公害防止管理者の就職先は? 仕事内容などと共に徹底解説

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公害防止管理者とは、公害を発生させる可能性のある施設などで、公害を防止するための検査などを行うことができる資格です。製造業・電気供給業・ガス供給業などで公害を発生させる恐れのある施設に選任が義務付けられており、有資格者には一定の需要があります。資格を取得すれば転職はもちろんのこと、昇進や昇給にも有利でしょう。

今回は、公害防止管理者の就職事情や仕事内容をご紹介します。

  1. 公害防止管理者の基礎知識
  2. 公害防止管理者の就職先などについて
  3. 公害防止管理者を取得する方法
  4. 公害防止管理者に関するよくある質問

この記事を読めば、公害防止管理者の資格を取得するメリットもよく分かるでしょう。公害防止管理者の資格取得を目指している方は、ぜひ読んでみてください。


1.公害防止管理者の基礎知識

はじめに、公害防止管理者の仕事内容や必要とされている職場などをご紹介します。どのような仕事を行うのでしょうか?

1-1.公害防止管理者とは?

公害防止管理者とは、騒音やばい煙、水質汚染・振動・土壌汚染などの公害を防止するために、空気や水の測定業務などを行うことができる資格です。特定工場における公害防止組織の整備に関する法律で選任義務などが定められており、有資格者は選任が義務付けられている施設などで、高い需要があります。

1-2.公害防止管理者を必要としている職場とは?

公害防止管理者は、

  • 製造業(物品の加工業を含む)
  • 電気供給業
  • ガス供給業
  • 熱供給業

のいずれかに属しており、

  • ばい煙発生施設
  • 特定粉じん発生施設
  • 一般粉じん発生施設
  • 汚水等排出施設
  • 騒音発生施設
  • 振動発生施設
  • ダイオキシン類発生施設

といった施設を有している職場に、選任が義務付けられています。このような施設を、特定工場というのです。特定工場は、さらに1時間のばい煙発生量が4万立方m以上で、かつ1日の排水量が1万立方m以上の「一定規模の特定工場」と「その他の特定工場」に分けられます。一定規模の特定工場でかつ従業員が20人以上いる職場では、公害防止統括者・公害防止主任管理者・公害防止管理者からなる、公害防止管理組織の設置が必要です。

1-3.公害防止管理者の仕事とは?

公害防止管理者の仕事は、公害防止施設の運転・維持・管理や、燃料・原材料の検査などを行います。また、少しでも異常があった場合は安全管理者や衛生管理者・施設の経営者などと話し合って対策を立てなければなりません。公害は、一度発生してしまうと、収束するまで長い年月と莫大な費用がかかることもあるでしょう。被害者が出た場合は、補償も行わなくてはなりません。公害防止管理者の仕事は決して目立つものではありませんが、とても重要です。

1-4.公害防止管理者の種類

公害防止管理者は、大気・水質・粉じんやばいじん・ダイオキシン・騒音や振動など、13種類に分かれています。「この資格を取得すれば、すべての公害を防止するための技術的な管理が行える」という資格はありません。ですから、必要な資格を選んで取得しましょう。

2.公害防止管理者の就職先などについて

公害防止管理者は、1-2で前述したように、特定工場に選任が義務付けられています。そのため、すべての特定工場で需要があるのです。1種類でも取得しておけば、就職や転職に有利でしょう。また、1種類でも資格を取得していれば、他の種類を取得したい場合は試験科目が免除になることもあります。ですから、就業中に別の種類の資格が必要になった場合に、改めて取得する方もいるでしょう。

特に、大学で理系の学部を専攻している方は、在学中に資格を取得しておくと就職に有利に働くこともあります。
公害防止管理者の年収は350万円~400万円前後が多く、資格手当がつくことも多いでしょう。

3.公害防止管理者を取得する方法

この項では、公害防止管理者の資格を取得する方法をご紹介します。ぜひ、参考にしてください。

3-1.公害防止管理者になるには?

公害防止管理者になるには、産業環境管理協会が主催する資格試験を受けて合格するか、技術士・計量士・衛生工学管理者などの資格を取得した後で、講習を受けて取得する方法があります。講習の受講資格については、協会のホームページを確認してください。公害防止管理者の種類は多いので、まずは自分が受けたい資格を決めることが大切です。

受験に関しては資格等は定められていません。学歴・性別・国籍問わず、誰でも受験することができます。

3-2.公害防止管理者の試験について

公害防止管理者の試験は、公害総論や水質や大気の概論・持論などがあります。受験する資格の種類によって試験問題数も異なるので注意しましょう。試験は毎年1日だけ行われるので、複数同時受験などはできません。また、水質や大気など同じ種類の中で1種~3種まで複数に分かれているものもあります。ですから、自分の職場で必要な資格をまずは取得し、その後、関連する種類を追加で取得していく方も多いのです。

3-3.試験の申し込み方法

公害防止管理者の試験は、毎年10月に実施されます。今年の試験概要・講習概要はまだ発表されていません。産業環境管理協会のホームページを定期的にチェックしましょう。試験には科目合格があり、合格した科目は3年間持ち越せます。ですから、申し込み方法などは人によって異なるため、概要をしっかりとチェックしてください。

初めて受験する方は、協会あてに願書を送ります。電子申請も行っておりますので、協会のホームページから行ってください。受験料は6,400円~6,800円、試験会場は全国の主要都市です。遠方の人は宿泊場所も確保しておきましょう。

3-4.受験勉強について

資格試験では、独学で勉強する方法と通信教材を利用する勉強方法が一般的ですが、公害防止管理者の場合は、産業環境管理協会が参考書を販売し、通信教育や対策講座を行っています。ですから、基本的にはこれらを利用しましょう。公害防止管理者の合格率は、10%~38%と幅があります。問題数に関わらず6割以上の得点率で合格となりますので、問題数の多い試験ほどしっかりと勉強していなければ受かりません。

4.公害防止管理者に関するよくある質問

Q.公害防止管理者は、できるだけたくさんの種類を取得した方がよいのでしょうか?
A.そんなことはありません。1種類でも需要はあります。

Q.何でもいいから取得したい場合は、どれがおすすめですか?
A.大気か水の第4種を受験してみましょう。合格率が高く、第3種を受験するときに科目免除もあります。

Q.学生でも資格を取得できるのでしょうか?
A 受験資格が定められていないので可能です。

Q.安全管理者と公害防止管理者は兼ねられますか?
A.原則としては兼ねられません。

Q.公害組織を設置する場合、構成員はすべて有資格者でなければならないのでしょうか?
A.統括公害防止管理者のみ、無資格でも選任できます。工場長など責任者が就任するのが一般的です。

おわりに

今回は、公害防止管理者についていろいろとご紹介しました。まだ有資格者が少なく、需要が高い仕事です。特定工場に勤めている方や転職を考えている方は、取得をしておいて損はないでしょう。受験資格が定められていませんので、誰でもチャレンジできます。

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