PM2.5の特徴と発生原因は? 肺がんのリスクを高めるってホント?

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公害防止管理者として、PM2.5の特徴や発生原因について知っておくことは大切です。
近年、中国でPM2.5による深刻な大気汚染問題が発生したことは、日本でも知られています。
そして、国内にもPM2.5の発生源があることが分かってきているのです。
PM2.5とは一体何なのか、発生原因にはどのようなものがあるのか、知っておくべきではないでしょうか。

そんな人たちは、ぜひ参考にしてみてください。


1.PM2.5の特徴

まずは、PM2.5がどのような物質なのか、その特徴をまとめてみたいと思います。

1-1.PM2.5とは

大気中には、揮発性有機化合物や窒素酸化物などの汚染物質が混ざってできた粒子状の物質が浮遊しています。
その中でも粒形2.5マイクロメートル以下の小さな粒子を「PM2.5」と呼んでいるのです。
1マイクロメートルは1ミリの1000分の1の大きさであり、花粉と比較しても非常に小さな粒子であることが分かります。
成分は、炭素成分、硝酸塩、硫酸炎、アンモニウム塩、ケイ素、ナトリウム、アルミニウムなどです。

1-2.PM2.5の種類

PM2.5には、一次生成粒子と二次生成粒子の2種類があります。
ボイラーや焼却場でものを燃やしたときに直接排出されるのが一次生成粒子。
火力発電所や工場、自動車などから排出された硫黄酸化物や窒素酸化物が、大気中の光やオゾンと反応して生成されるのが二次生成粒子です。
特に、一次生成粒子は一般家庭内でも発生することがあるため、注意が必要になるでしょう。

1-3.PM2.5による大気汚染問題

主に中国で深刻な問題となっているPM2.5による大気汚染。
中国では2017年までに、主要な都市の大気中にあるPM2.5濃度を「10%以上低下する」という目標を設定しました。
日本では2013年、一時的にPM2.5濃度が非常に高くなり、問題となったのです。
その原因は、中国から入ってきたものと日本国内での大気汚染、両方の要因が確認されています。
現在は環境に対する取り組みを強化した結果、国内でのPM2.5濃度は減少傾向にあるでしょう。
しかし、PM2.5濃度は季節によって変動し、特に3~5月には上昇する傾向にあるため、注意が必要です。

2.PM2.5の発生原因

PM2.5の発生原因にはどのようなものがあるのでしょうか。
私たちの身近なものにも、PM2.5の発生源になっているものがあるのです。

2-1.中国における発生源

中国におけるPM2.5の発生源は自動車や火力発電所、工場などです。
中国でも、工場から発生する煙や自動車の排気ガスに対する規制を強化しています。
しかし、徹底できていないのが現状なのです。
特に冬場は、石炭を燃料とする暖房器具も多く使われており、そこが発生源になっている場合も。
中国では、エネルギーの約70%が石炭となっています。
急激に経済が発展し、環境設備が追いつかないまま石炭を燃やしていることが大きな原因になっているのです。
また、自動車に乗る人が急増したことも原因の1つでしょう。
ガソリンの質がよくないため、排気ガスやディーゼル粒子などの物質が大気中にまき散らされているのです。

2-2.日本への影響

中国のPM2.5は、春先になると偏西風に乗って日本にも飛んできます。
冷たい空気は重いため、普通は冬の間にPM2.5が動くことはないのです。
しかし、今年はいわゆる「暖冬」であり、12月の平均気温が例年より高くなっています。
暖冬の場合、移動性高気圧をつくることがあり、中国からの汚染物質が大量に流れてくる可能性があるでしょう。
つまり、春先どころか1年中、PM2.5の汚染リスクに見舞われることになります。

2-3.国内における発生源

データ結果によると中国だけでなく、日本国内にもPM2.5の発生源はあるということが分かっています。
首都圏は幹線道路の交通量が多い上、東京湾沿いには大規模な工業地帯もあるでしょう。
また、東京湾を往来する貨物船なども、PM2.5の発生源になっていると考えられています。
そして、前述したとおりPM2.5は、家庭内でも発生する可能性があるのです。
調理で火を使うとき、ガス給湯器の使用時などに発生する恐れがあります。
さらに、タバコの煙からも。
禁煙でない飲食店内のPM2.5濃度は、中国北京市のものと同じレベルであることが分かっているのです。

3.人体への影響

最後に、PM2.5が及ぼす人体への影響についてご紹介します。

3-1.最も影響があるのは喉や気管支

一定量のPM2.を吸い込んだとき、最も症状が現れやすいのは喉や気管支です。
喉のかゆみや違和感・痛みのほか、咳(せき)やくしゃみなどの症状が出ます。
ほかにも、目のかゆみや充血、耳鳴り、頭痛、関節痛なども注意が必要でしょう。
目のかゆみや充血、くしゃみなどは、花粉症でもある症状であるため、原因が分かりにくいのが特徴です。

3-2.肺炎や肺がんのリスクも

PM2.5は粒子自体が非常に小さく、肺の奥まで侵入しやすくなっています。
大量に吸い込むことで肺炎や肺がんのリスクが高まるでしょう。
中国では、PM2.5による大気汚染が原因で、若年層の肺がん患者が増えてきたというデータもあります。
実際に、PM2.5を吸ったラットの肺が、わずか6日間で真っ黒になったという実験結果も出ているのです。

3-3.子供への影響は?

専門家の認識によるとPM2.5の影響は「そこまで神経質になる必要はない」と言われているのです。
しかし、小さな子供となると心配になりますよね。
屋外で過ごすことの多い子供は、PM2.5の影響を受けやすくなるでしょう。
喘息(ぜんそく)などの症状を引き起こすリスクが高まり、アレルギー疾患が悪化する可能性も否定できません。
また、常にPM2.5によるストレスを受けている子供は、肺の発達が遅れる傾向にあるというデータも。
まだ解明できていない部分も多いPM2.5。
子供たちが将来健康に過ごすためにも、しっかりとした対策を考えていく必要があるでしょう。

4.まとめ

いかがでしたでしょうか。
ニュースで話題になっているPM2.5。
その恐ろしさを知らない人はまだまだたくさんいるでしょう。
発生原因や人体への影響について勉強し、安心して暮らせる世界を作り出すことが今後の課題と言えます。

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