公害防止管理者の過去問をチェック! 合格するための勉強法を解説!

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公害防止管理者とは、大気や水を汚す可能性のある物質を排出する工場や施設、騒音や粉じんを出す施設には選任が義務づけられている資格です。今回は公害防止管理者の資格を取得する方法や勉強方法、過去問等の活用方法などをご紹介します。公害防止管理者はどちらかといえばマイナーな資格ですから、受験したい方は情報集めに苦労するかもしれません。この記事には、公害防止管理者の種類や受験科目など皆様が必要としている情報がギュッと詰まっています。

  1. 公害防止管理者とはどんな資格?
  2. 公害防止管理者の資格を取得するメリット
  3. 公害防止管理者の資格を取得する方法
  4. 合格のための勉強方法
  5. 学習のコツ
  6. 合格までのスケジュール
  7. 公害防止管理者の過去問に関するよくある質問
  8. まとめ


1.公害防止管理者とはどんな資格?

まず始めに、公害防止管理者の職務内容や選任義務のある場所などをご紹介します。決して目立つ仕事ではありませんが、多くの施設や職場で必要とされているのです。

1-1.公害防止管理者の職務とは?

公害防止管理者とは、大気汚染・水質汚濁・騒音・振動等の公害を防止するため、水や空気・騒音の状態を測定したり対策を立てたりする資格です。今は、どのような工場や施設も、汚水や有害物質をそのまま大気や水の中に放出するようなことはしません。しかし、わずかずつでも有害物質が漏れだしていけば、いつか公害が発生する可能性もあるでしょう。

また、騒音や振動は出している方はなかなか気づきにくいときもあります。どちらかといえば裏方の職務ですが、一度公害が発生すれば大変なことになるので、重要な仕事です。

1-2.公害防止管理者が制定されるまでの歴史

昭和30年代~40年代にかけて、全国で工場から無造作に水や大気中に放出した有害物質により、公害病が多発しました。そのため、1970年に国会で公害対策法が制定され、翌年の1971年には特定工場における公害防止組織の整備に関する法律が制定されたのです。この法律によって誕生したのが公害防止管理者になります。現在では、毎年5,000名近くの公害防止管理者が新たに誕生し、公害防止のために職務に励んでいるのです。

1-3.公害防止管理者の種類

公害防止管理者は、大きく分けて

  • 大気関係
  • 水質関係
  • 騒音、振動関係
  • 粉じん関係
  • ダイオキシン類関係
  • 公害防止主任管理者

があります。これらの中は、さらに1種~4種、特定と一般などに分かれているのです。また、ほかの資格のように「最上位のものを取得すれば、すべての水・大気・騒音などすべての郊外の原因に対する調査ができる」というものはありません。ですから、職務で必要になったらそのつど新しい資格を取得するのが一般的です。

1-4.公害防止管理者の選任義務があるところは?

製造業、電気・熱・ガスの供給業者、ばい煙や粉じん・汚水・騒音・ダイオキシン類を排出する施設には、選任が義務づけられています。法律で定められている施設のほかに、自治体が独自の条例で「このような施設には、公害防止管理者を選任しなさい」と定めているところもあるのです。ですから、皆様が思っている以上に需要のある資格になります。なお、施設によっては「公害防止統括者」の選任が義務づけられていますが、これは公害防止管理者である必要はありません。間違えやすい専任者なので注意しましょう。

1-5.公害防止組織について

公害防止組織とは、公害防止統括者を頂点とし、公害防止主任管理者と公害防止管理者からなる組織のことです。一定規模以上の特定工場でなおかつ従業員が20人以上所属している施設では、公害防止組織の設置が必要になります。

公害防止統括者は工場長などの責任者が就くのが一般的で、特別な資格は必要ありません。公害防止主任管理者と公害防止管理者は資格が必要です。

2.公害防止管理者の資格を取得するメリット

この項では、公害防止管理者を取得するメリットや、資格を生かして働ける職場の種類などをご紹介しましょう。これが分かれば、勉強するモチベーションもたもちやすくなるでしょう。

2-1.資格を生かせる職場とは?

公害防止管理者の資格は、多くの工場やライフラインの会社(電力会社、ガス会社)などで需要があります。また、施設の一部に汚水をためる場所があったり、大きな音を出す可能性があったりするところも自治体によっては選任が必要になるでしょう。

2-2.平均年収や、一緒に取得しておくと便利な資格は?

公害防止管理者の資格を取得していると、多くの会社で資格手当がつきます。ですから、資格を取得していると同年代の社員よりも給料が多くなりやすいでしょう。検査の数が多く、危険度が高くなるほど手当も増加する傾向にあります。また、会社によっては若手社員に資格を取得するように勧めてくるところもあるでしょう。この場合は、受験費用の補助があったり資格を取得するとお祝い金が出たりする場合もあります。また、公害防止管理者の資格とともに、作業環境特定士・ボイラー技士・毒物劇物取扱主任・エネルギー管理士などの資格を取得しておくと、できることがより広がるでしょう。

2-3.資格を取得するメリット

公害防止管理者の資格を取得すると、給料アップや出世につながるでしょう。また、ひとつでも公害防止管理者の資格を取得していると同一の種類、別の種を取得したいという場合、共通科目が免除になったりします。さらに、技術士や保安技術管理者などの資格を取得すれば、責任者に任命される可能性も高くなるでしょう。もちろん、転職にも有利です。

3.公害防止管理者の資格を取得する方法

この項では、資格を取得する方法や資格習得までの流れをご紹介します。受験以外にも認定講習を受講するという方法もあるのです。

3-1.公害防止管理者になるには?

公害防止管理者の資格を取得するには、試験に合格するか認定講座を受講しなければなりません。受験資格はありませんので、性別、年代、学歴を問わず受験できます。そのため、特に理系の大学生が在学中に取得するというケースも少なくありません。一方、認定講座の方は技術士、計量士、薬剤師、エネルギー管理士などの資格取得が受講の条件になります。講習の受講資格のある資格の詳細については、「一般社団法人産業管理協会」のホームページを確認してください。なお、受講資格のある資格を取得しているからといっても、すべての公害防止管理者の資格が無条件で取得できるわけではありません。取得できる資格は取得済みの資格ごとに限られています。

3-2.受験申し込みの流れ

公害防止管理者の試験スケジュールは、毎年6月に試験の公示が行われます。こちらも産業管理協会のホームページ上で発表されますので、確認しておきましょう。公示された後で、免除科目がある方はその旨が記された葉書が届きます。大切に保管しておいてください。申込期間は通常、7月いっぱい。申し込みはインターネット上で行います。申し込みが完了されると、9月に受験票が送付され、試験は10月に行われるのです。

なお、郵送で願書を送りたい場合は、産業管理協会の事務所や分室・経済産業局・都道府県庁・主要市役所の環境関係部署で配布されています。郵送もしてくれますので、遠方に住んでいる方は利用してみましょう。受験料は6,400円~6,800円です。試験の種類によって異なりますので、確認してから払い込みましょう。

3-3.試験地について

公害防止管理者の試験は、札幌市・仙台市・東京都・愛知県・大阪府・広島市・高松市・福岡市・那覇市で行われます。
全国ではないので注意しましょう。自分が住む都道府県で行われない場合は、前日までに会場付近へ移動しておいてください。そのため、試験日前日や次の日も予定を開けておきましょう。

3-4.試験科目・合格率・難易度について

公害防止管理者の試験は、共通科目と資格の種類ごとの専用科目があります。共通科目は、「公害総論」。専用科目は、大気・水質・粉じん・ばいじん・ダイオキシンの特論・概論・総論などです。試験の種類により科目が1~2個多くなったり少なくなったりするので確認を忘れずに。資格の種類によって問題の数も35問~75問まであります。つまり、まず受ける資格の種類を決めないことには、試験の科目も分かりません。ですから、受験者はまずどの資格を受けるかを決めましょう。合格率は、10%~40%までで、平均すると20%前後です。難易度は普通ですから、独学でもしっかりと勉強していれば受かるでしょう。

3-5.問い合わせ先

公害防止管理者は、試験の種類がたくさんあります。ですから間違いも起こりやすいでしょう。不明な点、間違っている点があった場合は「一般社団法人、産業管理協会」のホームページから、メールで問い合わせましょう。

4.合格のための勉強方法

この項では、勉強方法の種類をご紹介します。いったいどのような方法があるのでしょうか?

4-1.講習会に参加する

産業管理協会が、試験対策の講習会を開いています。全国の主要都市で開催され大気、水質、騒音・振動の各コースがあるのです。また、コースの中でも基礎講座・集中コースなどがあります。費用は15,000円~60,000円。安くありませんが、試験を主催しているところでの講習ですので、合格のコツや出題されやすい場所なども教えてくれるでしょう。1発合格を狙っている方などは、ぜひ参加してみましょう。

4-2.通信講座を受講する

大手通信教材会社などでは、公害防止管理者の通信講座を開設しています。問題を送ると添削してくれますし、質問などもメールで受け付けてくれるでしょう。分からないことがあってもすぐに解決できますし、利用すればモチベーションも維持しやすいのです。ですから、1度独学で受験して不合格になってしまったという方にもお勧めでしょう。費用は40,000円~100,000円前後です。

4-3.独学

市販の問題集を購入し、独学で勉強する方法です。産業管理協会もテキストを発行していますので、それを利用してもよいでしょう。新しい種類の資格を取得したいという方や、公害に対して知識があるという方にお勧めです。参考書は1冊3,000円前後と最も安上がりですが、モチベーションの維持や分からない場所が出てきた場合の解決方法などを考えておく必要があるでしょう。

4-4.過去問題について

公害防止管理者の試験には、過去問題と似たような問題がよく出題されます。試験の主催者である産業環境管理協会が主催している通信講座や受験講習会を受講し、過去問題集をくり返し解くとよいでしょう。「このような問題が出る」と分かっていれば、落ち着いて試験にのぞむことができます。

5.学習のコツや方法

この項では、合格をつかむ学習のコツをご紹介します。参考にできそうなことはぜひ参考にしてくださいね。

5-1.勉強時間

公害防止管理者の勉強は暗記と計算が中心です。会場にスタンダードなタイプの電卓は持ちこめますが、計算方法が分からなければ問題は解けません。ですから、毎日1~2時間は勉強に充てましょう。試験問題が多くなればその分範囲も広くなります。週末にまとめて勉強しようと思っていると、試験までに範囲が終わりません。

5-2.学習のコツ

公害管理者の勉強方法は、テキストを読んで過去問題を解くのくりかえしが最も力がつきます。特に、過去問題はやりこむほどよいですね。間違えた問題をくりかえし解く習慣をつけましょう。また、講習会に参加したら必ず復習をしてください。取ったノートを読み返すだけでも力がつくはずです。通信講座を申し込んだ場合は、模擬試験の添削課題を必ず提出しましょう。

5-3.参考書の選び方

公害防止管理者の試験を実施している産業管理協会では、参考書を販売しています。ホームページから購入できますので、独学の方にはおすすめです。毎年最新版が出ますし、法律の改定などにも素早く対応してくれます。また、書店で参考書を選びたいという方は、必ず実物を見てから買った方がよいでしょう。いくつもの種類が出ていますので、自分の受ける試験の種類を決めてから買ってください。

6.合格までのスケジュール

では最後に、合格までのスケジュールの目安をご紹介します。おおよその計画を立てておいた方が勉強もはかどるでしょう。

6-1.学習計画の立て方

公害防止管理者の試験は、種類の多さにかかわらず年1回だけです。ですから、必ず合格できるように、最低でも半年前から勉強を始めていきましょう。参考書を読み進めるだけで、時間がかかることもあります。学生の場合は1日の大半を勉強に充てることもできますが、集中力が続かないかもしれません。それよりも30分ずつ1日に4回勉強をした方が、効率的に覚えられることもあります。社会人は通勤時間や昼休みなども勉強時間に当てましょう。

6-2.受験の申し込みを忘れずに

願書の申し込みは毎年1か月間です。早めに申し込んでおきましょう。インターネットによる申し込みの方が簡単ですので、ぜひ利用してみてください。受験票が届いたら大切に保管しておきましょう。なお、免除科目がある場合も確認して願書に忘れずに記載してください。

6-3.前日~当日の動き

遠隔地で受験する方は、前日に受験地入りしておきましょう。夜行バスで早朝につくという場合は、寝不足に気をつけて。特に、初めての土地では道に迷わないように早め早めに行動しましょう。なお、通信機能がついた時計はどのようなものであっても持ち込み禁止です。携帯電話を時計代わりにしている方は、その日だけ腕時計をしましょう。また、関数電卓も持ち込み禁止です。忘れ物にも気をつけましょう。

6-4.合格発表とその後の手続き

合格発表は、産業管理協会のホームページで行われるほか、合否問わず結果が葉書で到着します。ですから、ホームページが見られないからといって慌てることはありません。合格した場合、証書が届きます。これが免許の代わりになりますので大切に保管してください。

7.公害防止管理者の過去問に関するよくある質問

Q.複数の種類の試験を受験することはできる?
A.受験日は1日しかありませんが、受験時間がずれているものならば可能です。詳しくは産業管理協会のホームページをご確認ください。

Q.合格したら免許の更新は必要?
A.公害防止管理者は免許制ではありません。証書が届きますのでそれを大切に保管してください。証書が破損や紛失した場合は、産業管理協会に申し出て再発行してもらいましょう。

Q.受験地の変更は申し込み後に可能ですか?
A.一定期間で可能になります。必要書類に記入して提出しましょう。

Q.申し込む試験を間違ってしまった。返金してもらいたいけれどできますか?
A.理由に問わず、受験料などは返金されません。申し込む際に間違えないように注意しましょう。

Q.平成17年以前に取得した資格があっても、免除の対象外だと聞きました。
A.試験の免除制度が始まったのは平成18年度からです。それ以前に取得した資格は免除の対象になりません。

まとめ

いかがでしたか?今回は公害防止管理者の資格試験についてご紹介しました。平成28年度の受験の詳細は6月に発表されます。発表されたらすぐに詳細を確認しましょう。そこから学習計画を立て直しても構いません。また、勉強時間を確保できるなら今から受験を考えても合格できる可能性はあります。がんばりましょう。

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