管工事施工管理技士の資格を取得するメリットや取得後の就職先は?

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管工事施工管理技士とは、建築に関係する国家資格のひとつです。ほかの資格に比べると知名度も低くマイナーな感じもしますが、取得していればいろいろなメリットもあります。

そこで、今回は管工事施工管理技士の資格を習得する方法や就職できる場所などをご紹介しましょう。管工事施工管理技士の資格がなければ、開業できない職種もあるのです。また、この資格を取得しているとできることなどもご紹介します。管工事施工管理技士の資格取得を目指している方も、ぜひこの記事を読んでみてください。

  1. 管工事施工管理技士とはどんな資格?
  2. 管工事施工管理技士を取得するメリットは?
  3. 管工事施工管理技士を取得するには?
  4. 管工事施工管理技士に関するよくある質問

1.管工事施工管理技士とはどんな資格?

管工事施工管理技士とは、施工管理技士国家資格のひとつです。国土交通省の管轄で1級と2級があります。管工とは配管のことです。私たちが生活したり利用したりする建物には、たくさんの配管が通っています。一例をあげだけでも、冷暖房、空調、ガス配管、給湯設備、浄化槽工事、衛生設備工事などがあるのです。つまり、人が快適に生活をしたり使用したりする建物を造るためには、配管工事が欠かせません。管工事施工管理技士は、そんな配管工事の施工計画を立て、工程管理、品質管理、安全管理等を行います。建築業界にはなくてはならない仕事でしょう。

2.管工事施工管理技士を取得するメリットは?

管工事というのは、施工管理技士の資格を取得しなくても工事をすることはできます。しかし、工事全体の責任者になったりするならば、資格を取得しなければなりません。さらに、特定建設業や一般建設業の事務所を立ち上げる際は国土交通省の許可が必要です。その条件のひとつが、営業所に専任の技術者が常駐していること。管工事施工管理技士は、その専任の技術者になることができます。つまり、建設業者が新しい事務所や営業所を作ろうとする場合は、必ず管工事を含む施工管理技士を専任の技術者として選任しなければならないのです。

特に、特定建設業の許可を得るためには、1級の施工管理技士が専任技術者である必要があります。「元請工事を下請けに依頼して施工する場合、その下請け代金が四千五百万円以上になる工事を請け負うことができる」と法律で定められているからです。ですから、管工事施工管理技士の資格を取得していると、資格手当が出たり営業所の責任者になれることもあるでしょう。

管工事施工管理技士の有資格者を雇用していれば、職場の信用も高まります。たとえば、公共工事の入札を行う場合は施工管理技士を雇用している事業所の方が断然有利です。そのため、有資格者を高い給料を出しても雇いたいという事業所は多いでしょう。

また、建築業界は現在若手の技術者が不足しています。施工管理技士の資格を取得するには、一定の実務経験が必要です。取得していれば、自分の技術力の証明にもなり、転職や就職に役立つでしょう。

会社が資格を得るためにバックアップをしてくれるところも多いです。経費で講習などを受けさせてくれるところもあります。もし、会社が「費用を会社が負担するから、資格を取得してみなか?」と提案してきたら、ぜひ受けましょう。将来のメリットも大きいです。

3.管工事施工管理技士を取得するには?

この項では、管工事施工管理技士の資格を取得するための方法をご紹介します。どんな条件があり、難易度はどの程度なのでしょうか?

3-1.受験資格について

管工事施工管理技士は、誰でも取得できる資格ではありません。各種学校の指定学科を卒業して実務経験があることが必要です。指定学科以外を卒業した場合は、その分長く実務経験が必要になります。なお、義務教育を終了した方だけでも8年以上の実務経験があれば、受験資格を得られるのです。また、前述したように管工事施工管理技士には1級と2級があり、1級の方が条件は厳しくなっています。ですから、まずは2級を取得してから1級を目指す方も多いでしょう。

3-2.受験科目について

管工事施工管理技士の資格試験は学科試験と実地試験の2種類があります。学科試験は機械工学、施工管理法、法規の試験。
実地試験には施工管理法の試験が含まれます。学科試験は択一式で、実地試験は記述式になるのです。学科試験、実地試験とも60%以上の正解率で合格になります。また、実地試験では実際に施工した現場に関する記述式の問題も出るのです。

実地試験は、2級の場合は同日に行われますが1級は学科試験の合格者のみに実施されます。学科試験に合格し、実地試験に不合格だった場合は翌年だけ学科試験が免除になるのです。ですから、1年目に惜しくも実地だけ不合格だったという場合は、ぜひ翌年に合格しましょう。翌年も不合格だった場合は、また学科試験から受け直さなければなりません。

3-3.難易度や合格率について

管工事施工管理技士の試験の合格率は、2級が40%前後なのに対し、1級は20%をややきるくらいです。経験者でこの合格率ですから、試験は決して易しくはありません。また、施工管理技士の資格は受験条件を考えるとどんなに早くても、20代の半ばくらいからしか受験できないのです。

勤務しながら受験する場合は、まとまった勉強時間が取れない方も珍しくないでしょう。仕事と勉強の両立が合格のカギを握るといっても過言ではありません。ちなみに、資格試験のサイトなどを見ると難易度は「ふつう」になっています。これは、全く勉強しなければ受かりませんが、予備校などに通って勉強漬けにならなくても合格できるというレベルです。

3-4.勉強方法について

管工事施工管理技士の資格を取得するためには、独学で勉強する方法と講習会などに参加する方法があります。受験できる人自体が限られているので、予備校などはありません。合格した方の勉強方法としては、独学で勉強しつつ講習会でわからないことを聞くという方が多いです。管工事施工管理技士の資格を目指す方はすでに実務経験がありますから、参考書を読めばある程度の理解はできるでしょう。しかし、やはり法令などは覚えにくいと思います。ですから、過去問題集などをくりかえし解くことが大切です。

管工事施工管理技士の試験は独学でも取得できますが、独学では自信がない方や独学で勉強して試験にのぞみ、残念ながら不合格になってしまったという方は、通信教材の利用がおすすめです。

4.管工事施工管理技士に関するよくある質問

Q.管工事施工管理技士は、30代以降で取得しても役立ちますか?
A.もちろんです。20代で取得できる方はごくわずかなので、30代で取得できれば若手として活躍できます。

Q.管工事施工管理技士の受験資格は、どのような工事を行っていれば取得できるでしょうか?
A.水道・ガス・空調工事などです。

Q.管工事施工管理技士の試験は、科目合格はありますか?
A.学科試験の合格は1年間持ち越すことはできますが、科目合格はありません。

Q.管工事施工管理技士の資格を取得した後、別の施工管理技士の資格は取得できますか?
A.受験条件を満たすために実務経験を積む必要がありますので、可能ですが難しいでしょう。

Q.管工事施工管理技士の資格は更新する必要はありますか?
A.ありません。取得後はずっと有効です。

おわりに

今回は管工事施工管理技士の資格を取得するメリットやその方法などをご紹介しました。この資格を取得すれば建築業者へよい条件での就職が可能です。また、日本だけでなく海外の営業所での需要もあります。さらに、新しく営業所や事務所を立ち上げる、という場合も「ぜひ来てください」といわれることもあるでしょう。管工事施工管理技士は、実務経験がなければ取得できない資格です。ですから、この資格を取得していることで、経験も知識もありますよと客観的に証明ができるでしょう。建築業者の方からすれば「ぜひ来てほしい」という人材でもあるのです。高い技術力を持っていても、無資格ですと責任者になることは不可能。ですから、機会があればぜひ試験を受けてみましょう。同じ職場にとどまるとしても、昇給が期待できます。近年は女性の資格取得者も増えました。子育てを終えてよりステップアップしたいという方もたくさん挑戦しています。

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