工場火災を予防するには? 火災原因を把握して適切な対策を!
2021/12/07
工場で勤務するにあたって「工場火災の特徴について知りたい」「工場で火災が起きる原因やリスクは?」とお考えの方も多いのではないでしょうか。工場には一般の住宅に比べて火災の原因になるものが多く、火災が発生すると被害が大きくなりやすいので注意が必要です。
この記事では、工場火災の特徴や火災が起きる原因・予防のポイントなどを詳しくご紹介しましょう。
この記事を読むことで、工場で火災につながりやすい条件や、工場で火災が起きたときの影響などがわかるはずです。ぜひ参考にしてください。
1.工場火災の特徴は?
まずは、工場火災の特徴について詳しくご紹介します。
1-1.工場火災の発生件数は多い
実態として工場火災の発生件数は多く、特に石油コンビナートでは年間100件近く火災や爆発が発生しています。近年は国内上場企業の工場でも大きな火災が発生しており、事故防止のために高いレベルでの管理が求められているのが現状です。特に暖房などの火気を使用することが多い時期には、工場火災の発生率が高まっています。
1-2.住宅との違いは?
工場では危険物や着火物を扱っていたり保管していたりすることが多いため、住宅に比べて火災が発生しやすいのが特徴です。複数の従業員や取引業者なども出入りするので出火原因にもさまざまなものが考えられます。また、火災が発生したときのリスクがより大きいのも工場火災の特徴の1つです。
2.工場で火災が起きたときのリスク
工場で火災が発生したときのリスクには、以下のようなものがあります。
2-1.大規模火災につながりやすい
工場で火災が発生するとあっという間に被害が広がり、大規模火災になりやすいというリスクがあります。最初は小さな火災であっても、工場内にある危険物や着火物に引火して複数の火災が発生してしまうためです。工場は面積が広いので全体に火が広がると大変な規模の火災になってしまいます。
2-2.生産が中断される
火災によって工場での生産が中断され、企業として大きな打撃を受けることになります。当然、営業が再開されるまでの売り上げはなくなるため、資金繰りが苦しくなって廃業に追い込まれることもあるでしょう。従業員のモチベーションは低下し、元のような意識が復活するまでは長い時間を要することになります。
2-3.周辺地域にも影響が及ぶ
工場火災ではバックドラフト現象が起こりやすく、火が爆発的な勢いで広がります。そのため、周辺地域にも被害が及ぶことが考えられるでしょう。そうなると損害賠償を請求される可能性もあります。
3.工場で火災が起きる原因
工場で火災が発生する原因としては、以下のようなものがあります。
3-1.溶接作業や裸火
工場火災の原因として特に多いのが、裸火や溶接時に飛び散る火花によるものです。ラインのすき間にたまったホコリなどに火花が飛び散り、発火することがあります。火花が付着してもすぐには発火しない場合もあるため、気づくのが遅れることが多いのが注意点です。
3-2.配電盤の漏電
配電盤のケーブルをネズミがかじっていて配線がむき出しになり、漏電火花が発生して火災の原因になることもあります。また、絶縁している樹脂の老化や溶接の劣化などが原因で漏電することもあるため、注意が必要です。
3-3.静電気
有機溶剤や粉体を取り扱う際に静電気が発生し、火災の原因になることもあります。特に、空気が乾燥している季節はこのような事態が起こりやすいのでしっかりとした対策が必要です。
4.工場の火災を予防するポイント
工場で火災が発生するのを予防するためには、以下のポイントに注意しましょう。
4-1.機器の点検と作業現場の清掃
火災を予防するためには、使用する機器に異常がないかをしっかりと点検し、火種になる可能性が高いホコリなどを徹底的に取り除くために作業現場を掃除することが大切です。また、時間がたってから発火する恐れもあるため、溶接作業後は最低でも1時間は周囲の見張りをすることをおすすめします。
4-2.防火管理者の役割を明確にする
収容人数50名以上の工場では、防火管理者を設置する決まりになっています。防火管理者の役割は消防用設備等の点検・整備や火気の使用・取り扱いに関する監督などさまざまです。再度、その役割を明確にしておきましょう。
4-3.静電気の発生を抑える
静電気の発生を抑えるための対策も必要です。静電気が発生しにくい作業服を着用する方法や適切なアースを取る方法などがあるため、実践しましょう。また、特に静電気が発生しやすい冬は、湿度の管理も必要です。
5.工場火災に関するよくある質問
「工場火災について知りたい」という人が感じる疑問とその回答をまとめました。
Q.出火原因になりやすい工場設備にはどのようなものがあるのでしょうか?
A.グラインダーやボイラー・粉砕機・放電加工機・旋盤などは特に注意が必要です。
Q.工場火災で死者が出る原因にはどのようなものがありますか?
A.最も多いのは逃げ遅れによるものです。
Q.工場火災を発見したときの対処法を教えてください。
A.すぐに初期消火と通報をおこない、周囲への周知をします。その後は無理せずすぐに避難してください。
Q.工場火災を想定してやっておくべき対策とは何でしょうか?
A.避難訓練の徹底や火災発生時の担当決めをしておくことをおすすめします。
Q.工場火災を早期発見するためにできることは何ですか?
A.自動火災報知設備や非常警報設備などを設置しておくとよいでしょう。
まとめ
工場火災の原因やリスク・予防対策について詳しくご紹介しました。工場火災は被害の規模が大きくなりやすいため、いかに予防できるかが何よりも重要です。1人1人が意識を高めるとともに、いざというときにどのような役割を果たすべきなのかをよく考えておくことをおすすめします。
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