建設機械施工技士を目指している方必見!実地試験の内容を解説!

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建設機械施工技士とは、ブルドーザーや油圧ショベルなどの建設機械を扱うスペシャリストの資格です。国家資格である施工管理技士の一つで、1級と2級があります。資格を取得すれば建設機械の扱いを指導できる立場になれると共に、監理技術者や主任技術者になることが可能です。

そこで今回は、建設機械施工技士の実地試験についていろいろとご紹介しましょう。

  1. 建設機械施工技士の基礎知識
  2. 建設機械施工技士の資格を取得する方法
  3. 実地試験の対策について
  4. 建設機械施工技士の実地試験に関するよくある質問

この記事を読めば、実地試験の内容や合格するための勉強方法などが分かります。建築機械施工技士の資格取得を目指している方は、ぜひ読んでみてくださいね。


1.建設機械施工技士の基礎知識

はじめに、建設機械施工技士とはどのような資格かということをご紹介します。取得することで、どのような職務に就けるのでしょうか?

1-1.建設機械施工技士とは?

建設機械施工技士とは、前述したように国家資格である管理施工技士の一つです。建築機械とは、ブルドーザーや油圧ショベル・ロードローラーなど土木工事になくてはならない機械のことで、取り扱いには免許が必要になります。建設機械施工技士は、そのような建築機械の運転に関する高い技術を持ち、指導者になることが可能です。また、土木工事や舗装工事の専任技術者や監理技術者にもなることができます。

1-2.建設機械施工技士の種類と通常の免許との違い

建設機械施工技士には1級と2級があります。1級を取得すると、各種建設機械を用いた施工における指導・監督的業務を行うことが可能です。主任技術者や監理技術者に選任することもできます。2級は、1種~6種に分かれており、合格した種の機械の運転技術者になることが可能です。また、一般建設業の現場で主任技師として施工管理を行うことができます。

建設機械自体は、運転免許を取得すれば運転をして工事を行うことが可能です。施工技士の資格を取得すれば、技術者を管理したり監督したりする立場に就くことができます。建設業の仕事を続けて行く場合は、取得しておいて損はありません。

1-3.資格を取得するメリット

建設業の仕事は、作業を行う技術者と技術者を管理したり、施工の計画や安全管理を行う主任技術者・監理技術者がいます。また、法律によって工事現場ごとに主任技術者や監理技術者の選任が義務付けられているのです。建設機械施工技士の資格は、技術者を束ねる主任技術者・監理技術者になるためには必ず取得しなければなりません。また、建築機械の運転術を客観的に証明できるので、転職活動にも役立つことでしょう。会社によっては出世の条件に資格の取得を挙げているところもあります。

建設機械施工技士を取得すれば、技術者を監督する立場になれるんですね。
はい。昇給や昇進はもちろんのこと、転職の際にも武器になります。

2.建設機械施工技士の資格を取得する方法

この項では、建設機械施工技士の資格を取得する方法をご紹介します。どのような試験なのでしょうか?

2-1.建設機械施工技士になるには?

建設機械施工技士になるには、一定の実務経験を積んだ後に国家試験を受けて合格する必要があります。実務期間の年数は学歴によって異なるので、詳しくは日本建設機械施工協会の該当ページを見てください。
大学や専門学校の指定学科を卒業した後で実務経験を積むのが最も手っ取り早いのですが、学歴がなくても6年以上の実務経験を取得すれば、2級の受験資格を得られます。2級に合格すれば、2年~5年の実務で1級の受験資格を得られるので、2級・1級とステップアップしていく方も多いのです。

なお、ここでいう実務経験とは建設機械を動かして工事を行った実務経験になります。土木工事ならなんでもよいというわけではありません。また、事務職なども実務経験に含まれませんので注意してください。

2-2.試験内容と合格率について 

建設機械施工技士の試験内容は、学科試験と実地試験があります。学科試験に合格した方だけが実地試験を受けられますので、まずは学科試験合格を目指しましょう。

2-2-1.1級の学科試験について

建設機械施工技士の学科試験は、

  1. 土木工学
  2. 建設機械原動機
  3. 石油燃料
  4. 潤滑剤
  5. 建設機械
  6. 建設機械施工法
  7. 法規

の7科目があります。基本はマークシート方式ですが、建設機械施工法は記述式で論文を作成する試験です。そのため、試験前に過去問題を解き、いくつかの草案を練っておきましょう。当日行き当たりばったりでは合格できません。学科試験の合格率は30%~31%とかなり低くなっています。しっかり勉強しておくことが大切です。

2-2-2.2級の学科試験について

2級の学科試験は、

  1. 土木工学
  2. 建設機械原動機
  3. 石油燃料
  4. 潤滑剤
  5. 法規
  6. 選択種の建設機械施工法

の6種類で、記述式はありません。そのため合格率は50%前後と1級に比べるとずいぶん高くなっています。初めて建設機械施工技士の資格にチャレンジする方は、まず2級に挑戦した方が合格しやすいでしょう。

2-2-3.1級の実地試験について

実地試験は、組合せ工法という記述試験と

  • 第1種(ブルドーザー)
  • 第2種(油圧ショベル)
  • 第3種(モータ・グレーダ)
  • 第4種(ロード・ローダ)
  • 第5種(アスファルト・フィニッシャ)
  • 第6種(アースオーガ)

の内2種類を選択し、実際に運転をして操作施工法の試験を行います。他の施工管理技士試験は記述試験だけですので、この点が大きく異なるのです。その分合格率は大変高く、平均して88%になっています。ですから、学科試験に合格した方は記述試験対策を重点的に行いましょう。

2-2-4.2級の実地試験内容について

2級の実地試験では、前述した6種の内1種の建設機械の内1種を選択し、実際に運転をする操作施工法の試験が行われます。記述試験はありません。そのため、1級と同じく実地試験の合格率は約88%となっています。正確な操作方法をきちんと取得していれば、合格できるでしょう。

2-3.試験の特例

建設機械施工技士の試験を受け、学科試験に合格したものの実地試験に不合格だった場合は、翌年に限り学科試験が免除されます。ですから、ちょっとしたミスなどで実地試験が不合格になってしまった場合は翌年にぜひ再チャレンジしてみてください。
また、2級をすでに取得している方が新たに1級にチャレンジする場合、2級の実地試験で合格した種の試験は免除になります。つまり、当日は1種類だけ、操作施工法の試験を受ければよいのです。

2-4.合格ラインと難易度

建設機械施工技士の試験は、1級が学科・実地試験共に60%以上の得点で合格になります。2級は、学科が60%・実地が70%の得点率で合格になるのです。2級の方が実地試験は合格ラインが上がっているので注意しましょう。2級の方が実地試験は難しかったという方もいます。
国家試験を紹介するサイトでは、建設機械施工技士の試験を「普通~やや易しい」と位置付けていますが、学科試験の合格率からいうと、難易度はそれなりに高いでしょう。仕事をしながら勉強する方も多いので、特に学科試験を中心によく勉強をしてからチャレンジしましょう。

2-5.試験の日程や申し込み方法など

建設機械施工技士の試験日程は、学科が6月・実地試験が8月下旬~9月上旬に行われます。詳しくは、日本建設機械施工協会のホームページを確認してください。受験申込書は4月上旬まで協会の各支部窓口や、郵送で購入できます。インターネットでの申し込みは行っていないので、注意しましょう。受験費用は学科が10,100円・実地試験が15,000円~27,800円となっています。実地試験の値段の差は、操作施工法の種類によるものです。操作施工法2種類と組合せ施工法を受験する場合が、最も高額なっています。

2-6.試験地について

建設機械施工技士の試験地は、学科が全国10か所・実地が全国13か所で行われます。全国ではありませんので注意してください。住んでいる場所によっては泊りがけで受験に臨む必要があります。受験地につきましては、日本建設機械施工協会のホームページを確認しましょう。

資格試験を受け、合格しなければ取得できないんですね。
はい。講習などを受けるだけでは取得できませんので、覚えておきましょう。

3.実地試験の対策について

この項では、実地試験の対策についてご紹介します。ぜひ参考にしてください。

3-1.組合せ施工法の試験

1級建設機械施工技士の実地試験には、組合せ施工法の試験があります。これは、今まで自分が行ってきた工事の中から、自分の立場や職種、工種・使用した建築機械の名称・工程管理または品質管理において留意したことなどを記述する一種の論文です。ですから、自分が今まで行ってきた工事の中から、ネタにできそうな工事をあらかじめ選んでまとめておく必要があります。このような記述式の問題は、他の施工管理技士の試験でも出題されるものです。

3-2.組合せ施工法の対策

組合せ施工法の試験は、自身の経験に基づく記述ですから、受験生1人1人によって内容が違います。しかし、記述しておかなくてはならないポイントは決まっているのです。これを漏らさず的確に記入できるかどうかが合皮を分けるでしょう。毎年日本建設機械施工協会では、試験問題が公表されています。また、模範解答を解説しているサイトもあり、過去問題集も販売されているので、それを参考にして実際に問題を解いてみましょう。問題は毎年問われ方が変わりますが、問われる内容はよく似ていますので、過去問題をやっていれば問題なく解けます。ただし、模範解答を参考にやってもいない工事の経験を記述してはいけません。そんなことをすれば、必ずバレてしまうでしょう。

3-3.実技試験の対策

実際に建築機械を運転する実技試験では、運転技術よりも安全に正確に運転できるかどうかが重要です。ですから、しばらく建設機械を操作していない方でも問題ありません。車の運転と一緒で、一度操作の仕方を覚えたものは忘れないでしょう。使用する機械については、協会の方から事前に発表があります。試験前にも10分ほど練習が可能です。
試験では実際に施工工事を行い、時間内で一定レベルの工事ができるかどうかもテストされますが、それほど難しい内容の工事は行われません。落ちついて機械を操作しましょう。

3-4.参考書などの選び方

1級を受験する方は、組合せ施工法の参考書や過去問題集を購入して勉強をしましょう。Amazonなどのインターネット書店でも販売されていますし、通信教材を利用すれば学科試験の参考書や過去問題集と共に購入できます。独学で勉強する場合は、できるだけ解説方法が詳しいものを選びましょう。

建設機械施工技士は施工管理技士の中で唯一実技試験があるんですね。
はい。その分、合格はしやすくなっています。また、組合わせ施工法の試験対策は時間をかけて行うことが大切です。

4.建設機械施工技士の実地試験に関するよくある質問

Q.2級の異なる種を1度に受験することは可能ですか?
A.一度に受験することはできません。一回につき受験できるのは1種類のみです。

Q.1級の実地試験において、建設機械を操作する試験が完全に免除されることはありますか?
A.2級を2種以上取得していれば、組合せ施工法の試験だけ受ければ大丈夫です。

Q.大学や専門学校の指定学科を卒業していれば、試験科目が免除になったりしますか?
A.そのようなことはありません。指定学科を卒業していても、試験科目はすべて受験する必要があります。

Q.女性でも取得してメリットがあるのでしょうか?
A.もちろんあります。今は、女性の監理技術者も増えているのです。

Q.2級すべての種を取得すれば、1級と同じでしょうか?
A.違います。2級は何種取得しても監理技術者になることはできません。

おわりに

今回は建設機械施工技士の実地試験についていろいろとご紹介しました。実地試験には実技試験がありますが、落ち着いて行えば大抵の方は合格できます。ですから、まずは1級も2級も学科試験突破を目指しましょう。1級の場合は、組合せ施工法の試験対策を行えば、まず合格できます。論文が苦手という方は、とにかく何本も書いて練習をしてみるか、一度模範解答を丸写ししてみましょう。文章の組み立て方が分かります。実技試験の場合は、合格者の体験手記なども発表されていますので、読んでみてください。イメージがつかめます。

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