
消火設備や消防設備にはどんな種類がある?それぞれの種類を詳しく解説
2015/12/07
12月に入り、いよいよ冬本番になりました。冬になると増加するのが火災です。
現在の暖房器具は安全性が高いですが、それでも火災をゼロにすることはできません。
商業施設や工場などでも同じです。
いざというときの備えが大切でしょう。
そこで今回は商業施設や工場、さらに不特定多数の方が利用する施設に備える消火設備の種類についてご説明します。
消火器や非常ベルなら目につくところに置いてありますが、そのほかにはどのようなものがあるのでしょうか?
消防設備士の資格取得を目指している方は、ぜひこの記事を読んでみてくださいね。
目次
1.消火設備とはどのようなもの?
消火設備とは、火事が起きたときに消火をする道具などを指します。
皆様が真っ先に思い浮かべるのは消火器ではないでしょうか?
確かに、消火器は商業施設などでもあちこちで見られます。
しかし、消火器だけが消防設備だけではありません。
消火栓やスプリンクラー、さらにバケツにはった水や乾燥させた砂なども消防設備のうちに入るのです。
次の項では、それを具体的にご紹介していきましょう。
2.消防設備の種類とは?
この項では、消火設備を含む消防種類を分類してご紹介していきます。
意外なものも消防設備に入るのですよ。
2-1.消火設備
消火設備とは、火を消すための設備です。
前述した消火器もこの中に入ります。
そのほかにも消火栓やスプリンクラー、動力消火ポンプ設備なども消火設備の中に入るのです。
ところで、消火をするものといえば水ですが、爆発や火災を起こしやすい危険物の中には水をかけるとより燃え広がったり爆発したりするものもあります。
ですから、消火設備の中には水を使わない泡の消火剤やガスの消火剤などもあるのです。
2-2.警報設備
警報設備とは、火事が起きたことを知らせる非常ベルなどを指します。
大きな施設の場合は、火災が起きてもすぐに分からないこともあるでしょう。
そのため、火災報知機などを施設に設置しておく必要があるのです。
警報設備は熱や煙、さらに赤外線などを察知して自動で警報を鳴らすものと、人が手動で鳴らすものあります。
消火器と一緒に備えつけられていることが多いですね。
2-3.避難設備
避難設備とは、火事が起きているときに人が安全に避難できるための道具です。
はしごやスロープのようなものもありますし、防火扉や避難口への誘導灯なども防火設備の一種でしょう。
また、窓を壊すオノのような道具も避難設備のひとつです。
3.消火設備の区分とは?
さて、消火設備には、第1種~第5種までの区分があります。
危険物取扱者の資格を持っている方ならば、勉強されているでしょう。
数字が小さいほど、消火設備は大掛かりになり、第5種消防設備は小型消火器やバケツ、砂など家庭でも常備できるようになっています。
危険物を製造したり保管していたりする施設は、法律によって備えなければならない消火設備が決まっているのです。
危険物を取り扱っている場所の責任者などになった場合は、法律で定められた消火設備が整っているか確認しましょう。
4.消火設備は整備が大切
消火設備は、使われない方がよいのです。
しかし、いつでも使えるように整備しておくことが大切でしょう。
かつて、日本では不特定多数の人が利用するホテルやデパートでたくさんの方が亡くなる火災が何件も発生しました。
これらの火事で死傷者が出た理由のひとつが、消火設備の不備です。
スプリンクラーや警報が作動していたり避難器具がきちんと使えたりしていれば、死者はもっと少なかった可能性があります。
では、消火設備はどのように整備すればよいのでしょうか?
それを次の項で説明します。
5.消火設備の整備方法とは?
では、消火設備はどのように整備すればよいのでしょうか?
この項では、その方法の一例をご紹介します。
5-1.定期的な点検をする
消火器などは、使える期間が限られています。
古い消火器を使おうとすると、爆発してかえって危険なのです。
ですから、消火器は定期的に交換しましょう。
また、スプリンクラーなどがきちんと作動するかどうか確認することも大切です。
とはいえ、実際の施設でスプリンクラーを動かすわけにはいきません。
ですから、不備がないかどうか確認していきましょう。
5-2.消火設備がすぐに使えるかどうか確認する
たとえば、消火栓のそばに車が駐車されていた場合は、いざというときに使えません。
ですから、消火設備がすぐに使える状態にあるかどうかの確認も大切です。
避難設備などもすぐに使えるかどうか定期的に確認してください。
避難設備の中で、一番大切な場所は避難階段です。
火事が起きたらエレベーターは使えません。
しかし、避難階段は普段使わない場所なので、物置代わりになってしまいがち。
最近でも、ビル火災で犠牲者が出ることがありますが、避難階段や非常口に荷物が置いてあって通れなかったというケースが多いのです。
ビルの管理は消防設備士の仕事ではありませんが、避難口や避難階段が使えなくなっている場合は注意をしましょう。
5-3.誤作動をなくす
警報設備が誤作動を起こすことは珍しくありません。
しかし、あまりに頻繁ですと警報設備に対する信頼がなくなってしまうでしょう。
また、スプリンクラーが誤作動を起こすと、施設の設備に損害を与えることもあります。
さらに、あまりにも誤作動が多いと、警報設備の電源を切ってしまうケースもあるかもしれません。
しかし、それでは、火災のときに役に立たなくなります。
ですので、誤作動が起きた場合は消防設備士がしっかりと原因を確かめましょう。
また、警報設備の中にはわずかな熱や煙を感知してしまう優秀すぎるものもあるのです。
ですから、飲食店に設置する警報設備は感度が高すぎるものは不向きでしょう。
また、手で押すタイプの警報機はいたずらに注意してください。
不特定多数の人が出入りする場所に設置してある警報機ほど、いたずらをされやすいでしょう。
ガラスの窓をつけるなど、簡単に押せないような工夫が必要です。
また、ガラス戸を破るオノなどは見えないところに置いておきましょう。
6.おわりに
いかがでしたか?
今回は消火設備の種類についてご紹介しました。
まとめると
- 消火設備とは、火を消す設備の総称である。
- 消火栓から小型の消火器まで種類はさまざまである。
- 消火設備だけでなく警報設備や避難設備も整備しておくことが大切。
ということです。
消防設備や消火設備は使わないことが一番でしょう。
しかし、備えておけば火事だけでなく地震などの災害が起きた場合も役に立ちます。
また、危険物を取り扱ったり保管したりしている施設には、必ず消火設備を備えていなくてはなりません。
身近な場所では、ガソリンスタンドも消火栓などの設備が必要です。
また、商業施設などに設置されている消火器や警報装置はいたずらなどをしないようにしましょう。
ごくまれに、ふざけてスプリンクラーにライターの火を近づける人がいますが、スプリンクラーが作動すれば広範囲に水がふりそそいで大変な損害になります。
さらに、誤作動を起こすからと警報装置のスイッチを切ってもいけません。
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