水族館へ就職するには潜水士の資格が必要? 取得方法と共に解説
2018/09/30
「水族館に就職したいので、水族館で働くために必要な資格取得を考えている」という人はいませんか? 水族館の仕事はいろいろありますが、水槽内に潜って清掃や水質調査、生物への餌(え)づけなどを行うには、潜水士の資格が役立ちます。また、潜水士の資格を取得していれば、水族館以外でも水中での作業を行う仕事に就くことが可能です。
そこで今回は、潜水士の資格を取得する方法や水族館で資格を活用して働く方法などを紹介しましょう。
この記事を読めば、潜水士を必要としている水族館以外の仕事場についてもよく分かります。潜水士の資格取得を目指している人は、ぜひ読んでみてくださいね。
1.潜水士とはどのような資格?
潜水士は、潜水用具を用いて水中で行う作業を行うことができる国家資格です。潜水用具とは、ウエットスーツや酸素ボンベの総称で、これらを身につけて仕事を行うには必ず潜水士の資格が必要になります。たとえば、ダイビングをレジャーで行う場合は、民間資格であるダイビングライセンスで十分ですが、インストラクターとして働く場合は潜水士の資格が必要です。
2.潜水士の資格を取得するメリット
潜水士は、水中での工事・調査・救助など水中で行う必要がある作業をするには欠かせない資格です。ですから、建築関係だけでなく、漁業関係・学術関係・報道関係・消防や警察からも求人があります。また、同じ仕事でも水中で行うと給与が大幅にアップするものも多いのです。たとえば、溶接作業の平均年収は400万円前後ですが、水中溶接作業になると、1,000万円代までアップします。
3.水族館への就職と潜水士の資格
この項では、水族館の仕事において潜水士資格が必要なものや、資格を取得するメリットなどを紹介します。
3-1.水族館に就職するには?
水族館は、魚や水棲哺乳類(すいせいほにゅうるい)・海獣(かいじゅう)などを展示する施設です。魚や動物好きの人にとっては、あこがれの職場の1つでしょう。水族館の仕事は、飼育している動物のお世話や設備の管理などがあります。人気の仕事は飼育員ですが、希望者が多く狭き門です。
3-2.水族館における潜水士の需要
前述したように、水族館の仕事のうち潜水士の資格が必要なのは水槽の清掃や管理・魚の餌づけなどをするものです。ですから、人数としてはたくさん必要とされているわけではありません。水族館によっては、潜水士の有資格者は水族館に常駐しておらず、必要になったときだけ、委託している業者から人を派遣してもらうスタイルを取っているところもあります。しかし、資格を取得してダイビング技術を磨いておけば、何かの縁で水族館で働くことができる可能性は高まるでしょう。
3-3.水族館で働くために必須の資格はあるの?
水族館で働くために、絶対に必要な資格はありません。水族館で飼育している生物のエキスパートになった方が、飼育員として働けるチャンスがアップするでしょう。また、獣医師の資格を取得すれば、常駐ではありませんが水族館で働ける可能性も高まります。
4.潜水士の資格取得方法
この項では、潜水士の資格試験の内容や取得までの流れを紹介します。
4-1.潜水士の資格取得方法
潜水士の資格は、安全衛生技術試験協会が主催する試験を受けて合格すれば取得できます。受験資格は定められていません。学歴・性別・国籍・年齢に関わらず取得できます。ただし、試験に合格しても18歳以上にならないと免許が交付されないので、注意しましょう。18歳未満で試験に合格した場合、潜水士の資格を活用して働くためには18歳になってから免許を交付してもらう必要があります。
4-2.試験科目
潜水士の試験は、以下のような4科目の筆記試験です。
- 潜水業務
- 送気、潜降(せんこう)及び浮上
- 高気圧障害
- 関係法令
潜水士の試験は、潜水に必要な技術を問う試験なので実技試験は実施されません。ですから、泳ぎの練習などをする必要もなく、潜水士の資格を取得してからダイビングを練習する人もいます。
4-3.申し込み方法・受験料・試験日程
潜水士の試験は、全国にある安全衛生技術センターで年に4~6日行われます。センターごとに試験回数が違うので、安全衛生技術試験協会のサイトから確認してください。年に1度全国で出張試験が行われるので、センターが遠方という場合は利用しましょう。年に何度受験してもかまいません。受験料は6,800円です。願書は協会や各センターで入手でき、送付を依頼することもできます。必要事項を記入し、試験を受けたいセンターへ送付してください。電子申請は行っていないので注意しましょう。
4-4.勉強方法のコツ
潜水士の試験は合格率が80%を超えており、国家資格の中では易しいものです。しかし、一夜漬けで勉強して合格できるほど簡単な試験ではありません。市販の参考書や過去問題集の中から自分に合ったものを見つけ、最低でも1週間はみっちり勉強してください。
5.潜水士に関するよくある質問
この項では、潜水士に関するよくある質問を紹介します。
Q.潜水技術は、どこで取得すればいいのですか?
A.ダイビングスクールなどで取得するのが一番簡単でしょう。
Q.潜水士の資格を取得していれば、ダイビングライセンスは必要ありませんか?
A.ダイビングインストラクターとして働くのでなければ、特に高度なライセンスを取る必要はないでしょう。
Q.イルカのトレーナーになりたいのですが、潜水士の資格は必要ですか?
A.イルカのトレーナーは基本的に潜水用具をつけないので、必要ありません。
Q.潜水士の資格を取得すれば、海洋関係の仕事にも就きやすくなりますか?
A.はい。海洋調査や生物捕獲などの仕事にも就ける可能性が高まります。
Q.ボランティアでダイビングを教えたい場合、潜水士の資格は必要ですか?
A.仕事ではないので法律的には必要ありませんが、取得していた方が入れる保険が多くなるなど便利でしょう。
まとめ
今回は、水族館の仕事と潜水士の資格との関係などについて解説しました。潜水士の資格を持っていれば、仕事の幅が広がる分、水族館で働けるチャンスが高まります。ぜひ、機会があれば取得にチャレンジしてみましょう。
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