建築物環境衛生管理技術者は就職や転職に有利?資格取得の方法とは?
2017/01/26
2017/01/27
建築物環境衛生管理技術者は、建築物の環境衛生に関する維持管理を行うことのできる資格です。ビル管理士・ビル管理技術者という通称の方が広く知られており、通称で有資格者を募集している企業もあります。大規模な商業ビルやオフィスビルなど一定の広さを持つ建物には選任が義務付けられており、就職や転職に有利な資格の一つです。
そこで、今回は建築物環境衛生管理技術者の就職や転職状況についてご紹介しましょう。
- 建築物環境衛生管理技術者の基礎知識
- 建築物環境衛生管理技術者の就職や転職について
- 建築物環境衛生管理技術者のキャリアアップについて
- 建築物環境衛生管理技術者の資格を取得するための勉強方法
- 建築物環境衛生管理技術者についてよくある質問
転職や就職の状況が分かれば、資格を取得しようという気持ちも高まります。建築物環境衛生管理技術者の資格を取得しようと考えている方は、ぜひこの記事を読んでみてくださいね。
1.建築物環境衛生管理技術者の基礎知識
はじめに、建築物環境衛生管理技術者とはどのような資格かということをご説明しましょう。難易度や有資格者の需要はどのくらいなのでしょうか?
1-1.建築物環境衛生管理技術者とは
建築物環境衛生管理技術者は、建築物の環境衛生に関する監督等を行える資格です。主にビルの衛生管理を行うためビル管理士やビル管理技術者という通称があり、そちらの方が広く知られています。超高層ビル・オフィスビル・商業施設など面積が3,000平米を超える建築物には選任の義務があるため、求人は常に豊富です。有格者として就職すると大抵の職場ではビル管理の最高責任者を任されます。
1-2.建築物環境衛生管理技術者の仕事とは
建築物環境衛生管理技術者の主な仕事は、使用者が建物内で安全かつ衛生的に過ごせるように給排水・空調・照明などを管理・点検することです。これらはすべて自分で行うことはありませんが、設備を点検する業者や清掃業者・害虫駆除業者との折衝や契約などは行います。また、テナントからのクレームを解決したり、交渉を行ったりするのも仕事です。単にビル管理に関する知識があるだけでなく、マネジメント能力も必要とされます。そのため、ある程度社会経験がある人の方が向いている仕事です。
1-3.建築物環境衛生管理技術者の職場とは
建築物環境衛生管理技術者の資格を生かせる職場は、もちろんビル管理です。ビル管理業者やビルマネジメント業者に所属して色々なビルに派遣されることもありますし、ビルを持っている企業の管財や総務部門でも有資格者を求めています。特に、企業の持ちビルの管理を行う部門に務めている場合は、建築物環境衛生管理技術者の資格取得が出世の近道というところもあるでしょう。
1-4.建築物環境衛生管理技術者の資格を取得するには
建築物環境衛生管理技術者の資格を取得するには一定の学歴や資格を有し、ビル管理の仕事を一定期間行ってから講習会を受講する方法。厚生労働省によって定められた用途の建築物で同じく定められた仕事に一定期間就いた後に国家試験を受験して合格する方法があります。
講習会を受講する資格は厳しいため、実務経験を積んで試験にチャレンジする方の方が一般的です。合格率は平均して25%~27%で、難易度は高めですが、毎年多くの方が挑戦します。
1-5.建築物環境衛生管理技術者を取得するための講習について
冷凍機械責任者・電気主任技術者・ボイラー技士・技術士等の資格を有し、一定期間、建築物環境衛生管理技術者の選任が必要とされる建築物で環境衛生に関する職務の実務経験を積むと、資格取得ができる講習の受講資格を得られます。冷凍機械責任者・電気主任技術者やビル管理の職務に就く際に取得しておくと有利です。これらの資格を取得してビル管理の仕事に就いている方もいるでしょう。
講習は3週間、108時間にわたって行われ、費用はテキスト代込みで108,800円です。講習会場は東京・大阪の他、北海道・広島・石川・沖縄などで行われます。そのため、地方に住んでいて仕事を持っている方が講習を受けるためには、職場の理解も大切です。講習の申し込みは、日本建築衛生管理教育センターのホームページから行えます。
1-6.建築物環境衛生管理技術者の試験について
建築物環境衛生管理技術者の試験は、毎年10月の第1日曜日に行われます。受験資格を得るためには、厚生労働省が定めた用途の建築物内で、2年以上環境衛生に関する実務を積む必要があるので、幅広い年代の方が受験する試験です。建築物環境衛生管理技術者の合格基準は、各科目が満点中40%以上の正解率、総合得点が満点中65%以上の正解率で合格となります。試験科目は建築物衛生行政概論など7科目で、午前3科目午後4科目が行われるのです。
試験会場は、札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・福岡で、受験費用は13,900円となります。遠方の方は、移動する日も考えて受験計画をたてるとよいですね。申し込みは日本建築衛生管理教育センターのホームページから行えますので、興味がある方はサイトを一読してみましょう。
2.建築物環境衛生管理技術者の就職や転職について
建築物環境衛生管理技術者の資格を取得している方は、ほとんどがビル管理の職務経験があります。即戦力が期待できるため、東京や大阪といった大都市を中心に需要がある資格です。建築物環境衛生管理技術者の有資格者を対象とした就職・転職サイトもあります。
また、建築物環境衛生管理技術者の仕事は社会寺経験が豊富でマネジメント能力が高い方が適しているため、定年を迎えた方でも求人があるのです。そのため、40代・50代になってから転職する場合でも条件の良い職場に巡り合いやすいでしょう。
3.建築物環境衛生管理技術者のキャリアアップについて
建築物の清掃や電気・空調の管理を実際に行うのは、専門の業者です。しかし、建築物環境衛生管理技術者もビルの機材を保守点検できるようにしておけば、より仕事が効率的に行えます。ですから、電気主任技術者・ボイラー技士・冷凍機械責任者などの資格を取っておくと、転職や就職により有利です。
また、今ご紹介した資格を取り、ビル管理の仕事に就いて実務経験を積み、建築物環境衛生管理技術者の資格を最後に取得してもよいでしょう。
4.建築物環境衛生管理技術者の資格を取得するための勉強方法
この項では建築物環境衛生管理技術者の資格を取得するための勉強方法をご紹介します。ぜひ参考にしてください。
4-1.建築物環境衛生管理技術者の資格は独学で取得可能?
建築物環境衛生管理技術者の資格試験は、難易度で見ると普通です。これは、予備校などに通って特別なテクニックを学ばなくても合格できるということで、問題が簡単というわけではありません。
勉強は暗記が中心になりますので、市販の参考書と過去問を利用すれば独学でも勉強は可能です。
4-2.講習会を利用する
国家資格向けの講座を開設している予備校では、建築物環境衛生管理技術者の講座を設けているところもあります。独学では勉強しにくいという方は、予備校に通ってみるのもよいでしょう。ただし、予備校は東京や大阪などの大都市に集中しているため、地方の方は中々通いにくいのが現状です。
4-3.通信講座を利用する
予備校がない地方に住んでおり独学で勉強をする自信がないという場合は、通信講座を利用する方法があります。通信講座は日本全国どこに住んでいても問題なく利用できるうえ、メールを使って質問も可能です。独学で勉強していると、分からないことがあっても質問できません。そのため、一度つまづくと勉強が進まないこともあるでしょう。その点、通信講座は質問をして疑問を解消することもできます。
また、通信講座によっては講義形式のDVDで勉強できるコースもありますので、本を読んで暗記することが苦手という方におすすめです。
4-4.勉強方法のコツ
建築物環境衛生管理技術者の勉強方法は、参考書を読んで暗記をして過去問題を解くのくり返しです。科目数が多いので勉強にも時間がかかります。また、建築物環境衛生管理技術者の試験を受験する方のほとんどが仕事をしながら受験勉強をすることでしょう。ですから、まとまった時間を勉強用として確保するのは難しいと思います。そこで、活用したいのが通勤時間や休み時間などの隙間時間。短時間でも集中して勉強すれば、驚くほど頭の中に入ります。常に参考書を持ち歩くのもよいですが、過去問のアプリなども出ていますので、スマ―トフォンを使って勉強をするのもおすすめです。
5.建築物環境衛生管理技術者についてよくある質問
Q.資格を取得すれば、建築物環境衛生管理技術者として未経験でも就職可能ですか?
A.建築物環境衛生管理技術者は、ビル管理の総合責任者のような仕事ですから、ビル管理の実務経験があれば勤められます。問題ありません。
Q.女性でも建築物環境衛生管理技術者として就職ができるのしょうか?
A.もちろんです。男性が多い職場ですが、これから女性も増えていくことでしょう。
Q.建築物環境衛生管理技術者は何歳くらいから取得可能ですか?
A.医師や一級建築士・技術士になれば実務経験がなくても講習会の受講資格が得られます。しかし、これらの資格を取得するのも大変です。ストレートで資格を取得したとしても、20代半ばまではかかるでしょう。
Q.ビル管理の仕事自体は無資格でもできるのですか?
A.はい、可能です。しかし、電機やボイラーなどの資格を取得しておくとより就職がしやすいでしょう。
Q.建築物環境衛生管理技術者は何歳くらいまで働けますか?
A.心身共に健康ならば、70代でも大丈夫です。実際に働いている方はたくさんいます。
6.おわりに
いかがでしたか? 今回は、建築物環境衛生管理技術者の就職や転職についていろいろとご紹介しました。合格率が30%未満の試験ですので、1度で合格する方の方が少数です。ですから、1度失敗したからといってもあきらめずに資格取得を目指しましょう。ビル管理の仕事に就いている方は、資格を取得しておいて損はありません。特に、講習会受講資格がある方は受講してみましょう。必要な条件を満たしてさえいれば、申し込んだ時点でビル管理の仕事に就いていなくても問題ありません。職場によっては、積極的に取得させてくれるでしょう。
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