阻集器の用途や種類とは?どんな場所につけられるの?

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阻集器とは聞きなれない名前ですが、排水設備の一種です。
私たちは、いろいろな場所で水を使います。
調理や入浴、さらに介護や医療、建築の現場でも水は欠かせません。
すると、水と一緒にいろいろなものが流されます。
阻集器はそれらが配水管をつまらせないようにするための設備です。
今回は、阻集器の種類と用途についてご紹介します。
排水口に流されるものが違えば、阻集器の種類も変える必要があるのです。
建築物環境衛生管理技術者の資格取得を目指している方も、ぜひこの記事を読んでみてくださいね。

  1. 阻集器とは?
  2. 阻集器の種類とは?
  3. 阻集器の設置基準とは?
  4. 阻集器の手入れについて
  5. おわりに

1.阻集器とは?

阻集器とは、前述したように排水口に流された異物が排水管をつまらせないように取り除き、水のみを回収するための設備です。
配管がつまってしまうと、水が流れなくなるだけではなく、汚水が逆流してくることもあります。
平屋でも汚水の逆流は一大事ですが、ビルや商業施設の場合は、ほかのテナントにまで迷惑がかかるでしょう。
ですから、阻集器は水回りに必ず必要な設備なのです。
さて、排水口に水以外の異物を流さないようについている器具というと、残さ受(バスケット)やトラップ管を思い浮かべる方も多いでしょう。
阻集器はそれらすべてが一体となった器具と考えください。
また、阻集器自体は土間に埋められたりシンクの下に入っていたりします。
ですから、通常は人の目に触れることはありません。
しかし、これが不具合を起こすと排水の中に異物が混入してしまいます。
阻集器は、通常受けかご、水槽、トラップ管の3点による構造になっているのです。
また、定期的に清掃しなければ水槽やトラップ管がつまってしまう恐れもあるでしょう。

2.阻集器の種類とは?

では、阻集器にはどのような種類があるのでしょうか?
この項では、その一例をご紹介していきます。

2-1.グリース阻集器

厨房(ちゅうぼう)で使われている阻集器です。阻集器の代表的なもので、「阻集器」というとグリースを指すことも多いでしょう。
グリース阻集器が主に排水口に流れるのを防いでいるのは、油脂です。
調理に油は欠かせません。レストランや食堂では、1日に使用する油はかなりのものになるでしょう。
皆様がご存じのように、油脂類は冷えると固まります。
液体の状態で流したとしても、水につかっているうちに凝固して排水管をつまらせてしまう可能性が高くなるでしょう。
ですから、阻集器の底に沈殿させることによって排水管に流れ込まないように工夫しているのです。

2-2.オイル阻集器

グリース阻集器に似ていますが、こちらはガソリンスタンドや自動車修理工場に設置されるものです。
ガソリンスタンドや修理工場で使われている油には、引火性があります。
ですから、阻集器も密閉せず必ず通気性があるものを使うのです。
また、グリース阻集器が油を固めて沈殿させて取り除くのに対し、オイル阻集器は油を浮かせて分離させます。
浮いて分離した油は取り除かなければなりませんが、それも引火しないように行う必要があるのです。

2-3.毛髪阻集器

髪の毛は細いものですが、水に溶けるものではありません。
絡まり合えば排水管も簡単につまってしまいます。
一般家庭でも髪の毛で排水管がつまることは珍しくありません。
美容院や銭湯、プールなど髪が抜けやすい場所ならばなおさらでしょう。
そこで、毛髪を集めやすい阻集器が排水口の下に設置されるのです。
毛髪阻集器は、別名ヘアキャッチャーともいわれます。

2-4.土砂阻集器

土木工事や建築現場では、土砂や土が建築機械や手足、そして衣服に付着します。
土砂は水に溶けませんし、沈殿する性質がありますから排水管をつまらせる原因にもなるでしょう。
土砂阻集器は、建築現場の水道などにつけられます。

2-5.その他

排水管をつまらせる物質としては、今ご紹介したもののほかに、繊維くずやプラスチック片、ガラスなどがあります。
クリーニング店やガラス工場、さらに歯科医院などにも専用の阻集器がつけられることは珍しくありません。
つまり、どのような職場であれ水をたくさん使い、水に溶けないものを流す可能性のあるところには、阻集器が必要なのです。
そのため、ビルの一部を改装して商業施設のテナントにするという場合は、内装だけでなく阻集器をつける工事をしなくてはなりません。

3.阻集器の設置基準とは?

阻集器は、建築基準法により排水管をつまらせたり破損させたりする可能性があるものを流す可能性のある場所には、必ず設置しなければならないと決められています。
ですから、最初から飲食店や美容院などを建てる場合は、施工会社が黙っていても設置してくれるでしょう。
注意しなければならないのは、今までオフィスなどに使われていた場所を阻集器が必要なテナントに変更するときです。
たとえば、事務所として使われていた場所をレストランに改造する場合は、水回りを大幅にリフォームしなければなりません。
費用を節約するために、「使えるものは使いたい」というオーナーもいるでしょう。
しかし、水回りが転用できるものであっても、必ず阻集器を設置してください。
「ここでは油ものなどを流さないように」などという張り紙をはるだけでは対処できません。
また阻集器の設置を義務づける法律は1977年に施行されました。
ですから、古いビルの中には、もしかしたら飲食店などの水回りにも阻集器が設置されていない可能性もあります。この場合は、いつ排水管がつまってもおかしくありません。
築年数のたったビルのオーナーは、定期的に水回りをリフォームした方がよいでしょう。

4.阻集器の手入れについて

阻集器は、定期的に清掃をしないと流された油や毛髪、そして土砂などでいっぱいになってしまいます。
また、有機物は腐敗するので悪臭の原因にもなるでしょう。
ですから、必ず定期的に専門の業者に清掃に入ってもらってください。
ビルの場合はテナントが自主的に行うこともありますが、ビル管理者が告知して清掃業者を手配することも多いでしょう。
その場合は、テナントに入っている業者とよく話し合って、業務に支障がない時間帯に行うように調整する必要があります。
また、阻集器は古くなってくると劣化して破損してしまうこともあるでしょう。
ですから、清掃に入った業者から阻集器の状態を聞き、必要ならばオーナーに交換を要請する必要もあります。

5.おわりに

いかがでしたか?
今回は阻集器の用途や種類についてご紹介しました。
阻集器は人の目には触れない器具ですが、これが破損すると最悪の場合水回りが使えなくなります。
レストランや美容院など、水を大量に使う店舗は水回りが使えなければ営業できません。
また、阻集器はビルのシステムのひとつです。
ですから、ビル管理者が管理しなければなりません。
定期的に清掃するのはもちろんのこと、テナントが変わる場合は、入念に掃除や点検を行いましょう。
特に、飲食店の阻集器はテナントが変わったときに交換するくらいがちょうどよいかもしれません。
その頻度はオーナーと相談してください。
また、阻集器が壊れたときにすぐに対応してくれる業者と契約をしておきましょう。
そうすれば、急に汚水が逆流してくるなどの事故が起こった場合もすぐに対処ができるはずです。
水回りはどんなことが起こっても対処できるようにしておかないと、被害が大きくなります。

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