自動火災報知設備にはどんな種類がある? それぞれの仕組みと共に紹介

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寒くなってくるにつれ、空気も乾燥してきます。
また、冬は夏に比べて火を扱う機会も増えるでしょう。
ですから、火事も起こりやすくなるのです。
そこで、今回は火事の発生をいち早く察知する自動火災報知設備の種類についてご紹介します。
今は、一般住宅にも火災警報器の設置が義務づけられていますが、商業施設などにつけられるものと何が違うのでしょうか?
また、自動火災報知設備の点検の仕方などもご紹介します。
消防設備士の方や資格取得を目指して勉強中の方は、ぜひこの記事を読んでみてください。

目次

  1. 自動火災報知設備とは?
  2. 自動火災報知設備の種類とは?
  3. 自動火災報知設備を有効に利用するためには?
  4. おわりに

1.自動火災報知設備とは?

自動火災報知設備とは、感知器と受信機からなる火災を発見して知らせる設備です。
百貨店や商業施設、さらにオフィスビルなどは火事が起きてもすぐにわからないこともあるでしょう。
また、火災に気付いた人がいても施設全体に知らせるのは大変です。
自動火災報知設備を設置しておけば、感知器が熱や煙を感知し、受信機に「火災が発生しました」と知らせます。
受信機は、非常ベルなどで火災が起きたことを多くの人に知らせ、火災地区をランプなどで表示するのです。
自動火災報知設備があれば、どれほど広い施設でも「どこで火事が起きているか」が一目でわかります。
ですから、避難誘導をしたり初期消火をしたりすることもすぐに可能になるのです。
現在は、法律によって一定の広さがある不特定多数の人が利用する設備には、自動火災報知設備の設置が義務づけられています。なお、一般住宅に設置されている火災警報器は、熱や煙を感知して警報器そのものがベルなどを鳴らす仕組みになっているのです。

2.自動火災報知設備の種類とは?

自動火災報知設備には、いろいろな種類があるのです。
この項では、感知器と受信機の種類をご紹介しましょう。

2-1.感知器の種類とは?

感知器には、大きく分けて3つの種類があります。
ひとつは、熱を感知するもの。
もうひとつは、煙を感知する機械、そして3つめは炎を感知するものです。
なぜ、3つも種類があるのでしょうか?
それは、施設によって熱や煙を使うことがあるからです。
たとえば、レストランでは火を使って調理をします。
いくら空調を聞かせていても一定の熱がこもりますし、炎が大きく上がることもあるでしょう。
そんなところに熱や煙で警報を鳴らす感知器を設置すれば、毎日のように誤作動が起こります。
また、ボイラー室など熱がこもりがちな場所は、熱を感知する感知器は使えません。
ですから、場所によって何を感知して火事と判断する機器をつけるのか、よく考えましょう。
また、かつては調理場など火を使う場所では、火災報知機自体が設置できませんでした。
しかし、炎を扱う場所は火災が起こりやすい場所でもあります。
そのため、現在では炎から照射される紫外線の量が一定の値を超えると警報を発する感知器もあるのです。
これならば、炎を扱う場所でも設置できるでしょう。

2-2.受信機の種類とは?

自動火災報知設備の受信機は、建物の防災センターや中央管理室に設置されます。
受信機には大きく分けてP型とR型があるのです。
P型の受信機は、感知器と受信機を警戒区域ごとに共通線で結び、個々に配線される個別配線方式。
一か所が故障したとしても、ほかの回線に影響がないというメリットがあります。
しかし、建物が大きくなったり感知器の個数が増えたりして回線の回数が大きくなるほど、受信機も大きくなっていくのです。
ですから、大規模な施設にP型の受信機を設置する場合は、広い設置場所を確保しなければなりません。
R型は感知器と受信機の間に伝送信号を利用するシステムです。
これならば、回線の数は一定でいくら感知器が増えても受信機の大きさは一定になります。
ただし、何らかの理由で伝送信号が送れなくなると、受信機が役に立たなくなるでしょう。

2-3.火災発信機とは?

自動火災報知設備とは異なりますが、一定の広さを持つ不特定多数が利用する施設は、火災発信機の設置も義務づけられています。
これは、いわゆる非常ベルのことで家事を発見した人が主導で押すことにより、建物全体に火災の発生を知らせるシステムです。感知器が作動しないくらいのぼやなどは、火災発信機を鳴らした方が早いということもあるでしょう。
しかし、誰でも押せるところにあるのでいたずらなどに利用される恐れもあります。
ですから、ある程度の強さで押さないと鳴らないようになっていたり、鳴らすためには窓を破る必要があったりするものが一般的です。

3.自動火災報知設備を有効に利用するためには?

さて、いくらりっぱな自動火災報知設備を設置しても、火災のときに役立たなければ無意味です。
この項では自動火災報知設備を有効に利用するための注意点をご紹介しましょう。

3-1.定期的に点検する

今は、調理器具や照明器具も進歩して通常の使い方をしていれば、火災が起きることはまずありません。
ですから、設置以来何年も報知設備の出番がないこともあるでしょう。
それはとても喜ばしいことです。
しかし、火災はいつ起きるかわかりません。
ですから、定期的に点検をして問題なく動くようにしておきましょう。
火事は、意外なことが原因で起こることもあります。
漏電などでも起こるかもしれません。また、てんぷらの揚げ玉など特定のものを放置しておいても、発火する可能性があるのです。

3-2.いたずらを防止する

自動火災報知設備をわざと作動させて喜ぶ不心得者は、どこにでもいます。
特に、お酒が入っていると普段ならば決して行わない行動をする人もいるでしょう。
熱を感知する感知器は、ライターの炎を近づければ作動します。
そのようなことが起きた場合は、いたずらをした人を厳重に注意してください。
また、お店の顧客がそのようなことをした場合は、態度しだいで警察へ連絡しましょう。
たかがいたずらくらいでと思うかもしれませんが、このようないたずらがくりかえされると本当に火災が起きたときに大変なことになります。

3-3.誤作動を起こさないようにする

感知器は完璧ではありません。
何かの拍子に誤作動することもあるでしょう。
しかし、誤作動があまりにも頻繁に起こると、感知器に対する信用が失われてしまいます。
ですから、誤作動が起きたら、消防設備士などが中心になって原因をよく調べましょう。
感知器の種類を替えた方がよい場合もあるのです。

4.おわりに

いかがでしたか?
今回は自動火災報知設備の種類などについてご紹介しました。
まとめると

  • 自動火災報知設備は感知器と受信機から成り立っている。
  • 感知器には熱、煙、炎を感知するものがある。
  • 自動火災報知設備は、常に正確に動くように消防設備士が中心となってメンテナンスをしよう。

ということです。
今までに起きた多数の犠牲者を出した火災は、火災報知機の不備なども原因のひとつでした。
また、高層ビルの低層階で火災が発生した場合、有毒なガスを含んだ煙が一気に上階へ立ち上ることもあるでしょう。
ですから、火災を一刻も早く発見し、初期消火をすることが大切です。
なお、火災発信機は屋内の施設だけでなく駅など、屋外の施設にも設置されています。
これをいたずらした場合、罪に問われることもあるので気をつけましょう。
いたずらをしてから後悔しても遅いのです。

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