ホテルの設備管理を仕事にしたい方必見! 仕事内容はどのようなもの?
2017/04/12
ホテルは、毎日不特定多数の人が利用する施設です。ホテルの設備管理とは、空調や電気設備・水道など、ホテルを安全かつ快適に使うためには欠かせない設備の点検やメンテナンスを行う仕事を指します。このような仕事はホテルの他、商業施設やオフィスビルなどでも行われているため、ビルメン(ビルメンテナンス業)とも呼ばれているのです。
今回は、ホテルにおける設備管理の仕事内容についてご紹介しましょう。
この記事を読めば、ホテルの設備管理を行うために必要な資格なども分かります。ビルメン業務に就きたいと思っている方も、ぜひ読んでみてくださいね。
1.ホテルにおける設備管理の重要性
ホテルとは、不特定多数の方が宿泊に使う施設です。日本にはさまざまなタイプのホテルがあり、毎日数万人以上の方が利用しています。不特定多数の方が利用する施設は、商業施設や劇場・病院・学校などがありますが、ホテルはその中でも滞在時間が最も長い施設の一つです。そのため、安全管理や衛生管理には他の施設よりも気を配らなければなりません。
設備の不具合が原因で宿泊客に迷惑がかかれば、ホテルの評判は下がってしまうでしょう。また、設備の不備から火災や食中毒などが発生すれば、多大な犠牲者が出る可能性もあります。日本で今までに発生したホテル火災の中には設備の不備が原因で被害が拡大したものも多く、設備管理の大切さを示す教訓となっているのです。
2.ホテルにおける設備管理の仕事内容など
この項では、ホテルにおける設備管理の仕事内容や他のビルメンとの違いをご紹介します。どのような仕事があるのでしょうか?
2-1.設備管理の仕事内容
ホテルにおける設備管理の仕事には
- 電気系統(照明やエレベーターなど)設備の点検や検針
- 給水設備・排水設備の点検・清掃・検査
- 空調設備の点検や清掃
- 害虫・害獣(ねずみなど)の駆除
- 消防用設備の点検や整備
- 駐車場(機械式など)の整備や点検
- 各種メンテナンス業者への連絡など
と多岐にわたります。これはあくまでも一例であり、ホテルによってはもっと違う仕事をすることもあるでしょう。設備管理の仕事に就いている人は、基本的にお客様がいる間に客室へ入ることはありません。しかし、客室係で対応ができないような設備の故障・破損した場合は、客室へ入ることもあるでしょう。ですから、ある程度のマナーは身につけていなければなりません。また、一流ホテルでは、服装が決まっていることもあります。
2-2.ホテルと他の施設との違い
前述したように、ホテルは不特定多数の方が長時間滞在する施設です。そのため、設備管理の仕事も24時間体制で行われます。また、ホテルの中には古い施設も多く、そのような施設は設備管理もより気を使うことでしょう。設備などは新しいものと交換してあることも多いのですが、建物自体が古ければ火災なども発生しやすくなります。そのため、より厳重な管理が必要です。
他の場所でビルメンを行うより建物に関する知識などが必要とされることも多いでしょう。
2-3.ホテルにおける設備管理を行うために必要な資格とは?
設備管理を行うために取得しておくと有利な資格は、
- 危険物取扱者乙種4類
- 第二種電気工事士
- 2級ボイラー技士
- 第三種冷凍機械保安責任者
- 消防設備士
などです。これらの資格を取得すれば、電気工事やボイラーの運転、空調管理の保安業務などを行うことができます。ホテルの設備が故障したり破損したりした場合は、専門の業者が修理を行うのが一般的です。しかし、ちょっとした電気系統の故障や普段の保安業務などは、これらの資格を取得していれば設備管理者自身が行えるため、人件費の削減にもつながるでしょう。
また、床面積が3,000㎡以上のホテルは、建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)の選任が必要になります。この他、高電圧受電設備など事業用電気工作物の保安監督業務を行うことができる、第三種電気主任技術者を取得しておくと有利でしょう。
さて、ここまでご紹介した資格はすべて国家資格です。この他、全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会が主催する旅館・ホテル安全安心管理士という民間資格があります。これは、レジオネラ属菌による肺炎や食中毒を予防するために設備を管理するための知識を有している、という証明になる資格です。取得はリンク先のホームページで認定試験を受ければ取得できます。
3.ホテルにおける設備管理の求人など
ホテルにおける設備管理を行う仕事をするには、ホテルに直接雇用してもらうか、ホテルから設備管理を請け負っている会社に就職しましょう。求人サイトなどを検索すれば、設備管理の求人はたくさん出ています。無資格でも雇ってもらえることもありますが、前述した資格を取得していたほうが断然有利です。資格をたくさん取得しているほど出世ものぞめますし、資格手当がついて給与もアップするでしょう。
勤務形態は24時間体制が基本です。また、カレンダーどおりには休めません。ホテルは無休のところがほとんどで、お盆やお正月など長期休みの時期に顧客が増えます。したがって、皆が休みの時ほど忙しい傾向にあるでしょう。
設備によっては、定期メンテナンスだけを外部に委託している場合もあります。
給与は25万円代~が平均で、資格を取得しているほどアップしやすいでしょう。特に、第三種電気主任技術者や建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)を取得していると、給与が高くなりやすいのです。
4.資格を取得する方法
ホテルに限らず、ビルメンの仕事に就くには資格があると有利です。そのため、
- 危険物取扱者乙種4類
- 第二種電気工事士
- 2級ボイラー技士
- 第三種冷凍機械保安責任者
- 消防設備士
をビルメン5点セット
- 第三種電気主任技術士
- 建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)
- エネルギー管理士
をビルメン3種の神器と呼んで取得が推奨されています。ビルメン3種の神器のうち第三種電気主任技術者以外は、受験資格がありますので注意しましょう。受験科目や申し込み方法などはこちらの記事に記載されています。これから資格取得にチャレンジしたい方は、一読してみてください。
ビルメン5点セットの方は、消防設備士甲種以外は受験資格が必要ありません。消防設備士の資格取得方法については、この記事に詳しく記載されています。その他4つの資格の試験科目や受験申し込み方法などは、こちらの記事を参考にしてください。
これらの資格をすべて取得する必要はありませんが、電気・空調に関する資格は取得しておくと有利です。ビルメン3種の神器は難易度が高く合格が難しいですが、取得すれば転職にも役立つことでしょう。
5.ホテルにおける設備管理に対するよくある質問
Q.全くの無資格でも、設備管理の職に就けますか?
A.全く無資格では難しいでしょう。第二種電気工事士や消防設備士などをまず取得しましょう。
Q.ホテルの設備管理は、他のビルメンよりも大変なのでしょうか?
A.管理体制が厳しいので、一流ホテルならば大きなトラブルはめったに起こりません。ですので、電球の交換や水道のつまりの解消・ちょっとした修理など雑務が多くなることもあります。ゆっくり座ってモニターを眺めてればよい、という仕事ではないでしょう。
Q.女性でも設備管理の仕事は行えますか?
A.女性しか入室できない場所での管理に重宝されることでしょう、
Q.何歳くらいまで勤務可能ですか?
A.建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)の資格を取得していれば、60代でも十分に仕事はあります。
Q.直接雇用と派遣、どのような違いがあるのでしょうか?
A.派遣の場合は、ビルメンを行うのはホテルだけではありません。ですから、一定期間で異動になることもあります。直接雇用の場合は、辞表を出すまで設備管理が続くのです。たくさんの施設でビルメン業務を行いたい場合は、派遣を選択した方がよいでしょう。直接雇用の場合は、その施設で出世しやすくなります。
6.おわりに
いかがでしたか? 今回はホテルの設備管理について解説しました。ホテルの設備管理はやることも多くなかなか大変です。でも、やりがいはあるでしょう。また、キャリアアップにも役立ちます。直接雇用も派遣も求人が豊富なので、資格を取得したらいろいろと面接を受けてみるのもおすすめです。
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