給水装置工事主任技術者資格を徹底解説! 受験資格や合格のコツも!

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人が一定時間過ごす建築物には、電気と水道の設備が不可欠です。
また、倉庫などものの保管を目的として作られた施設も、水道設備の需要が高いでしょう。
このような水道設備の工事をするには、「給水装置工事主任技術者」の資格が必要です。
そこで、今回は給水装置工事主任技術者の資格を取得する方法や難易度などをご紹介します。
知名度は決して高くない資格ですが、取得しておけば就職先の幅が広がるのです。
興味のある方やこの資格の取得を考えている方は、ぜひこの記事を読んでみてくださいね。

目次

  1. 給水装置って何?
  2. 給水装置工事主任技術者の資格とは?
  3. 給水装置工事主任技術者の受験勉強方法とは?
  4. おわりに

1.給水装置って何?

資格のことをご紹介する前に、まずは給水装置についてご説明しましょう。
給水装置とは水道局によって引かれた水道管から水道を設置する設備まで、水を供給するために必要な設備一式を指します。
給水管、止水栓、メーターボックス、蛇口などですね。
ちなみに、水道メーターは水道局に所有権があるため、設置はしますが管理は水道局が行います。
電気やガスと同じように、水道も給水工事には一定の決まりがあるのです。
素人が勝手に水道を引いたり改造をしたりしてはいけません。
また、蛇口パッキンの取り換えなど軽微なものを除いて、給水設備の修理も行ってはいけないことになっています。
ちなみに、「給水」目的であっても「井戸」は給水装置に含まれません。
ですから、井戸の掘削や井戸から給水管を引く工事は、給水装置工事に当たらないのです。
なので、井戸を掘りたい場合や農業用水として使いたい場合は、給水装置工事を行う会社とは別の専門業者に依頼してください。なお、井戸水を供給する給水管と水道管につないだ給水管を直接連結するのは、法律で禁止されています。
ですから、「資格がいらないから」と不用意に素人が井戸の工事をしない方がよいでしょう。

2.給水装置工事主任技術者の資格とは?

では、給水装置工事主任技術者の資格とはどのようなものでしょうか?
この項では、資格を取得することでできることや受験資格などをご紹介します。

2-1.給水装置工事主任技術者とはどんな資格?

給水装置工事主任技術者とは、給水装置に関する技術上の管理や給水装置工事に従事する者の技術上の指導監督などが行える国家資格です。
資格を取得していなくても、給水装置の工事は行えます。
しかし、工事が法律に沿って問題なく行われているかを確認するのは、有資格者でなくては行えません。
また、施工した給水装置に水道事業者が行う検査に立ち会うためにもこの資格が必要です。
ですから、水道工事を行う業者に転職する場合は、この資格が非常に有利になります。
さらに、この資格を取得すると資格手当が出る会社も多いでしょう。
また、大型ビルやマンションなど大がかりな給水装置工事が必要な場所に監督者として派遣されることもあります。
ですから、水道工事にかかわる仕事に就いているのなら、ぜひとも取得しておきたい資格です。
さらに、現在は都市部の大型ビルの給水設備を管理する会社からの求人もあるでしょう。

2-2.資格を取得するためにはどうしたらいいの?

給水装置工事主任技術者の資格を取得するには、年に一度給水工事技術振興財団が実施する試験に合格する必要があります。
試験は毎年10月中旬~下旬に全国の主要都市で行われるのです。
筆記試験のみで実技試験はありません。
しかし、3年以上の技術的な実務経験がなければ、受験資格は得られないのです。
この「技術的な実務経験」というのは、実際に工事にたずさわったという意味。
給水装置工事を行う会社に勤めていただけでは得られません。
ただし、給水装置工事にかかわっていれば、勤務体系は関係がないのです。
たとえば、見習いとしてアルバイトの待遇から勤め始めて1年後に正社員になった場合、見習い期間も技術経験の中に入れられます。
ですから、複数の会社を転々として技術職としての勤続年数が3年以上でも大丈夫です。

2-3.資格試験の内容とは?

給水装置工事主任技術者の試験内容は、以下のようなものです。

  • 公衆衛生概論
  • 水道行政
  • 給水装置の概要
  • 給水装置の構造および性能
  • 給水装置工事法
  • 給水装置施工管理法
  • 給水装置計画論
  • 給水装置工事事務論

科目名だけでも分かるように、法律や給水装置の構造にかかわる問題が多くをしめます。
ですから、給水装置工事の技術はあっても合格できるとは限りません。

2-4.試験の難易度はどのくらい?

給水装置工事主任技術者の合格率は、3割弱~4割強の間で推移しています。
実務経験が必要な試験としては、合格率は高くありません。
また、平成24年の試験からは試験内容が大きく変わりました。
水道に関係する法律が改正されたり、新しい技術や用具が多数開発されたりしたことが理由です。
ですから、平成24年度以前の過去問題集や参考書を使って勉強をしないように注意しましょう。
また、過去問がたまっていないため、「過去問をくりかえし解く」という勉強法がしにくくなっています。
そのせいか、平成25年度、平成26年度の合格率は30%前後と低くなっているのです。

3.給水装置工事主任技術者の受験勉強方法とは?

この項では、給水装置工事主任技術者の受験勉強を効率的に行う方法をご紹介します。
試験は年に1回しか行われない上に、学科ごとの合格がありません。
ですから、出題範囲をまんべんなく勉強する必要があるのです。
ぜひ参考にしてくださいね。

3-1.参考書か通信教材で勉強しよう

給水装置工事主任技術者は、受験資格を得るまでに時間がかかります。
ですから、受験者数は決して多くはありません。
危険物取扱主任者など、受験資格が不要で受験者数も多い国家資格は、受験者同士が交流するサイトや体験談をつづったブログなどもあります。
しかし、給水装置主任技術者はそのようなサイトやブログがとても少ないため、情報が得られにくいというデメリットもあるのです。
勉強法としては、自分で参考書を購入して独学で勉強するか、通信教材を購入して勉強しましょう。
平成24年に試験内容が大幅に変わりましたので、後数年は毎年教材を作り替える通信教材の方が分かりやすいという方が多いと思います。
試験勉強は暗記が中心ですが、一夜漬けは聞きにくいです。
計画的に勉強していきましょう。

3-2.毎日10分でもよいので勉強する

給水装置工事主任技術者の資格試験を受験する方は、仕事をしながら勉強をする人がほとんどかと思います。
毎日仕事で疲れて帰ってきた後で勉強をするのはおっくうです。
つい、「勉強は週末にまとめて」と思う人もいるでしょう。
しかし、暗記はまとめて行うよりも、毎日少しずつ反復(はんぷく)学習をしていった方が効果的です。
ですから、1日10分でよいので参考書を開きましょう。
また、通勤時間や昼休みと行った隙間の時間を勉強に充てると効果的です。
さらに、今はDVDで視聴する講義形式の参考書も出ています。
黙読するより耳から情報が入った方が覚えられる、という方はこちらを利用してみてください。

4.おわりに

いかがでしたか?
今回は、給水装置工事主任技術者の資格についていろいろとご説明しました。
まとめると

  • 給水装置工事主任技術者とは、給水装置工事を監督したり指導したりできる資格である。
  • 給水装置工事自体は無資格でもできるが、主任技術者がいなければ工事を完了できない。
  • 給水装置工事主任技術者の資格を取得するには3年以上の技術的実務経験を終え、資格試験に合格する必要がある。

ということです。
受験資格を得るまでに時間がかかりますが、取得しておくと転職や出世にとても有利になります。
水道工事ができる技術者はいつでも一定の需要がありますが、資格があればより採用されやすくなるでしょう。

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