【解説】弱電関係の資格にはどんなものがある? 将来性のある資格はどれ?

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電気が日々の生活においてどれほど重要な役割を果たしているか、皆さんは感じていることでしょう。そしてその一環として、「弱電」、この領域についてご存知でしょうか?

弱電は、通信やデータ、音声、映像等の伝達に使われる電力のことを指します。しかし、電気を安全に扱うためには、適切な知識と資格が必要となります。

そこでこの記事では、弱電に関する資格とその取得方法について詳しく解説します。これから新たなキャリアを築きたいと考えている方、必要な資格を早急に取得したいと考えている方、この記事があなたの一助となることを願っています。

  1. 弱電とはどのようなもの?
  2. 弱電に関する資格について
  3. 第一級陸上特殊無線技士の資格を取得する方法
  4. 弱電関係の資格に関するよくある質問

1.弱電とはどのようなもの?

前述したように、弱電とは電流を利用して音声データ・映像の伝達・通信等を行う技術の総称です。テレビ・ラジオ・インターネット・電話・無線通信などが弱電に分類されます。一方、電流を発電・照明・動力の制御等に使う技術の名称は強電です。これは使う電流の強さによって名付けられたもので、弱電には強電よりも弱い電流が使われています。しかし、弱電・強電の区別は数値等で明確につけられてはいません。近年は技術の進歩により、弱電で動力の制御ができるモーターなども開発されています。

2.弱電に関する資格について

この項では、弱電に関係する資格を紹介します。

2-1.電気工事士

電気の種類に関わらず、電気工事をするために必要な資格です。第一種と第二種があり、電気関係の仕事に就く場合は多くの職場で取得をすすめられます。電気技術者試験センターが主催する試験に合格したり、経済産業省が指定した養成校を卒業すれば資格取得が可能です。

2-2.電気通信主任技術者

電気通信主任技術者は、事業用電気通信設備の工事や維持・運用における監督を行うことができる資格です。電気通信とは、電話やインターネットが該当します。かつては第一種電気通信事業と第二種電気通信事業といった区別があり、電気通信主任技術者の資格区分もそれに応じたものがありましたが、法改正によって伝送交換主任技術者資格者と線路主任技術者の二区分になりました。通信関係の会社で保守管理の仕事をするには、欠かせない資格です。資格取得に関する詳しいことは、電気通信国家試験センターのホームページを確認してください。

2-3.電気通信設備工事担任者

電気通信設備工事担任者とは、公衆回線やCATVの通信設備に接続する末端設備の接続や配線工事の監督業務を行うことができる資格です。設備内へ電話線を引き込む工事や、インターネットの配線工事が該当します。資格区分には大きくAI(アナログ)とDD(デジタル)があり、それぞれ一種~三種までの区分があるので覚えておきましょう。AIとDDの両方を扱える資格区分もあります。試験を受けて合格するか、養成課程を修了すれば取得でき、受験資格等は定められていません。試験や資格取得等に関するより詳しいことは、電気通信国家試験センターのホームページを確認してください。

2-4.無線従事者

無線従事者とは、電波法に沿って無線機器の技術的な操作を行うことができる資格です。陸上・海上・航空・アマチュアに分かれており、その中でもさらに資格区分があります。携帯電話基地局での無線機器操作、テレビ局やラジオ局での無線操機器作などを行うにも、この資格は必要です。なお、無線従事者の資格区分の1つ、第一級陸上特殊無線技士の資格取得に関する詳しいことは、次の項で紹介します。それ以外の資格について詳しく知りたい人は、日本無線協会のホームページを確認してください。

3.第一級陸上特殊無線技士の資格を取得する方法

この項では、弱電関係の資格の中でも人気がある第一級陸上特殊無線技士の取得方法などについて解説します。

3-1.第一級陸上特殊無線技士の概要

第一級陸上特殊無線技士は、前項でご紹介した無線従事者の資格区分の1つです。陸上にある基地局内で無線設備を用い、30MHz以上の電波を使用する空中線電力500kW以下の無線機器を取り扱うことができます。ただし、放送局の無線設備は取り扱うことができません。また、送受信は陸上にある無線基地局同士にある設備に限られ、船舶や航空機との通信はできないので覚えておきましょう。

3-2.第一級陸上特殊無線技士を取得するメリット

第一級陸上特殊無線技士の資格を取得すれば、携帯電話の基地局やテレビの中継局などで無線機器の操作を行うことができます。近年は、携帯電話の普及によって有資格者の需要が高まり、携帯電話関連の会社から常に一定の求人があるでしょう。転職する際にかなり有利な資格です。また、第一級陸上特殊無線技士の上位資格に陸上無線技術士があります。第一級陸上特殊無線技士が取得できれば、陸上無線技術士も取得しやすくなるでしょう。上位資格を取得することで、放送局の無線設備も取り扱うことができるようになります。

3-3.第一級陸上特殊無線技士の資格取得方法

第一級陸上特殊無線技士の資格を取得するには養成課程を修了し、修了試験に合格する方法と日本無線協会が主催する試験を受けて合格する方法があります。ただし、養成課程を受講するには高校・専門学校・大学(短大)の電気科を卒業する、総合無線通信士・海上無線通信士などの資格を取得する、などの条件があるので注意しましょう。詳しくは、日本無線協会のホームページを確認してください。養成課程は10日ほどで、受講料は69,548円です。
一方、試験は受験資格が定められていません。学歴・年齢・職歴問わず受験することができます。できるだけ早く資格を取得したい場合は、試験を受けましょう。

3-4.第一級陸上特殊無線技士の試験内容

第一級陸上特殊無線技士の試験は、無線工学・法規の2科目の学科試験です。試験科目は少ないのですが、無線工学は120点満点中75点、法規は60点満点中40点が合格点となっています。しかも、1問当たりの配点が高いため、1問の間違いが合否を分けることもあるでしょう。科目が少ないからと甘く見てはいけません。日本無線協会のホームページでは、過去問の一部が公開されているので、確認してみてください。

3-5.試験の日程や申し込み方法

第一級陸上特殊無線技士の試験は、毎年2月・6月・10月に札幌・仙台・東京・長野・金沢・名古屋・大阪・広島・松山・熊本・那覇で開催されます。全国では開催されないので、遠方に住んでいる人は宿泊準備も必要です。日本無線協会のホームページでは、試験の申し込みを電子申請で行えるので、利用してみましょう。受験料は5,362円です。すでに無線従事者の他の資格区分を取得している場合、試験科目の一部が免除になることがあります。詳しくは協会のホームページを確認してください。

4.弱電関係の資格に関するよくある質問

Q.弱電関係の資格を取得しても、強電を取り扱ったり保守管理をしたりする仕事には就けませんか?
A.電気工事士ならば、すべての電気設備で電気工事を行うことが可能です。また、電気関係の資格はたくさんありますが1つ取得すれば、知識が身につきますから他の資格も取得しやすいでしょう。弱電関係の資格を取得し、興味が湧いたら強電関係の資格も取得してみてください。

Q.第一級陸上特殊無線技士の資格にいきなりチャレンジしても大丈夫ですか? まずは、もっと低い級から挑戦するべきでしょうか?
A.陸上特殊無線技士は、第一級~三級までありますが合格に必要な知識を身につける自信があるならば、いきなり一級に挑戦しても大丈夫です。

Q.弱電関係の資格は将来性がありますか?
A.電気通信関係の設備は、これから増えこそすれ減ることはないでしょう。将来性は大いにあります。

Q.電気関係の知識が全くありませんが、電気関係の資格を取得することはできるでしょうか?
A.はい。時間をかけて勉強すれば大丈夫です。

Q.女性でも弱電関係の資格を取得し、活躍できますか?
A.もちろんです。女性ならではの細やかな心遣いが必要な職場も多いでしょう。また、男性が入りにくい施設の保守点検にも需要があります。

まとめ

今回は弱電関係の資格について解説しました。これからも、弱電関係の設備は増加することが考えられます。資格を取得して経験を積めば、転職だけでなく昇給や昇進にも有利になるでしょう。

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