消火機器のポンプを整備・点検できる資格とは? どうすれば取得可能?
2017/12/22
火災が起こった際、消火や避難を助けるための器具を消火設備と言います。可搬消防ポンプも消火機器の一種です。人力で運べるうえに高圧力で放水が可能なので、消防自動車が入ってこられないような狭い場所で消火活動をする際に重宝されます。可搬式消防ポンプはエンジンを搭載しているので、いざというときにすぐ使えるように、定期的な整備や点検が必要です。
今回は、可燃消防ポンプの整備に関する資格について解説します。
この記事を読めば、消防設備に関する資格についてよく分かることでしょう。消防設備士の資格を活用して働きたいと考えている人は、ぜひ読んでみてくださいね。
火災が起こった際、消火や避難を助けるための器具を消火設備と言います。可搬消防ポンプも消火機器の一種です。人力で運べるうえに高圧力で放水が可能なので、消防自動車が入ってこられないような狭い場所で消火活動をする際に重宝されます。可搬式消防ポンプはエンジンを搭載しているので、いざというときにすぐ使えるように、定期的な整備や点検が必要です。
今回は、可燃消防ポンプの整備に関する資格について解説します。
この記事を読めば、消防設備に関する資格についてよく分かることでしょう。消防設備士の資格を活用して働きたいと考えている人は、ぜひ読んでみてくださいね。
1.可搬消防ポンプの基礎知識
はじめに、可搬消防ポンプの役割や特徴などを解説します。どのような場所で使われるのでしょうか?
1-1.可搬消防ポンプとは何か
前述したように、可搬消防ポンプとは人力で運べる消防ポンプのことです。防火水槽や消火栓などに接続して揚水し、圧力をかけて放水することができます。1分間に200~400Lを放水することが可能で、重さは50~100kgです。
1-2.可搬消防ポンプの特徴
消防ポンプには、可搬消防ポンプのほかに、自動車にポンプを搭載した消防ポンプ自動車があります。消防ポンプ自動車の方がより大量の水を高圧力で放出できますが、狭い路地の奥までは入っていけません。可搬消防ポンプは人力で持ち運びが可能です。そのため、路地が入り組んだ住宅地や屋内の消火にも用いられます。
1-3.設置基準など
可搬性消防ポンプは、消防法によって屋内消火栓の設置が義務づけられている防火施設には200L/分のものを、屋外消火栓の設置が義務づけられている防火施設には400L/分のものを設置することになっています。点検を行える消防設備士の資格区分は、甲類・乙類共に1・2類です。
2.可搬消防ポンプに関する資格について
この項では、可搬消防ポンプの整備や点検に関する資格について解説します。どのような資格があるのでしょうか?
2-1.消防設備を点検・整備できる資格について
消防設備の設置・点検・整備ができる資格としてまずあげられるのが、消防設備士です。甲類・乙類があり、甲類は設置・整備・点検が行えます。乙類は点検や整備は行えますが、消防設備を設置することはできません。また、消防設備士は資格区分が多く、「この資格区分を取得すれば、すべての消防設備士の設置・整備・点検ができる」というものは現在のところないのです。可搬消防ポンプは、前述したように、消防設備士、甲類・乙類共に1・2類を取得していれば整備や点検が行えます。消防設備士の資格についてもっと詳しく知りたいという場合は、こちらの記事も併せて読んでみてください。消防設備士の資格取得の方法から、勉強のコツまで詳しく記載されています。
2-2.可搬消防ポンプ整備資格者について
前述のように、可搬消防ポンプはエンジンが搭載されています。ですから、点検や整備を行うには、エンジンを中心とした整備についての高度な技術が必要です。そのため、日本消防安全センターでは、可搬消防ポンプ等の整備に必要な知識を身につけることを目的とした講習を行っています。この講習を受講し、修了考査に合格すれば「可搬消防ポンプ整備資格者」の資格を得ることが可能です。
2-3.受講内容など
可搬消防ポンプ整備資格者講習には、通常の講習(2日間)と特例講習(1日で終了)があります。特例講習は消防署員や消防団員向けの講習です。消防設備士が仕事の幅を広げるために資格を取得したい場合は、通常の講習を受講しましょう。なお、講習には消防設備士や消防設備点検資格者・自動車整備士などの資格に加えて、一定の実務経験が必要です。詳しいことは日本消防安全センターのホームページを確認してください。消防設備士の資格を取得していても実務経験がない場合は講習は受けられませんので、注意しましょう。
2-4.申し込み方法など
可搬消防ポンプ整備資格者講習は、北海道・宮城・東京・大阪・広島・香川・宮崎の消防設備協会で行われています。遠方に住んでいる人は、宿泊準備も必要です。平成30年度の講習の日程は、日本消防安全センターのホームページに記載されているので、まずは確認してください。受講希望者は、受講したい場所の消防設備協会へ申し込みを行います。協会では申込者の審査を行い、合格すれば受講可能です。講習を受け、修了考査に合格すれば免状が交付されます。修了考査の合格率は99%ですから、真面目に講習を受けていれば必ず合格可能です。なお、一般講習の受講料は41,100円になります。
2-5.注意点
可搬消防ポンプ整備資格者講習は、5年ごとに再講習が必要です。再講習は4時間ほどで終わるので、忘れずに受けてください。なお、事情があってどうしても再講習が受けられない場合は延長を申し出ることもできます。
3.可搬消防ポンプに関するよくある質問
Q.可搬消防ポンプの中には水は入っていませんか?
A.はい。水は貯水槽などから取ってくる必要があります。
Q.可搬消防ポンプは1人で動かすことは可能ですか?
A.小さいポンプでも50kgはあるので、難しいでしょう。台車などに載せれば1人でも移動できます。
Q.可搬消防ポンプと消火栓の違いはなんですか?
A.消火栓は、その場から動かすことはできません。可搬消防ポンプは移動ができます。
Q.可搬消防ポンプが放出できるのは水だけですか?
A.はい。水だけですから、水による冷却消火が不可能な危険物を取り扱ったり保管していたりする場所では使えません。
Q.可搬消防ポンプは可搬消防ポンプ整備資格者を持っていなければ、整備や点検が行えないのですか?
A.消防設備士や消防設備点検資格者の資格を有していればできることにはなっていますが、火災予防条例では、知識や技能がなければ可搬消防ポンプの整備・点検は行えないとしています。つまり、事実上可搬消防ポンプ整備資格者の資格がなければ整備や点検は難しいでしょう。そのため、可搬消防ポンプ整備資格者を取得したい場合は、有資格者と一緒に整備をして、実務経験を積んでください。
4.おわりに
いかがでしたか? 今回は、消防に使うポンプの種類や整備・点検を行える資格について解説しました。可搬性消防ポンプはあまり目にする機会がない消防設備ですが、小回りがきくので重宝されます。所有している消防署や設備・消防団も多数あるので、整備ができる有資格者も需要が高いでしょう。
1.可搬消防ポンプの基礎知識
はじめに、可搬消防ポンプの役割や特徴などを解説します。どのような場所で使われるのでしょうか?
1-1.可搬消防ポンプとは何か
前述したように、可搬消防ポンプとは人力で運べる消防ポンプのことです。防火水槽や消火栓などに接続して揚水し、圧力をかけて放水することができます。1分間に200~400Lを放水することが可能で、重さは50~100kgです。
1-2.可搬消防ポンプの特徴
消防ポンプには、可搬消防ポンプのほかに、自動車にポンプを搭載した消防ポンプ自動車があります。消防ポンプ自動車の方がより大量の水を高圧力で放出できますが、狭い路地の奥までは入っていけません。可搬消防ポンプは人力で持ち運びが可能です。そのため、路地が入り組んだ住宅地や屋内の消火にも用いられます。
1-3.設置基準など
可搬性消防ポンプは、消防法によって屋内消火栓の設置が義務づけられている防火施設には200L/分のものを、屋外消火栓の設置が義務づけられている防火施設には400L/分のものを設置することになっています。点検を行える消防設備士の資格区分は、甲類・乙類共に1・2類です。
2.可搬消防ポンプに関する資格について
この項では、可搬消防ポンプの整備や点検に関する資格について解説します。どのような資格があるのでしょうか?
2-1.消防設備を点検・整備できる資格について
消防設備の設置・点検・整備ができる資格としてまずあげられるのが、消防設備士です。甲類・乙類があり、甲類は設置・整備・点検が行えます。乙類は点検や整備は行えますが、消防設備を設置することはできません。また、消防設備士は資格区分が多く、「この資格区分を取得すれば、すべての消防設備士の設置・整備・点検ができる」というものは現在のところないのです。可搬消防ポンプは、前述したように、消防設備士、甲類・乙類共に1・2類を取得していれば整備や点検が行えます。消防設備士の資格についてもっと詳しく知りたいという場合は、こちらの記事も併せて読んでみてください。消防設備士の資格取得の方法から、勉強のコツまで詳しく記載されています。
2-2.可搬消防ポンプ整備資格者について
前述のように、可搬消防ポンプはエンジンが搭載されています。ですから、点検や整備を行うには、エンジンを中心とした整備についての高度な技術が必要です。そのため、日本消防安全センターでは、可搬消防ポンプ等の整備に必要な知識を身につけることを目的とした講習を行っています。この講習を受講し、修了考査に合格すれば「可搬消防ポンプ整備資格者」の資格を得ることが可能です。
2-3.受講内容など
可搬消防ポンプ整備資格者講習には、通常の講習(2日間)と特例講習(1日で終了)があります。特例講習は消防署員や消防団員向けの講習です。消防設備士が仕事の幅を広げるために資格を取得したい場合は、通常の講習を受講しましょう。なお、講習には消防設備士や消防設備点検資格者・自動車整備士などの資格に加えて、一定の実務経験が必要です。詳しいことは日本消防安全センターのホームページを確認してください。消防設備士の資格を取得していても実務経験がない場合は講習は受けられませんので、注意しましょう。
2-4.申し込み方法など
可搬消防ポンプ整備資格者講習は、北海道・宮城・東京・大阪・広島・香川・宮崎の消防設備協会で行われています。遠方に住んでいる人は、宿泊準備も必要です。平成30年度の講習の日程は、日本消防安全センターのホームページに記載されているので、まずは確認してください。受講希望者は、受講したい場所の消防設備協会へ申し込みを行います。協会では申込者の審査を行い、合格すれば受講可能です。講習を受け、修了考査に合格すれば免状が交付されます。修了考査の合格率は99%ですから、真面目に講習を受けていれば必ず合格可能です。なお、一般講習の受講料は41,100円になります。
2-5.注意点
可搬消防ポンプ整備資格者講習は、5年ごとに再講習が必要です。再講習は4時間ほどで終わるので、忘れずに受けてください。なお、事情があってどうしても再講習が受けられない場合は延長を申し出ることもできます。
3.可搬消防ポンプに関するよくある質問
Q.可搬消防ポンプの中には水は入っていませんか?
A.はい。水は貯水槽などから取ってくる必要があります。
Q.可搬消防ポンプは1人で動かすことは可能ですか?
A.小さいポンプでも50kgはあるので、難しいでしょう。台車などに載せれば1人でも移動できます。
Q.可搬消防ポンプと消火栓の違いはなんですか?
A.消火栓は、その場から動かすことはできません。可搬消防ポンプは移動ができます。
Q.可搬消防ポンプが放出できるのは水だけですか?
A.はい。水だけですから、水による冷却消火が不可能な危険物を取り扱ったり保管していたりする場所では使えません。
Q.可搬消防ポンプは可搬消防ポンプ整備資格者を持っていなければ、整備や点検が行えないのですか?
A.消防設備士や消防設備点検資格者の資格を有していればできることにはなっていますが、火災予防条例では、知識や技能がなければ可搬消防ポンプの整備・点検は行えないとしています。つまり、事実上可搬消防ポンプ整備資格者の資格がなければ整備や点検は難しいでしょう。そのため、可搬消防ポンプ整備資格者を取得したい場合は、有資格者と一緒に整備をして、実務経験を積んでください。
4.おわりに
いかがでしたか? 今回は、消防に使うポンプの種類や整備・点検を行える資格について解説しました。可搬性消防ポンプはあまり目にする機会がない消防設備ですが、小回りがきくので重宝されます。所有している消防署や設備・消防団も多数あるので、整備ができる有資格者も需要が高いでしょう。
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