土木施工管理技士試験の指定学科とは? 卒業するメリットをチェック!
2018/09/30
「土木施工管理技士の資格を取得したいが、自分が受験資格を満たしているかどうか分からない」と不安を感じている人はいませんか?土木施工管理技士の資格試験を受けるには、一定の実務経験が必要です。実務経験の長さは大学や専門学校で指定学科を卒業しているかどうかでも変わります。
そこで今回は、指定学科の調べ方や指定学科を卒業していた場合の証明方法などを紹介しましょう。
この記事を読めば、土木施工管理技士の受験資格についてもよく分かります。土木施工管理技士試験を受験したいと考えている人は、ぜひ読んでみてくださいね。
1.土木施工管理技士の基礎知識
はじめに、土木施工管理技士の資格概要や取得するメリット・資格区分などを紹介します。
1-1.土木施工管理技士の資格概要
土木施工管理技士とは、施行管理技士の一種で、土木工事の施工管理や安全管理・監督業務などを行うことができる国家資格です。もう少し具体的に説明すると、工事現場で選任が必要な主任技術者や監理技術者になることができます。技術者を束ね、監督する立場になることができる資格とも言えるでしょう。資格を取得すれば昇給や昇進しやすくなり、転職の際の武器にもなります。
1-2.土木施工管理技士の職務
土木施工管理技士の職務は、施行管理・工事の安全管理・技術者たちの監督などが代表的なものです。土木工事が計画的かつ安全に終了できるかどうかは、施工管理技士の腕によるところが大きいでしょう。
1-3.土木施工管理技士の資格区分
土木施工管理技士には、以下のような資格区分があります。
- 1級:すべての土木工事で施工管理・安全管理・技術者の監督を行うことが可能。主任技術者と監理技術者の両方に選任を受けることができる。専任技術者にもなることも可能
- 2級:土木・鋼構造物塗装・薬液注入に分かれている。取得した工事を行う際、施工管理・安全管理・技術者の監督を行うことが可能。主任技術者の選任を受けることができる(監理技術者の選任は受けられない)
1級も2級も行える職務に差はありません。しかし、1級の方が職務を行える仕事場が多いので、2級が取得できたらぜひ1級にチャレンジしてみましょう。
2.土木施工管理技士の受験資格について
土木施工管理技士になるには、全国建築研修センターが主催する試験を受けて合格する必要があります。この項では、受験資格を得る方法を解説しましょう。
2-1.1級の受験資格を得る方法
1級の受験資格を得るには、指導監督的な実務経験が必要です。もう少し詳しく説明すると、主任技術者・施工監督・工事主任等に選任され、部下を指導・監督した経験が1年以上あり、それに加えて学歴に応じた土木工事に関わる実務経験がなければ受験資格は得られません。たとえば、一般的な大学を卒業した場合、指導監督的な実務経験を含む4年6か月以上の実務経験が必要です。主任技術者になるには、2級土木施工管理技士の資格が必要なので、まず2級を取得してから実務経験を積み、1級に挑戦する人も多いでしょう。
2-2.2級の受験資格を得る方法
2級の受験資格は、土木工事に関わる実務経験が最短で1年以上あれば受験ができます。指導監督的な実務経験は必要ありません。また、土木施工管理技士の試験は学科試験と実地試験があり、2級の学科試験だけは満17歳以降であれば、誰でも受験可能です。そのため、将来土木関係の仕事に就きたい人は、大学や専門学校に在学しているうちに学科試験だけ受験しておく人もいます。
2-3.実務経験に該当する仕事・しない仕事
土木工事に関わる実務経験とは、請負人として施工を指揮・監督した経験、また監督補助などを行った経験を指します。施行に直接関わらない設計だけの経験や、土木工事現場の雑務・単純労働は実務経験に含まれないので注意しましょう。たとえば、「土木工事のアルバイトを1年間行った」という経験は、実務経験にはできません。
3.土木施工管理技士における指定学科について
この項では、指定学科とはどのようなものかという説明や、実務経験との関係について解説します。
3-1.指定学科とはなにか
指定学科とは、国土交通省令で定められている土木工事に関わる学科のことです。大学・短大・高等専門学校などにあります。指定学科については、全国建築研修センターのサイトで、PDF形式で公開されているので、まずは確認してください。「指定学科」と、「学校により指定学科に準ずると認められている学科」の2種類があるため、必ず両方確認しましょう。なお、学校により指定学科に準ずると認められている学科は、その学科を卒業しているだけでなく所定の単位を取得していることが条件となります。
3-2.指定学科と実務経験の関係
前述したように、指定学科を卒業していると実務経験の期間が短くなります。たとえば、2級を受験したい場合、大学で指定学科以外の学部を卒業していると、1年6か月の実務経験が必要です。一方、大学で指定学科を卒業していた場合、1年で受験資格を得られます。つまり、指定学科を卒業していた方が早く資格を得やすくなるのです。
3-3.指定学科を卒業していた場合の証明方法
指定学科を卒業していた場合、願書を提出する際に学部・学科・専修したコースが分かる卒業証明書を一緒に提出しなければなりません。また、「学校により指定学科に準ずると認められている学科」を卒業した場合は、履修した単位が分かる履修証明書も必要です。「学校を卒業して時間がたってしまい、卒業証明書などをなくしてしまった」という場合は、卒業した学校に問い合わせてみましょう。多くの場合、有料で証明書類を再発行してくれます。ただし、学校がなくなってしまったり、再発行が不可な場合は、指定学科を卒業したという証明ができないため、指定学科以外を卒業した人と同じ扱いになるので注意しましょう。
4.土木施工管理技士や指定学科に関するよくある質問
この項では、土木施工管理技士や指定学科に関するよくある質問を紹介します。
Q.土木施工管理技士は、やはり正社員でないと受験資格を得にくいでしょうか?
A.派遣社員でも受験資格に該当する仕事ができる会社もありますが、やはり正社員の方が仕事に就ける可能性は高めです。
Q.大学の再編成などで、卒業した学部・学科が消滅してしまった場合は、指定学科に該当していても指定学科以外になってしまいますか?
A.いいえ。指定学科を卒業したことを証明できれば大丈夫です。
Q.高校・高専・専門学校・短大・大学以外の学校は指定学科に認定されませんか?
A.職業訓練校でも、わずかですが指定学科があるので確認してください。
Q.専門学校の定時制や、大学の二部であっても指定学科に該当しますか?
A.はい。定時制でも二部でも指定学科を卒業していれば問題ありません。
Q.すでに退職した会社で実務経験を積んでいた場合は、試験を受けられますか?
A.受けられますが、退職した会社に「確かにこの仕事を行っていた」と証明してもらう必要があるので、難しいケースもあるでしょう。
まとめ
いかがでしたか? 今回は土木施工管理技士の試験における指定学科について、解説しました。指定学科を卒業していれば、実務期間が短くなるというメリットがあります。卒業した人は、ぜひそれを活用して資格取得を目指してみてください。
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