火災報知器の設置基準とはどんなもの? 建物すべてに設置義務はある?

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火災報知器とは、煙や熱を感知して火事であることを知らせる装置の総称です。オフィスビルや大型商業施設、病院や学校などに設置義務があります。平成18年(2006年)から、一般住宅にもよく似た機能を持つ火災警報装置の設置が義務づけられました。そのため、2006年以降に新築された建物にはすべて火災報知器か火災警報器が設置されています。

今回は火災報知器の設置基準や設置義務について解説しましょう。

  1. 火災報知器に関する基礎知識
  2. 火災報知器の設置基準について
  3. 火災報知器を設置する際の注意点
  4. 火災報知器を設置・点検が行える資格について
  5. 火災報知器に関するよくある質問

この記事を読めば、火災報知器の種類や不特定多数が利用する施設で、火災報知器の設置や点検ができる資格などについても分かりますよ。消防設備士の資格取得を目指している方も、ぜひ読んでみてくださいね。


1.火災報知器に関する基礎知識

はじめに、火災報知器の種類や設置基準などを紹介します。どのような火災報知器があり、どこに設置義務があるのでしょうか?

1-1.火災報知器の仕組みや役割

火災報知器とは天井に設置されている消防設備の一種で、熱や煙を感知して火災の発生を知らせる装置の総称です。感知器と受信機から成り立っており、火災の早期発見に役立ちます。火災報知器や防炎・防煙シャッター・警報ベル・火災通報装置などと併せて自動火災報知設備とも呼ばれているのです。

火災報知器には、熱・光・煙を感知するものと、これらを複数感知するものがあります。設置する場所によって、使い分けましょう。例えば、調理場などは調理器具の熱や煙を感知しないものが必要です。

1-2.火災警報器との違い

火災警報器とは、火災報知器と同様に音を出して火災の発生を知らせる装置です。火災報知器が感知器と受信器に分かれており、離れたところでも火災の発生を感知できるのに対し、火災警報器は受信器がないので、離れた場所では警報音が聞こえない可能性があります。ですから、火災報知器は不特定多数が利用する床面積の広い施設や、高層ビルなどに設置され、火災警報器は住宅に設置されるのが一般的です。ただし、高層マンションなどの共有部分には火災報知器が設置されているところもあります。

1-3.火災報知器を設置する理由

火災報知器が作動すれば、火元を正確に素早く知ることができます。広い床面積を持つ施設や高層ビルなどでは、火災が発生しても火元が特定しにくいことも珍しくありません。報知器が作動すれば受信機が設置されている場所で、どこに設置されている報知器が作動しているのかまでわかります。報知器によっては、一定期間作動すると自動的に警備会社や消防署へ通報する機能を備えているものもあるでしょう。ですから、夜間は無人になる施設でも火災を素早く発見し、通報することもできます。

2.火災報知器の設置基準について

火災報知器は、消防法によって不特定多数が利用し、一定以上の床面積を持つ施設に設置が義務づけられています。設備の使用目的・延べ床面積の広さ・天井の高さ・窓の有無・収容人数によって火災報知器の種類(熱・煙・炎)などが決まっているのです。消防署や自動火災報知設備を販売・点検する会社では、設置基準のパンフレットを作っているところもあり、インターネット上でも公開されていますので、参考にしましょう。
基本的には、火災を感知したい場所の床面積を、設置予定の感知器1個の感知面積で割った数だけ、感知器を設置します。

住宅では、寝室と寝室がある階の階段に火災警報器の設置義務がある他、自治体で独自の設置基準を定めているところも多いのです。

また、消防法に基づき、自治体では火災報知器の独自の設置基準を設けているところもありますので、新しく建築物を建てる場合は、必ず自治体の条例も確認しましょう。

住宅の場合

寝室や階段に設置義務があります。また、自治体によっては条例で独自の設置基準を設けていることもありますので確認してください。

ビルやマンションの場合

ビルやマンションの場合は、新築物件ならば共有部分と住居部分に火災報知器が設置されています。築年数がたった物件の場合は、マンションでは共有廊下、もしくは各戸に火災報知器の設置が必要です。ビルの場合は消防法によって床面積ごとに設置基準が定められています。

店舗やオフィスの場合

店舗やオフィスの場合も消防法に基づき、床面積に合わせて設置基準が定められています。広い床面積を持つ場所ほど、火災報知器の数は必要です。

3.火災報知器を設置する際の注意点

火災報知器は、万能ではありません。一定の長さの突出物(出っ張った柱や通路を区切る仕切りなど)があると煙や熱が完治しにくくなります。また、段差があっても同様です。また、空調や換気口の近くに設置すると誤作動を起こすことも多いでしょう。
そのため、

  • 600mm以上の突出物がある場合は、感知範囲内であっても区画される
  • 壁からは600mm以上放して設置する
  • 空調や壁からは1500mm以上放して設置する
  • 階段やエレベーターは一つの区画とみなし、階段は階ごとに設置する

などといった決まりがあります。

4.火災報知器を設置・点検が行える資格について

火災報知器は誰にでも設置できるものではありません。また、定期点検が必要です。この項では、火災報知器を点検・設置できる資格について紹介しましょう。

4-1.消防設備士の資格について

火災報知器を設置するには消防設備士という資格が必要です。
また、作動点検・機能点検・外観点検を6か月に1度以上行い、1年に1度は火災報知器を含む消防設備を実際に作動させてみて、正常に作動するかどうかを確認する総合点検を行なわなければなりません。これも、消防設備士が行わなければ点検したとは認められないので注意しましょう。

4-2.火災報知器を設置・点検が行える消防設備士の種類について

消防設備士には甲種と乙種があり、さらに、その中でも複数の資格があります。火災報知器の設置や点検ができるのは、甲種4類(甲4)という資格です。乙種4類(乙4)を取得している消防設備士は、点検だけ行うことができます。他の類を取得していても、火災報知器の設置や点検はできませんので注意しましょう。

4-3.消防設備士に設置や点検を行ってもらう方法

消防設備士に火災報知器の設置や点検を行ってもらうには、設備の所有者が直接有資格者を雇う方法と、消防設備の設置や点検を行う会社と契約を結ぶ方法があります。半年に1度の点検は義務づけられていますので、消防設備士の有資格者を雇用したり従業員に取得をすすめたりする企業もあるでしょう。

4-4.消防設備士の資格を取得する方法

消防設備士の資格を取得するには、消防試験研究センターが主催する試験を受けて合格する必要があります。現在のところ、すべての消防設備の工事や点検を行える資格は存在しません。13種類ある資格のうち、点検や整備・設置が必要な消防設備を取り扱える類を優先的に取得しましょう。

ちなみに、甲種と乙種の違いは設置工事ができるか否かです。甲種を取得すれば設置工事ができるようになります。ただし、乙種6類と7類に分類されている漏電火災警報器や消火器は設置工事が必要ないので、甲種の6類・7類は存在しません。

甲種を取得するには第二種電気工事士の資格を取得するか、乙種を取得した後で一定の実務経験が必要です。ですから、全く経験がない状態で消防設備士の試験にチャレンジしたい場合は、受験資格が定められていない乙種を受験しましょう。

消防設備士の試験内容や申し込み方法などは、こちらの記事に詳しく記載されています。ぜひ読んでみてください。

5.火災報知器に関するよくある質問

Q.熱感知器・煙感知器など特定の感知器をつけてはならない場所はありますか?
A.厨房など、コンロの火を使うような場所では熱感知器は誤作動を起こしやすいので使用できません。また、喫煙ルームでは、煙感知器が誤作動を起こしやすくなるという報告もあります。

Q.火災報知器を火災警報器に変更することは可能ですか?
A.不特定多数が利用する一定以上の床面積がある施設では、火災報知器の設置義務があります。火災警報器に変更することはできません。

Q.火災報知器が誤作動をくり返す場合はどうしたらよいのでしょうか?
A.故障が考えられるので消防設備士に点検してもらい、必要ならば取り替えましょう。

Q.誤作動の恐れがあるので火災報知器の電源を切ってしまいたいのですが、ダメですか?
A.消防法に違反することになり、万が一火災が発生した場合罪に問われることもあります。やめましょう。

Q.火災報知器の種類は施設の持ち主が自由に選んでも大丈夫ですか?
A.設置場所や設置個数に違法性がなければ問題ありません。

6.おわりに

いかがでしたか? 今回は火災報知器の設置基準や設置義務について解説しました。火災報知器は消火器と並んで設置される戸数の多い消防設備です。その分点検も大変ですが、点検不足ですと火災が発生した場合大変なことになるでしょう。面倒でも点検義務は順守してください。また、火災報知器に関する問題は、消防設備士の試験にもよく出題されます。種類や設置義務・設置基準の内容などをよく覚えておきましょう。

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