レジオネラ属菌の特徴や症状は? 予防対策について確認しよう!

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私たちのまわりにはたくさんの菌がひそんでいます。体にいい影響をもたらす菌だけでなく、悪影響を受ける悪い菌まで種類はさまざまです。さまざまな種類の中から今回は、“レジオネラ属菌”について説明しましょう。レジオネラ属菌の特徴や種類、レジオネラ属菌による症状、予防対策など詳しく見ていきたいと思います。感染を防ぐには、私たちが菌のことを把握しなければなりません。

レジオネラ属菌をやっつける死滅温度・検査・基準についてもチェックしていきましょう。

  1. レジオネラ属菌の特徴・種類
  2. レジオネラ属菌による症状
  3. レジオネラ属菌の予防対策
  4. まとめ

1.レジオネラ属菌の特徴・種類

菌はそれぞれひそんでいる場所が異なります。レジオネラ属菌は、主に土壌の中や淡水に生息している菌です。免疫力や抵抗力の弱い人が感染しやすく、レジオネラ症になってしまいます。安全を守るためにもレジオネラ属菌の特徴・種類を把握しておきましょう。

1‐1.レジオネラはグラム陰性のかん菌

レジオネラ属性は、レジオネラ属に入っている細菌の総称です。レジオネラ属菌といっても、さまざまな種類があります。赤色、または桃色に染色する「グラム陰性」の1種で“かん菌”という特徴を持っているのです。かん菌とは、1つの細胞が細長い棒状・円筒状になっている細菌のことを指しています。そして、それぞれの細菌には1本以上の鞭毛(べんもう)を持っているでしょう。

鞭毛(べんもう)は、細胞小器官のことで推進力を生み出します。自然界の中にある常在菌の1つと覚えておいてください。沼や河川にひそんでいることが多いレジオネラ属菌は、私たちの生活圏にも存在している菌です。特に、大量の水がたまっている場所ではレジオネラが繁殖しやすい環境といえるでしょう。

1‐2.およそ20℃~50℃で繁殖する

細菌にはそれぞれ“繁殖しやすい温度”があります。レジオネラ属菌が繁殖しやすい温度は、およそ20℃~50℃です。特に、36℃前後が最も繁殖しやすいといわれています。私たちの生活でも、水を使う機会は多いものです。冷却塔・加湿器・温泉・風呂など水を使う場所は注意しておかなければなりません。レジオネラ属菌はアメーバなどの微生物に寄生して繁殖をする特徴を持っています。実際、日本でも家庭用の風呂にレジオネラ属菌が繁殖したというニュースがありました。家庭用にも繁殖しやすい菌であるという発見から、業界に注意をうながしたのです。ちなみに、レジオネラ属菌の死滅温度は、70℃以上だといわれています。

1‐3.レジオネラ属菌の種類

レジオネラ属菌には、およそ50種類以上の細菌があるといわれています。50種類のほとんどは、河川・湖などの淡水に生息しているため、レジオネラ症になるのも「水」にかかわる内容が多いです。レジオネラ属菌の種類でも代表的なのが、レジオネラ・アニサ、レジオネラ・ボゼマニイ、レジオネラ・ミクダデイ、レジオネラ・ニューモフィラなどになるでしょう。それぞれ特徴が異なるので要チェックです。たとえば、レジオネラ・アニサは人に感染しやすいタイプになります。青色蛍光を発する点が特徴的です。たまに、青色蛍光を発しないタイプもあります。

1-4.どんな場所に注意するべきか

レジオネラ菌自体は、河川などにいるありふれた菌です。しかし、39度前後で爆発的に増殖する特徴があるので、水をろ過して循環させている温泉や温水プール・スーパー銭湯などでは繁殖しやすくなっています。また、レジオネラ菌が繁殖した水を飲んでも健康に大きな被害はありません。危険なのは、レジオネラ菌が繁殖した水をたっぷり含んだ空気を吸い込んだ時です。最近の温泉やスーパー銭湯では、ジェットバスや打たせ湯・ミストサウナなどが充実しています。その反面、レジオネラ菌を多量に含んだ水が細かい飛沫となって空気中に漂いやすく、容易に菌が気管支や肺へ到達する危険が高まっているのです。

2.レジオネラ属菌による症状

2‐1.気をつけておきたい「レジオネラ肺炎」

レジオネラ属菌による症状は、主に「レジオネラ肺炎」と「ポンティアック熱」の2つです。それぞれ特徴が異なるので一緒に確認していきましょう。レジオネラ肺炎は、全身のだるさ、頭痛、筋肉痛が症状の始まりになるといわれています。
最初は風邪に似た症状ですが、少しずつ症状が悪化するでしょう。高熱・乾いたような咳(せき)・寒気などが起こります。また、腹痛や下痢・中枢(ちゅうすう)神経系への症状も起こるので注意しなければなりません。名前のとおり、肺炎を起こすので重症化した場合は死亡率が非常に高くなります。すぐに適切な抗菌薬治療を受けることが大切です。致死率はおよそ60%~70%と高いですが、適切な治療によっておよそ7%まで下がります。

2‐2.もう1つ症状「ポンアティック熱」

レジオネラ属菌の症状として、もう1つあがっているのが「ポンアティック熱」です。ポンアティック熱の特徴は、発熱・頭痛・筋肉痛・寒気・下痢とレジオネラ肺炎と同じ症状があります。しかし、レジオネラ肺炎のように“肺炎”にはかかりません。どちらかというと、レジオネラ肺炎よりも症状が軽いものになるでしょう。潜伏期間は1~2日でおよそ2日~5日で自然治癒します。ただし、症状がひどい場合は意識障害が起こる可能性もあるので要注意です。

特に、高齢者や生活習慣病、喫煙者、免疫抑制剤使用者など、一般の人より免疫力が低下している人が発症しやすくなります。肺炎を起こす可能性もあるので注意しなければなりません。

3.レジオネラ属菌の予防対策

厚生労働省は、レジオネラ菌の基準値を以下のように定めています。

  • 浴槽内:10CFU/100mL未満
  • 冷却塔水:100CFU/100mL未満

なお、厚生労働省で定められた基準地以外に独自のより厳しい基準を設けている自治体もあるので、そちらの方も確認しておきましょう。

3‐1.清潔さを保つことが1番大切

レジオネラ属菌を防ぐには何をすればいいのでしょうか。基本的には、「清潔さ」を保つことが1番大切です。レジオネラ属菌は河川や湖など、淡水のような環境で繁殖しやすい特徴を持っています。そして、私たちの環境では風呂や温泉、水をたくさんためている工事現場などでレジオネラ症が発症しやすいです。よって、水を扱う場所は常に清潔に保っておかなければなりません。浴槽や加湿器などのタンク類は定期的に掃除をしておきましょう。毎日使う場所ほど特に清潔にすることが大切です。風呂のお湯はこまめな入れ替えが必要になります。できるだけ、水のつぎ足しをやめて新しい水に替えてください。汚染水の接触によって細かい傷から感染するケースも起きています。水に関係する場所や施設には、特に注意を払っておいたほうがいいでしょう。

3‐2.「ろ過器」を設置する

日本では、主に「温泉」でレジオネラ症の発生件数が多いです。よって、循環式タイプの温泉施設ではほとんど「ろ過器」を設置しています。確かに、ろ過器によってレジオネラ属菌の検査・予防はできるでしょう。しかし、必ずしも安全というわけではありません。なぜなら、ろ過器の中に繁殖するバクテリアがひそんでいるからです。ひそんでいるバクテリアに生息してレジオネラ属菌が繁殖してしまいます。繁殖を防ぐためには、ろ過器本体にも注目しなければなりません。

浴槽水などの消毒方法では、基準として“塩素系薬剤の注入”は濃度が決まっています。1日2時間以上1リットルにつき02~0.4mgを保たなければなりません。水質検査においても、検査方法は「水質基準に関する省令」において決まっています。レジオネラ属性における症状を防ぐには、水質管理をきちんとする必要があるのです。

4.よくある質問

Q.レジオネラ菌が発生している場合はどうすればいいのでしょうか?
A.適切な消毒やろ過機の洗浄などをすれば、菌を除去することができます。

Q.レジオネラ菌は煮沸すれば除去できるでしょうか?
A.はい。60℃以上の熱で5分間殺菌すれば、レジオネラ菌は死滅します。

Q.家庭でレジオネラ菌が繁殖しやすい場所はあるでしょうか?
A.お風呂のお湯を数日間変えないで沸かし直す、という場合は危険です。また、加湿器もレジオネラ菌が繁殖する可能性があります。

Q.レジオネラ菌が肺に入ると、どうなるのでしょうか?
A.レジオネラ症という肺炎のような症状がでます。死亡率30%と高く、高齢者や幼児は特に危険です。

Q.レジオネラ菌は飲んでも問題ないのでしょうか?
A.はい。胃に入ったレジオネラ菌はほぼ胃酸で全滅します。

4.まとめ

レジオネラ属菌の特徴や種類、症状、予防対策について説明しましたが、いかがでしたでしょうか。主に「水」関連の場所で生息するレジオネラ菌は、私たちの私生活にもたくさんひそんでいます。水は菌が繁殖しやすい場所でもあるため、常に清潔さを保ち続けていかなければなりません。もし、レジオネラ症にあたる症状が起きた場合はすぐに適切な処置が必要です。症状が悪化すればするほど、肺炎にかかりやすくなるので注意してください。適切な治療を受けるだけでも、致死率がだいぶ下がります。建築物環境衛生管理技術者は特に、職場の人の安全を守らなければなりません。大量の水をためているタンクの水質検査や管理を徹底していきましょう。

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