ビル管理・ビルメンテナンスの仕事・業務内容は? 必要資格の取得方法も紹介
2016/04/19
2020/07/02
就職だけでなく転職先としても人気のあるビル管理(ビルメンテナンス)業。気楽な職場というイメージもありますが、本当なのでしょうか? そこで、今回はビルメン管理の仕事内容についてご紹介します。「ビル管理の仕事って簡単そう」と思って就職すると、「こんなはずでは」と思うことも多いかもしれません。また、ビル管理業に終業したい場合に取得しておくと便利な資格などもご紹介します。ビル管理の仕事に興味があるという方は、ぜひこの記事を読んでみてください。
1.ビル管理(ビルメンテナンス)とは?
ビルは、さまざまな目的で使用される大型の建物です。百貨店や劇場・映画館などの商業施設もあれば、複数の事務所が入っているオフィスビルもあるでしょう。ビル管理とは、ビルを利用する方が長時間快適に過ごせるようにビルの設備をメンテナンスするのが、主な仕事内容です。また、床面積が3000平方メートル以上のビルは「ビル管理法(建築物における衛生的環境の確保に関する法律)」によって、管理方法が定められています。
1-1.ビル管理の必要性と最近の傾向
ビルを含む不特定多数の人が使用する施設には、さまざまな設備があります。安全かつ衛生的に施設を使用するためには、的確な管理が欠かせません。電気設備・ボイラー設備・動力設備などは専門にメンテナンスをする業者もいます。ひと昔前まではビル管理というと、故障がおきれば専門にメンテナンスをする会社へ連絡することが主な仕事の一つでした。現在では、管理者自身も資格を持ち、日常的な点検やメンテナンスを行うことが多くなっています。
1-2.ビル管理のやりがいや適性について
ビル管理は、裏方の仕事であり、目立つことはありませんが、なくてはならない仕事です。大規模なメンテナンスなどは夜間に行われることが多いので、勤務形態は24時間体制のところが多いでしょう。また、商業施設などは曜日に関係なく仕事があるところが一般的です。ですから、お盆やお正月など世間一般が休みの時でも仕事があります。
ビル管理はこまごまとした仕事が多いので、手先が器用で1人の作業が苦にならない人が向いているでしょう。ビル管理の総括的な立場を任せられるようになると、コミュニケーション能力も必要になります。
2.ビル管理の主な仕事内容は?
この項では、ビル管理の主な仕事内容を具体的にご紹介していきます。ビル管理の仕事は楽というイメージを抱いている方もいますが、本当にそうでしょうか?
2-1.ビル設備の保守点検
ビル設備とは、電気・水道・空調など多岐にわたります。小さいことですと、「排水口が詰まった」「蛍光灯が切れた」「空調のききが悪い」と使用者から申請が来た場合に点検や修理を行うのです。管理者が自ら行うこともありますし、業者に連絡して対応してもらうこともあるでしょう。
また、ビル管理法に指定されているビルですと、定期的に水や空気の検査、受水槽の清掃、害虫駆除などを行わなければなりません。これも管理者の仕事です。自分でやることはありませんが、業者に依頼して検査や清掃に立ち会います。また、設備に異常がないか定期的に見回りをするのも、大切な仕事です。
2-2.テナントや業者との折衝
テナントとは、ビルの一部を借りている店舗や会社のことです。大きな企業の本社ビルでもない限り、ビルには複数のテナントが入っています。テナントがビルに対して何か要望があれば、まずビル管理の仕事に就いている人に申し出るというところも多いでしょう。ビル管理者はそれらを聞いて、対応したりオーナーに伝えたりします。中には無理難題に近いことを申し出てくるケースもありますので、コミュニケーション能力も必要です。
また、ビルの大がかりな修理や清掃などは業者に依頼しますが、その折衝もビル管理者の仕事になります。立ち会っていればよいこともありますが、必要であれば交渉をしたりほかの業者に変更したりすることもあるでしょう。
2-3.オーナーとテナントの橋渡し
テナントが要望やビル設備の改善を求めていたり、逆にオーナーからテナントに要望があったりする場合は、ビル管理の仕事に就いている人が橋渡しをすることもあります。そのような機会は限られていますが、橋渡しがうまくいけば話し合いもスムーズに行くでしょう。
3.ビル管理の仕事は楽というのは本当?
ビル管理の仕事というと、20年ほど前までは定年退職した男性が行う仕事というイメージがありました。そのころは修理や保守点検は専門の業者が行い、管理者はそれに立ち会うだけということが一般的だったのです。しかし、現在では管理者にある程度の保守点検業務を任しているところが大半でしょう。そのため、昼はテナントの要望や細かい修理をして、夜は保守点検に忙しいという職場も少なくありません。楽そうだからというだけで、ビル設備管理の仕事に就こうなどと思わないことです。さらに、最近は資格保有者でないと採用してくれない職場も多いでしょう。
4.ビル設備管理の仕事に必要な資格は?
ビル管理の仕事は無資格でも行えます。しかし、行える仕事が限られいるため、資格を取得しておいたほうが断然有利です。ビル管理の仕事に就くために必要な資格は複数ありますが、まとめて、ビルメン4点セット、ビルメン三種の神器と呼ばれています。ビルメン4点セットの方が取得が比較的優しいので、まずはそちらから取得し、ビルメンの仕事をしながらビルメン三種の神器取得を目指す人も多いでしょう。
この項では、ビル管理の仕事をする際に取得しておいた方がよい資格や、一定の面積以上のビルを管理するのに必要な資格をご紹介しましょう。
4-1.電気関係の資格
電気設備の工事や保守点検は必ず資格が必要です。蛍光灯を変えたり家電を設置したりする以上のことを管理者に求めている職場も多いので、取得しておけば有利でしょう。電気関係の資格は実務経験がないと受験資格が得られないものも少なくありません。しかし、「第二種電気工事士」と「第三種電気主任技術者」は、だれでも受験できます。まずはどちらかを取得して、実務経験を積んでから上位の資格にチャレンジしてもよいでしょう。
4-2.熱源に関する資格
ビルに使われている熱源というのは、ボイラーが一般的です。ボイラー技士の資格を取得しておけば、取り扱うだけでなく点検や安全管理が行えるでしょう。また、ボイラー以外の熱源を使っている場合でも、ボイラー技士の免許を取得している方を採用したいという職場は少なくありません。
4-3.建築物環境衛生管理技術者
通称「ビル管理士」といわれる資格です。面積が3000平方メートル以上あるビルは、必ずこの資格の保持者を管理者のひとりとして選任しなくてはなりません。また、この資格を取得していれば、ビル管理の責任者に任命される機会も多いでしょう。
ビル管理者を一生の仕事としたい方はぜひ取得しておきたい資格です。受験するには2年以上の実務経験が必要なため、まずは電気や熱源に関する資格を取得してビル管理の仕事に就き、取得を目指すとよいでしょう。
5.ビル管理の仕事に就きたい場合の就職先
ビル管理の仕事は、ビルの管理を専門に請け負う業者に就職するか、ビルをたくさん所有している会社に就職するのが一般的です。求人は「ビルメンテナンス」「ビル管理」「ビルマネジメント」などの名目で行われることが多いでしょう。
また、ビル管理の仕事は募集年齢が幅広いので、一度募集が出ると応募者が殺到することもあります。ビル管理の仕事は、基本的に24時間~36時間勤務です。つまり、職場に泊まりこんでの勤務になります。
前述したようにコミュニケーション能力が必要な職場も多いですので、「黙って設備の点検だけしてればよい」と思っていると、ギャップに悩まされるかもしれません。資格を取得しておけば有利ですが、勤務をしていると会社が資格取得をバックアップしてくれるケースもあります。
5-1.ビル管理の求人について
ビル管理の求人は、自社ビルで行っているところと、複数のビルから管理を請け負っている業者からあります。自社ビルを複数持っている場合は、ビル管理専門の子会社を作っているところもあるでしょう。都市部ほど求人が多く、仕事の内容も特定の設備を管理するところから、総合的な管理をおこなう求人まであります。よく求人内容を読んで応募しましょう。
6.よくある質問
Q.ビル管理の仕事は女性でも行えますか?
A.もちろんです。女子寮などの管理は女性技士の需要が高いでしょう。
Q.資格を取得する場合、いきなり難関資格に挑戦しても大丈夫ですか?
A.実務経験などの受験資格がなければ、問題ありません。
Q.ビル管理の仕事は何歳くらいまで行えますか?
A.業務にもよりますが、定年を超えて働いている人も多いのです。
Q.ビル管理の仕事は昼間だけの勤務、というのはありますか?
A.正社員で昼間だけの勤務というのは、ない事はありませんが、ごくわずかです。
Q.ビル管理の仕事は肉体労働でしょうか?
A.肉体労働でもありますが、こまやかな心遣いも必要になります。
おわりに
今回は、ビル管理(ビルメンテナンス)の仕事内容をご紹介しました。ビル管理の仕事は、決して目立つことはありません。しかし、ビルメンテナンスの仕事をする人がいなければ、安心、安全にビルで仕事をすることはできないでしょう。そのような点から見ると、やりがいのある仕事といえます。
また、ビル管理は職場によって忙しさに違いが大きいのです。築年数が浅く、トラブルがほとんどないようなビルは夜の勤務の大部分が仮眠時間というところもあるでしょう。逆に、夜しか保守点検の時間がないデパートは、ほとんど眠る時間もありません。ですから、自分の体力と相談して職場を選んだり、派遣したりしてもらいましょう。
なお、仕事をしながら必要な資格を取得していくという方法を取れば、仕事と資格取得が両立できやすいです。
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