ビルメン新卒就職のメリット・デメリットは? 有利な資格を知ろう!

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「ビルメンテナンス」、通称・ビルメンは、建物の維持管理全般を行う仕事です。オフィスビルはもちろんのこと、病院・商業施設・工場・ホテルなど、さまざまな建物の保守管理を行います。ビルメン=中高年のイメージがありますが、新卒でも十分に働き口があり将来性も抜群です。ただし、より良い条件の就職先で採用されるためには、ビルメンに有利な資格を取得する必要があります。

本記事では、新卒ビルメンのメリット・デメリット、就職傾向、有利な資格について説明しましょう。

  1. 新卒でのビルメン就職傾向をチェック!
  2. 新卒ビルメンのメリット・デメリットは?
  3. 新卒ビルメンに有利な資格は?
  4. 新卒ビルメンに関してよくある質問

この記事を読むことで、新卒ビルメンの就職傾向や有利な資格などが分かります。資格取得を検討している方は、ぜひチェックしてください。


1.新卒でのビルメン就職傾向をチェック!

まずは、新卒がビルメンに向いているかどうか、将来性・やりがいなどについてチェックしておきましょう。

1-1.ビルメン業界は新卒に向いているか?

ビルメン(ビルメンテナンス)は、ビルをはじめ、病院・ホテル・商業施設・工場など建物の保守や設備管理・清掃・警備を行う仕事です。ビルメン=中高年の人が就いている仕事とイメージを持たれがちですが、10代後半~20代の若い人たちの姿もよく見られるようになりました。現在、ビルメンは慢性的な人手不足ともいわれており、新卒でも採用されやすい傾向があります。新卒がビルメン業界を第一志望としてくることは稀(まれ)ですが、昔からの付き合いで工業高校や専門学校からの就職枠を用意しているビルメン会社もあるのです。そのため、新卒でもビルメン業界で活躍できる可能性はあります。

1-2.雇用形態・新卒求人の数は?

ビルメンの雇用形態は、「正社員」と「契約社員」の2種類に分かれています。
新卒は中途採用よりも入社当初から正社員として働くことができ、会社によっては、新卒入社のみ管理職になることができる場合もあるのです。管理職になりやすいのは、新卒のメリットといえるでしょう。ただし、大手ビル管理会社でも、40代前半で正社員採用になった方もいます。つまり、ビルメン業界は「経験・実績」に大きく左右される業界というわけです。
また、新卒求人の数は、年々増加傾向にあります。前述したとおり、慢性的な人手不足に陥っているため、新卒でも採用して経験を積ませていくという考えを持つ会社が多いのです。中途採用が多いビルメン業界ですが、新卒の求人のほうが多く、新卒の入社を求めている会社が多数存在しています。

1-3.将来性、やりがいは?

2020年の東京オリンピックに向けて、建築業の需要が高まっています。老朽化した建築物を壊し新しい建物を建て、長く使い続けるための「管理」に注目が集まっている状態です。ビルメンは建物の管理に必要不可欠な存在なので、ビルメンに対する要求が高まると同時に、将来性のある職業になりつつあります。いかに長く使い続けられるように管理をしていくか、オーナーの要望にどうすれば応えられるのか自分で考え管理していくのが、ビルメンのやりがいです。

1-4.新卒の給与はいくらぐらいか?

務める会社によって異なりますが、ビルメンの平均年収は約300万~350万円です。一般的なサラリーマンは約400万円なので、相場よりも低めですが、資格手当・夜勤手当・当直手当などが出ると、平均年収よりもアップする可能性があります。ただし、新卒の採用は平均年収よりも低めからスタートすることになるでしょう。実績と経験がものをいう業界なので、最初は平均年収よりも低い額になる可能性が高めです。

2.新卒ビルメンのメリット・デメリットは?

それでは、新卒ビルメンのメリット・デメリットについて具体的に説明します。

2-1.新卒就職に最適な業務形態・就職先は?

ビルメンの勤務時間は、一般的なサラリーマンとは異なります。一般的なサラリーマンは朝9時~夜6時までという形態が多いですが、ビルメンの場合は日勤と泊まりの宿直が入り混じるパターンです。現場によって、日勤だけというケースもありますが、「常駐」と呼ばれる現場では1日中建築物に人がいる状態なので、夜勤務の宿直者が泊まり、朝まで勤務します。
新卒の場合は、就職先によって異なるでしょう。たとえば、親会社がない下請けで仕事を行う「独立系」は宿直が多く、親会社がある系列系は日勤のみの場合がほとんどです。新卒は現場に慣れることが1番なので、宿直を経験するのも良いでしょう。ただし、昼夜逆転生活となるため、体調管理には十分に注意しておかなければなりません。

2-2.主なメリットは?

新卒でビルメンとして働く大きなメリットは、いち早くビルメンの経験と実績を積むことができる点です。一生、ビルメンとして働いていきたい方、キャリアアップしたい方は新卒で入ると良いでしょう。経験・実績を積みながら、役立つ資格を取得すれば、より良い環境の中で働くことができます。ビルメンの求人は非常に安定しており、経験・実績がある人ほど昇給・昇格が期待できるのです。

2-3.主なデメリットは?

ビルメン業界は、中途採用が多い業界です。新卒から入った人も少なくないですが、どちらかというと、途中でビルメンに転職した方のほうが多いといえるでしょう。別の業界からビルメン業界へ入るのは簡単ですが、ビルメンから別の業界に行くのは難しいところがあります。ビルメンは、あくまで建物の管理・保守がメイン業務となるため、何かが壊れても業者の手配をして修理してもらうケースがほとんどです。自分のスキルが向上することはないため、別の業界に行くのは困難でしょう。ほかの業界に進みたい願望があるなら、ビルメンになって資格を取得すると良いですよ。

3.新卒ビルメンに有利な資格は?

ビルメンになってから資格を取得する選択肢もありますが、なる前から有利な資格を取得しておけば、より良い環境の中で働くことができます。ここでは、ビルメンに有利な資格を紹介していきましょう。

3-1.資格は必要か?

基本的に、ビルメンは無資格者でも働くことができます。しかし、行える仕事が限られてくるため、資格を取得したほうが幅広い業務にたずさわり、自分のスキルを身につけることができるでしょう。また、大手ビルメン会社に就職したい方は、有資格者のほうが断然有利です。ビルメンとしての実力と経験を重ねていきたい方も、資格を取得しておきましょう。

3-2.有利な資格は?

ビルメンに有利な資格をいくつか紹介します。

3-2-1.ビルメン4点セット

ビルメンに有利な資格といえば、「第2種電気工事士」「危険物取扱責任者乙種4類」「ボイラー2級技士」「第3種冷凍機械責任者」のビルメン4点セットと呼ばれる種類です。これらの資格は、ビルメンの業務でよくある照明器具に使われている安定器の交換作業や、コンセントの設置・移設などに深く関係しています。特に、第2種電気工事士は、電気工事ができる唯一の国家資格です。4種類の資格の中でも、まずは第2種電気工事士の資格取得を目指したほうが良いでしょう。また、それぞれの概要を以下にまとめたので、ぜひチェックしてください。

  • 第2種電気工事士:一般住宅や店舗などの600ボルト以下で受電する設備の工事に従事できる
  • 危険物取扱責任者乙種4類:ガソリン・石油・アルコール類など危険物第4類の取り扱い・管理ができる危険物取扱者
  • ボイラー2級技士:伝熱面積の合計が25㎡未満のボイラー取扱作業主任者になれる
  • 第3種冷凍機械責任者:1日の冷凍能力が100トン未満の製造施設における製造にかかわる保安

3-2-2.三種の神器

ビルメン4点セットのほかに、「三種の神器」と呼ばれる3種類の資格があります。それは、建築物環境衛生管理主任技術者(ビル管理士)・第3種電気主任技術者・エネルギー管理士です。それぞれの概要は、以下を参考にしてください。

  • 建築物環境衛生管理主任技術者:建築物の環境衛生の維持管理に関する監督等を行う
  • 第3種電気主任技術者:5万ボルト未満の電気設備または5,000キロワット未満の発電設備の維持・運用・管理ができる
  • エネルギー管理士:第1種エネルギー管理指定工事等におけるエネルギー使用の合理化に関し、エネルギーを消費する設備の維持や、エネルギー使用方法の改善などを行う

3-3.「ビルメン4点セット」と「三種の神器」の違いは?

大きな違いは、試験の難易度です。どちらかというと、ビルメン三種の神器のほうが難易度が高く、優位な資格といえます。新卒の場合は、未経験者となるため、まずは「ビルメン4点セット」を目指したほうが良いでしょう。経験と実績を積みながら、三種の神器の取得を目指してくださいね。

4.新卒ビルメンに関してよくある質問

新卒ビルメンに関してよくある質問を5つピックアップしてみました。

Q.就職先を見つけるポイントは?
A.現在学校に通っていている方は、ビルメン会社の就職枠があるかチェックしてみてください。就職枠がない場合は、就職・転職サイトを利用しましょう。サイト登録を済ませて、「施設管理」「ビル管理」「ビル運営」などの検索ワードで探してみてください。すると、すぐにビルメンテナンス系の会社が出てきます。雇用形態や労働条件などを確認した上でいくつかしぼり、会社の実態を調査するため口コミサイトをチェックしましょう。中には、新卒の育成に力を入れている会社もありますよ。

Q.新卒の就職先でおすすめなのは?
A.自社ビルの施設課勤務が、新卒ビルメンに良いといわれています。ビルメンが行う仕事は、外注されることがほとんどです。ただし、製薬会社・医薬品会社などは自社で施設課を設けているところが多く、施設課の人にビルメンの仕事をさせています。自社ビルのビルメンは、平均年収よりも高く、約500万~600万円という管理職並みの収入を得ることができるでしょう。

Q.独立系・系列系のメリット・デメリットは?
A.独立系のメリットは来客対応やテナント対応などが少ないため、系列系よりも仕事が楽という点です。しかし、下請けとして業務を行うので系列系よりも年収が低くなるデメリットがあります。一方、系列系は、大手会社の子会社であることが多いため、給料が高めです。ただし、業務範囲が広く、一般顧客やテナントからの苦情に対応しなければなりません。独立系よりも仕事が忙しいといわれています。

Q.ビルメンに必要なスキルは?
A.電気工事など専門スキルはもちろん必要ですが、コミュニケーション能力が最も大事だといわれています。ビルメンはテナントやオーナーの要望に応えながら管理するのも大事な仕事の1つです。急な対応にも迅速に処置しなければならないため、コミュニケーション能力が高いほうがスムーズに作業できるでしょう。

Q.ビルメンとしてスキルアップするポイントは?
A.地道に実績と経験を積んでいくことです。1~2年ほど経験を積み、資格をできるだけ多く取得していきましょう。さまざまな資格を取得することで、専門知識が増え、幅広い業務にたずさわることができます。そして、次は少し大きめの系列系のビル管理会社へ転職するなど、より良い職場で経験を積んでください。

まとめ

ビルメンは、オフィスビル・商業施設・病院・ホテルなど、さまざまな建築の維持管理全般を行う大事な仕事です。新卒でも必要な知識や資格を身につけておけば、ビルメンとして働くことができます。ただし、より良い労働環境で働くためには、有利な資格を取得したほうが採用される確率が高めです。ビルメンの新卒に必要な資格を取得し、経験を積んでいきましょう。

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