現場で使われている建設機械のほとんどが専門の業者からのレンタルです。資格を取得すれば、レンタル業者で整備士として働くこともできます。
2-4.玉掛け技能者
玉掛け技能者とは、つり上げ荷重1t以上のクレーンや移動式クレーンに、重量物(吊り下げる荷物)をかける作業を行うための資格です。大型クレーンを使用する工事現場では、オペレーターと共に必要な資格になります。こちらも、建設機械オペレーターと同じように技能講習を受講し、修了検定を受ければ取得可能です。
3.建設機械施工技士の資格を取得する方法
この項では、建設機械施工技士の資格を取得する方法をより詳しくご紹介します。資格取得を目指している方は、ぜひ参考にしてください。
3-1.建設機械施工技士の種類と受験資格について
建設機械施工技士には、1級と2級があります。1級を取得すれば各種建設機械を用いた工事の指導・監督が行えるのです。2級はブルドーザーや油圧ショベルなど全6種類に分かれており、それぞれ取得した種の機械を使った工事の施工管理などを行えます。2級を取得すれば工事現場の主任技士になることができ、1級を取得すれば主任技術者の他、監理技術者にもなれる資格です。
建設機械施工技士の試験を受験するためには、1級・2級とも実務経験が必要になります。2級は建設機械を運転して工事を行った実務経験、1級の場合は主任技術者や指導監督業務の経験が必要です。ですから、まずは2級を取得して経験を積み、1級を取得する方もたくさんいます。
3-2.試験の内容と申し込み方法
建設機械施工技士の試験は、土木工学・建設機械施工法・法規など7科目の学科試験と、実際に建設機械を操作する実技試験があります。1級の場合は、建設機械組合せ施工法という論文作成の試験もあるので、事前に勉強をしっかりとしておきましょう。実技試験は事前に練習をする時間があるので、それほど難しくはありません。ですから、試験勉強は学科と論文作成(1級のみ)を中心に行いましょう。
試験は、日本建築機械施工協会が主催しています。試験を受けたい方は願書を購入し、必要事項を記入して協会に郵送しましょう。協会のホームページからでも購入できます。電子申請は行っていません。学科試験が6月、実技試験は8月上旬~9月上旬に行われます。学科試験に合格しなければ実技試験を受けることはできませんので注意してください。なお、学科試験に合格し、実技試験が不合格になった場合は、翌年に限り学科試験が免除されます。受験費用は学科が10,100円・実技試験が15,000円~27,800円です。受ける試験によって金額が異なるので注意しましょう。詳しくは、協会のホームページを確認してください。
3-3.勉強方法のコツなど
建設機械施工技士の合格ラインは、1級が学科・実技共に60%以上の得点率・2級が学科が60%・実技が70%の得点率で合格です。合格率は1級が31.7%・2級が44.8%と、施工技士試験の中では高くなっています。とはいえ、特に1級は7科目の学科と組み合わせ施工法という論文作成の勉強をしなければなりません。2級は学科のみですが、それでもしっかりと勉強をしていないと合格は不可能です。
4.建設機械に関するよくある質問
Q.建設機械は、小型のものでも普通自動車免許では運転できないのでしょうか?
A.できません。違法になるので注意してください。
Q.オペレーターになるには、必ず講習を受講しなくてはなりませんか?
A.はい。どんなに運転が巧みな方でも講習は必要です。
Q.クレーンの運転士が玉掛けを行うことは可能でしょうか?
A.運転をしながら玉掛けを行うことは不可能ですので、玉掛技能者と運転士の2人が必要です。運転士が玉掛け技能者の資格を持ち、両方の仕事が行えるようにすることはできます。
Q.建設機械施工技士の実務経験とは、建設機械施の運転でよいのですか?
A.2級はそれで問題ありません。1級の場合は指導・監督か主任技術者の経験が必要です。
Q.建設機械施工技士の資格に性別は問われないのでしょうか?
A.問われません。今は女性の施工技士も増えています。
おわりに
今回は建設機械の種類についていろいろとご紹介しました。建設機械オペレーターの資格を取得することが、建設機械を取り扱う第1歩です。車の運転ができれば取り扱いができる機械が多いので、まずは運転になれるところから始めましょう。また、昇進を望む場合は、建設機械施工技士の資格を取得しておいて損はありません。特に、1級を取得すれば大規模工事の監理技術者になれるので、いろいろな工事現場に需要があります。
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