施工管理から積算へ転職できる?現場経験を活かせる人と求人票の見方
2015/10/14
施工管理の経験を活かしながら、現場中心の働き方を見直したいと考えていませんか?残業や休日対応、現場常駐の負担を減らしたい一方で、建設業界で積み上げてきた経験を無駄にしたくないと感じる方もいるでしょう。
そのような方が検討しやすい職種の一つが、積算です。積算は、図面や仕様書をもとに工事に必要な数量や費用を算出する仕事で、施工管理で培った図面理解、工事の流れ、材料や施工方法の知識を活かせる場面があります。
この記事では、施工管理から積算へ転職できるのか、どのような経験が評価されやすいのか、求人票で確認したいポイントを解説します。今すぐ転職を決める必要はありませんが、自分の現場経験がどのような職種で評価されるのかを知ることで、次の働き方を考えやすくなります。
- 積算とはどのような仕事か
- 施工管理経験が積算で活かせる理由
- 施工管理から積算へ転職しやすい人の特徴
- 積算へ転職する前に整理したい経験
- 積算求人で確認したいポイント
- 施工管理経験を活かせる積算求人を確認する
この記事は、次のような方におすすめです。
- 施工管理から積算へ転職できるか知りたい方
- 現場経験を活かしながら働き方を変えたい方
- 図面や数量拾い、見積もり業務に興味がある方
- 施工管理の資格や経験を別職種で活かしたい方
- 積算・発注者支援・設計補助などの求人を確認したい方
1.積算とはどのような仕事か
積算とは、工事に必要な材料、数量、労務、機械、経費などを算出し、工事費を見積もる仕事です。建設工事では、工事を始める前にどのくらいの費用がかかるのかを把握する必要があります。その基礎になるのが積算です。
積算は、施工管理とは仕事内容が違いますが、現場で身につけた知識が役立つ場面も多い仕事です。まずは、積算の基本的な役割を整理していきましょう。
1-1.図面や仕様書から数量を拾う仕事
積算では、図面や仕様書を見ながら、工事に必要な材料や数量を拾い出します。
たとえば、建築工事であれば、コンクリート、鉄筋、型枠、内装材、設備機器などの数量を確認します。管工事や電気工事であれば、配管、ダクト、ケーブル、機器、支持金物などを図面から読み取る場面があります。
数量を正しく拾うには、図面を読む力だけでなく、実際にどのように施工されるのかを理解していることも重要です。施工管理で図面と現場を照らし合わせてきた経験は、積算でも活かしやすい力になります。
1-2.工事費や見積もりの基礎を作る仕事
積算は、工事費や見積もりの基礎を作る仕事でもあります。
数量を拾ったあと、材料単価、労務単価、機械費、外注費、諸経費などを反映し、工事に必要な費用を組み立てます。会社によっては、見積書作成や協力会社への見積依頼、発注者への提出資料の作成に関わることもあります。
積算の精度が低いと、受注後の利益や現場運営に影響することがあります。そのため、積算は単なる事務作業ではなく、工事全体の採算や計画に関わる重要な仕事です。
1-3.発注者支援や入札資料作成に関わることもある
積算の仕事は、建設会社の見積作成だけに限りません。公共工事に関わる発注者支援の分野でも、積算技術業務があります。
国土交通省では、発注者支援業務等として、積算技術業務、工事監督支援業務、技術審査業務などを整理しています【注1】。
発注者側に近い立場で積算資料を作成したり、工事発注に必要な資料を確認したりする仕事もあります。施工管理経験者にとっては、現場での知識を発注前の段階で活かす働き方といえるでしょう。
積算は、現場で得た知識を「工事費を組み立てる力」として活かせる仕事です。
2.施工管理経験が積算で活かせる理由
施工管理から積算へ転職する場合、未経験の職種に見えるかもしれません。しかし、施工管理で身につけた経験の中には、積算で評価されやすいものがあります。
ここでは、施工管理経験が積算で活かせる理由を整理します。
2-1.図面と現場を照らし合わせてきた経験
施工管理では、図面どおりに現場が進んでいるか、納まりに問題がないか、変更が必要な箇所はないかを日々確認します。
この経験は、積算で図面を読むときにも役立ちます。図面上の線や記号を見て、実際の施工がどのように進むのかを想像しやすいからです。
積算では、図面を正確に読む力が求められます。ただ数量を拾うだけでなく、「この部分は施工上、追加の部材が必要になりそうだ」「この仕様なら手間がかかる」といった現場感覚があると、より実態に近い積算につながります。
2-2.材料・施工方法・工期への理解
施工管理では、材料の手配、施工手順、工期調整、協力会社との段取りなどに関わります。
積算でも、どの材料を使うのか、どの施工方法が必要なのか、どのくらいの手間がかかるのかを理解することが大切です。
たとえば、同じ数量でも、施工場所や施工条件によって手間は変わります。高所作業、狭い場所での施工、夜間作業、既存設備との取り合いなど、現場で経験してきた条件は、積算時の判断材料になります。
現場で「なぜこの工事に手間がかかるのか」を見てきた人は、積算でも実務に近い視点を持ちやすくなります。
2-3.協力会社との見積もり調整経験
施工管理では、協力会社から見積もりを取ったり、工事内容を確認したりする場面があります。
この経験も積算に活かせます。見積書の内容を見て、数量や単価、工事範囲に不自然な点がないかを確認する力は、積算業務でも重要です。
また、協力会社との調整経験がある人は、見積もりの背景にある施工条件や人員、工期の考え方を理解しやすいでしょう。
積算では、数字だけでなく、その数字がどのような工事内容から生まれているのかを読む力が求められます。施工管理での調整経験は、その土台になります。
3.施工管理から積算へ転職しやすい人の特徴
施工管理経験者なら誰でも積算に向いているわけではありません。現場中心の働き方とは違う部分もあるため、自分に合うかどうかを確認しておくことが大切です。
ここでは、施工管理から積算へ転職しやすい人の特徴を紹介します。
3-1.図面や数字を扱う作業が苦にならない人
積算では、図面、仕様書、数量表、見積書、単価表などを扱います。
そのため、細かい数字や資料を確認する作業が苦にならない人に向いています。現場で体を動かす時間よりも、机に向かって確認する時間が増える場合もあります。
施工管理の中でも、図面確認、施工数量の確認、見積もりチェック、発注業務が得意だった方は、積算に適性があるかもしれません。
反対に、常に現場で人を動かす仕事が好きな方は、積算の業務内容が自分に合うかを事前に確認しておくと安心です。
3-2.現場経験を落ち着いた働き方に変えたい人
積算は、施工管理に比べて現場常駐が少ない求人もあります。
もちろん、会社や案件によって忙しさはありますが、現場管理とは違い、事務所での図面確認や見積作成が中心になる場合があります。
現場経験を活かしながら、夜遅くまでの現場対応や休日出勤を見直したい方にとって、積算は検討しやすい職種です。
ただし、積算にも締切や繁忙期があります。求人票では、残業時間や担当案件数、見積提出前の忙しさなども確認しておきましょう。
3-3.工事全体のお金の流れに興味がある人
施工管理では、工程や品質、安全だけでなく、原価管理に関わることもあります。
積算は、工事費を組み立てる仕事です。そのため、工事全体のお金の流れに興味がある人に向いています。
「なぜこの工事費になるのか」「どこにコストがかかっているのか」「どうすれば適正な見積もりになるのか」を考えることが好きな人は、積算の仕事にやりがいを感じやすいでしょう。
施工管理で現場を見てきた経験に、数字を読む力を加えると、積算職としての強みが作りやすくなります。
4.積算へ転職する前に整理したい経験
積算へ転職する前には、自分の施工管理経験を整理しておくことが大切です。
職務経歴書や面接では、「施工管理をしていました」だけではなく、積算に活かせる経験を具体的に伝える必要があります。
4-1.担当した工事の種類と規模
まず整理したいのは、担当した工事の種類と規模です。
建築、土木、管工事、電気工事、設備工事など、どの分野の工事に関わってきたのかを書き出しましょう。あわせて、工事金額、建物用途、階数、延床面積、工期、担当範囲なども整理できると、経験が伝わりやすくなります。
積算では、工種ごとの知識が重要です。自分が経験してきた工事と、応募する積算求人の分野が近いほど、経験を活かしやすくなります。
4-2.図面確認や数量確認の経験
施工管理の中で、図面確認や数量確認を行ってきた経験があれば、積算職へのアピール材料になります。
たとえば、施工図の確認、拾い出し、材料発注、出来高確認、施工数量のチェック、協力会社の見積確認などです。
これらの経験は、積算業務と重なる部分があります。職務経歴書では、「図面を確認していました」だけでなく、どの図面を見て、何を確認し、どの業務に活かしていたのかまで書くと伝わりやすくなります。
4-3.見積もり・発注・原価管理の経験
施工管理で見積もりや発注、原価管理に関わった経験も、積算への転職で評価されることがあります。
協力会社からの見積もり確認、資材発注、追加工事の見積作成、予算管理、出来高管理などに関わった経験があれば整理しておきましょう。
積算では、数量や単価を扱うだけでなく、工事全体の費用感を理解することが求められます。原価や見積もりに触れてきた経験は、積算職への橋渡しになります。
4-4.使えるソフトや資格
積算求人では、使用ソフトや資格が歓迎条件になることがあります。
CAD、Excel、積算ソフト、BIM関連ソフトなど、使ったことがあるツールは整理しておきましょう。施工管理技士、建築士、電気工事士、管工事施工管理技士などの資格も、工事知識の証明として評価される場合があります。
完璧に使いこなせる必要はありませんが、どの業務でどのソフトを使っていたのかを説明できるようにしておくと安心です。
今日できることとして、これまで使った図面ソフト、表計算ソフト、見積書作成ツール、社内システムを書き出してみましょう。小さな経験でも、積算求人ではアピール材料になる場合があります。
5.積算求人で確認したいポイント
施工管理から積算へ転職する場合、求人票の見方が重要です。
同じ積算求人でも、建築積算、設備積算、土木積算、発注者支援の積算など、仕事内容は会社によって異なります。
5-1.建築・土木・設備など対象分野
積算求人では、どの分野の積算を担当するのかを確認しましょう。
建築積算では、躯体、内装、外装などを扱うことがあります。設備積算では、空調、給排水、衛生、電気設備などを扱う場合があります。土木積算では、道路、河川、橋梁、造成などの工事が対象になることがあります。
自分の施工管理経験と近い分野の求人であれば、経験を活かしやすくなります。反対に、未経験分野へ移る場合は、研修やサポート体制を確認しておくと安心です。
5-2.数量拾い中心か、見積作成まで担当するか
積算といっても、担当範囲は会社によって違います。
数量拾いが中心の求人もあれば、見積書作成、協力会社への見積依頼、価格交渉、VE提案、原価管理まで関わる求人もあります。
施工管理経験者の場合、現場感覚を活かして見積内容を確認したり、協力会社とやり取りしたりする業務に強みを出しやすいでしょう。
求人票では、「数量拾い」「見積作成」「購買」「原価管理」「協力会社対応」などの記載を確認し、自分がどこまで担当するのかを見ておきましょう。
5-3.未経験から積算を学べる環境があるか
施工管理経験があっても、積算専任としては未経験という方もいます。
その場合は、未経験から積算を学べる環境があるかを確認しましょう。研修制度、OJT、先輩のチェック体制、積算ソフトの教育、マニュアルの有無などがあると、職種変更後も仕事を覚えやすくなります。
求人票に「施工管理経験者歓迎」「積算未経験可」「OJTあり」などの記載がある場合は、施工管理から積算へ移りやすい求人の可能性があります。
ただし、入社後にどのくらいの期間で一人で担当するのか、どの分野から任されるのかも確認しておきたいところです。
5-4.残業・締切・繁忙期の実態
積算は現場常駐が少ない求人もありますが、必ずしも楽な仕事というわけではありません。
見積提出前、入札前、年度末などは忙しくなる場合があります。複数案件を同時に担当することもあるため、締切に追われることもあります。
働き方を見直す目的で積算へ転職するなら、残業時間、繁忙期、担当案件数、休日出勤の有無を確認しましょう。
年収だけでなく、続けられる働き方かどうかを見ることで、転職後のミスマッチを減らしやすくなります。
6.施工管理経験を活かせる積算求人を確認する
施工管理から積算へ転職する場合、自分の経験がどの求人で評価されるのかを見極めることが大切です。
建築、土木、設備などの分野や、数量拾い、見積作成、発注者支援などの担当範囲によって、求められる経験は変わります。
6-1.施工管理求人.jpで相談できること
施工管理求人.jpは、施工管理をはじめ、建設業界の求人に特化した転職支援サービスです。
施工管理、発注者支援、設計、積算、購買など、建設業界の経験を活かせる職種を相談できるため、現場管理から積算へ働き方を変えたい方にも使いやすいサービスです。
積算求人は、分野や担当範囲の違いが分かりにくいことがあります。建設業界に詳しい相談先を使うことで、自分の施工管理経験がどの積算求人に合うのかを整理しやすくなります。
6-2.転職を決める前の情報収集にも使える
転職支援サービスは、すぐに転職を決める人だけが使うものではありません。
今の会社に残るか、施工管理を続けるか、積算へ移るかを考えるためにも、求人を知ることは役立ちます。
たとえば、次のようなことを確認できます。
- 施工管理経験を活かせる積算求人があるか
- 積算未経験でも応募できる求人があるか
- 建築・土木・設備のどの分野が自分に合うか
- 資格手当や年収条件がどうなっているか
- 残業や働き方が今の希望に合うか
求人を確認した結果、今の会社で経験を積む判断をすることもあります。比較する材料があると、焦らずに次の行動を考えやすくなります。
6-3.現場経験を数字で伝える一歩
施工管理から積算へ転職するうえで大切なのは、現場経験を積算にどうつなげて伝えるかです。
担当した工事、図面確認、数量確認、見積チェック、協力会社との調整、原価管理などを整理しておくと、積算求人での評価につながりやすくなります。
今の働き方を変えたいと感じている方も、これまでの施工管理経験を捨てる必要はありません。現場で見てきたことを、工事費や数量を読む力として活かす道があります。
施工管理経験を積算という形で活かせるかを知ることが、働き方を見直す一歩になります。
まとめ
施工管理から積算へ転職することは、現場経験を活かしながら働き方を変える選択肢の一つです。積算では、図面や仕様書を読み取り、工事に必要な数量や費用を算出します。
施工管理で培った図面確認、材料や施工方法の理解、協力会社との見積もり調整、原価管理の経験は、積算でも評価される可能性があります。
7-1.施工管理から積算を目指すときの確認ステップ
- 積算の仕事内容を理解する: 数量拾い、見積作成、協力会社対応、発注者支援など、積算にも複数の業務があります。
- 自分の現場経験を整理する: 担当工事、図面確認、数量確認、見積チェック、原価管理の経験を書き出しましょう。
- 対象分野を確認する: 建築、土木、設備など、自分の経験に近い積算求人を確認すると選びやすくなります。
- 未経験から学べる環境を見る: 積算専任が初めての場合は、研修やOJT、チェック体制があるかを確認しましょう。
- 働き方まで確認する: 残業、繁忙期、担当案件数、休日など、転職後に続けられる環境かも見ておきたいポイントです。
施工管理の仕事を続けるか迷っている方でも、これまでの経験が無駄になるわけではありません。現場で培った知識を、積算という形で活かせる可能性があります。
まずは、自分の施工管理経験がどのような積算求人で評価されるのかを確認してみましょう。比較する材料が増えるだけでも、次の働き方を考えやすくなります。
施工管理求人.jpで施工管理経験を活かせる積算求人を確認する
出典
【注1】:「発注者支援業務等について|国土交通省」
URL:https://www.mlit.go.jp/tec/tec_fr_000135.html
【注2】:「建設業における担い手確保に向けた取組について|国土交通省」
URL:https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001861184.pdf
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