
給水装置工事を行うには資格が必要? 資格の取得方法を解説
2017/03/30
2021/04/07
給水装置とは、私有地内に水道を引き込み、各蛇口まで給水する装置の総称です。上水道からそれぞれの私有地の近くまで水を引く配水管や水道メーターは水道局のものですが、給水装置は水を引き入れた土地や建物の所有者の財産になります。建物を建てる際、給水工事は欠かせません。
そこで、今回は給水装置工事を行うことができる資格についてご紹介しましょう。
この記事を読めば、給水装置工事主任技術者になるためのプロセスもよく分かりますよ。給水装置工事主任技術者の資格取得を目指している方も、ぜひこの記事を読んでみてくださいね。
1.給水装置の基礎知識
はじめに、給水装置の種類や管理方法についてご紹介します。どこまで自主管理をする義務があるのでしょうか?
1-1.給水装置とは?
給水装置とは、建物や私有地内で水道を使用するための装置です。浄水場やそこから水を引く水道本管は水道局が管理していますが、水道本管から私有地内へ水を引く給水管や、止水栓・分水栓・建物の給水設備などは、建物や土地の所有者の財産になります。また、マンションやオフィスビル・商業施設などに設置されている給水塔も、給水装置の一種です。
1-2.給水装置工事とは?
給水装置工事とは、文字どおり給水装置の設置や撤去・修理などを行う工事のことです。これは、給水装置を設置した方や、給水装置を設置した建物や施設を作りたい方が行います。ただし、水道本管から水道メーターが設置されている場所までの給水管が破損した場合は、水道局が修理を行うことになっているのです。ですから、漏水などが起こった場合は、まず漏水箇所を見つけて、水道局に連絡するか業者に依頼をして工事を行ってもらいます。
1-3.給水装置工事はDIYで行える?
給水装置の中でも、蛇口の交換程度ならば自力で行えます。それ以外の給水装置工事は専門の業者に依頼しましょう。給水装置工事を行う業者には、24時間年中無休で水漏れなどの水道トラブルに対応してくれる業者や、配水管の交換など大がかりな工事を専門に行う業者などがあります。
2.給水装置工事に関わる資格について
この項では、給水装置工事に関わる資格についてご紹介します。どのような資格があるのでしょうか?
2-1.給水装置工事に資格は必要?
給水装置工事に関する資格には、給水装置工事主任技術者があります。この資格は、給水装置工事の工事計画を立てたり、給水装置工事を行う際に技術上の監督を行ったりすることが可能です。給水装置工事自体は、給水装置工事主任技術者の監督下で、無資格者が行うことができます。しかし、竣工検査や水道事業者(水道局)が行う工事の立ち会いなどは、有資格者しか行えません。
また、給水装置工事を行う業者が水道局指定店に選ばれるには、給水装置工事主任技術者が常駐していることが条件です。
2-2.資格を取得するメリット
給水装置主任技術者の資格を取得すれば、技術者たちを束ねる工事監督を行えます。昇進や昇給には欠かせない資格ですし、転職にも便利です。また、給水装置主任技術者の資格を取得して1年以上の実務経験を積めば、一般建設業のうち、管工事に関する主任技術者や専任技術者になることもできます。さらに、管工事施工管理技士の受験資格を得ることが可能です。管工事施工管理技士の資格を取得できれば、工事現場には必ず選任しなければならない主任技術者だけでなく、監理技術者になることができます。
2-3.資格を取得する方法
給水装置工事主任技術者の資格を取得するには、給水装置工事の実務経験を3年以上積んだ後、給水工事技術振興財団が主催する試験を受けて合格する必要があります。実務経験については、見習いでもかまいません。ただし、事務仕事や給水装置工事の用具を工事現場へ運ぶ運転手の仕事などは、実務経験に含まれないので注意しましょう。
自分が行っている仕事が実務経験に含まれているのか心配な場合は、財団に問い合わせてみてください。
2-4.受験の日程や受験科目について
給水装置工事主任技術者の試験は、毎年10月に行われます。平成29年度の試験日程はまだ発表されていないので、財団のホームページを定期的にチェックしましょう。
受験科目は、
- 公衆衛生概論
- 水道行政
- 給水装置工事法
- 給水装置の構造及び性能
- 給水装置計画論
- 給水装置工事事務論
- 給水装置の概要
- 給水装置施工管理法
の8科目です。管工事施工管理の種目にかかわる一級・二級の技術検定に合格している人は、試験の一部が免除になります。全科目の総合得点が40点以上、もしくは「給水装置の概要」と「給水装置施工管理法」を除く6科目の合計点が27点以上で合格です。
2-5.試験の申し込み方法について
給水装置工事主任技術者の試験は、給水工事技術振興財団のホームページから申し込みをしたうえで、必要書類を郵送します。詳しいことは財団のホームページを確認してください。電子申請だけでは申し込みが完了しませんので、注意しましょう。受験の手数料は16,800円です。
試験会場は全国の主要都市で行われるため、遠方の人は宿泊場所も確保しておきましょう。
3.受験勉強のコツ
給水装置工事主任技術者の勉強は、独学か通信教材を利用するのが一般的です。独学で勉強をする場合は、書店やネットショップなどで参考書や過去問題集を購入し、勉強を行いましょう。参考書を専門に発刊しているオーム社の、「これだけ覚える」シリーズなどが人気です。給水装置工事主任技術者の試験を受験する方は、ほとんどが仕事をしながら試験にのぞむことでしょう。
この試験の合格率は31%前後と、国家試験の中では平均的な合格率です。特にひねった問題などは提出されませんが、科目数が多いのでしっかりと勉強しないと合格できません。まとまった勉強時間が取れないという方は、通勤時間や昼休み時間を利用し、参考書を読み込んで過去問を解きましょう。
4.給水装置工事に関するよくある質問
Q.水道メーターの故障は、水道局に連絡すればよいのでしょうか?
A.はい。水道メーターは水道局のものですから、連絡してください。
Q.給水装置工事は業者に申し込めば、水道局への連絡は不要ですか?
A.はい。基本的に工事の検査などは業者と水道局の間で行います。
Q.アルバイトでも給水装置工事の実務経験になるのでしょうか?
A.雇用形態は問われません。
Q.給水装置工事主任技術者が不在のまま、工事を行ってはいけないのでしょうか?
A.違法になりますので、やめてください。
Q.給水装置工事主任技術者の資格を持っていれば、どのような会社で働くことが可能ですか?
A.給水装置工事を行う会社はもちろんのこと、一般の建築会社でも重宝されるでしょう。
5.おわりに
今回は、給水装置工事やそれを行うことができる資格についてご紹介しました。給水装置工事は、リフォームなどでも欠かせませんので、給水装置工事主任技術者の資格は取得をしておいて損はありません。受験資格があるのならば、ぜひチャレンジしてみましょう。
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