
安全衛生教育とはどのような教育? 内容や職務を行う担当者をチェック!
2017/04/26
2021/04/19
安全衛生教育をどのように進めればいいのかとお悩みではありませんか? 安全衛生教育とは、労働災害を防止するために労働者に行う教育のことです。
労働安全衛生法では、一定の有害業務に労働者を就かせる場合は、資格取得や特別な教育を実施するように義務づけています。しかし、有害業務に就かない労働者であっても安全衛生教育は重要なため、職場や働き方に合わせた教育を行うことが大切です。
そこで、今回は安全衛生教育の重要性やその内容、進め方などについて詳しく解説します。
この記事を読めば、どのような安全衛生教育を行えばよいのか、そのヒントもつかめることでしょう。職場の安全管理や衛生管理の仕事をしている方も、ぜひ読んでみてくださいね。
1.職場で安全衛生教育が必要とされる理由
労働者は、安全かつ衛生的に仕事をする権利があり、経営者は労働者が安全に仕事を行えるように配慮し、健康の保持に努める義務があります。
現在では、職場で使われている機械類のほとんどに、ケガをしないように安全対策が施されていることでしょう。しかし、どれほど経営者が安全対策を行っても、それを扱う労働者が安全配慮を怠ればケガをする可能性はあります。また、有害物質の取り扱い方などを知らないまま仕事をしていれば、病気になることもあるでしょう。
安全衛生教育とは、経営者が労働者に安全かつ衛生的に仕事をしてもらえるように行うものです。なお、実際に安全衛生教育を行うのは安全管理者や衛生管理者になります。企業によっては、外部から労働安全コンサルタントや労働衛生コンサルタントを招いて教育を行うこともあるでしょう。
2.安全衛生教育の種類について
この項では、安全衛生教育の種類についてご紹介します。職種によってどのような違いがあるのでしょうか?
2-1.労働安全衛生法に基づく安全衛生教育
前述したように、労働安全衛生法では一定の危険有害業務に労働者を就かせる場合は、資格取得や特別教育を施すことが労働安全生成法によって定められています。危険有害業務というとものものしい響きがありますが、建築現場や工場なども危険有害業務に指定されているのです。
安全衛生教育は、雇い入れ時や作業内容が変更された時に行われます。また、免許や技能講習も安全衛生教育の一種です。一例をあげると、工事車両(ブルドーザーやロードローラー)などの免許などがあります。また、有害物質を取り扱う業務や坑内など危険な場所で仕事をする場合は、危険有害業務従事者教育が必要です。
これらの安全衛生教育は正社員だけでなく、パートやアルバイト・派遣社員などにも必要ですので、忘れずに行いましょう。
雇い入れ時や作業内容が変更された時の安全衛生教育は自社で行われることが多いのですが、免許取得のための講習や技能講習などは、専門の業者が行うことが一般的なため、教習所などに通います。危険有害業務従事者教育も外部の専門業者を招いて行うことも多いでしょう。
2-2.一般的な安全衛生教育
一見すると危険なことが何もないような職場でも、安全衛生教育は必要です。近年は技術の進歩によって、危険を伴う作業や大型機械の取り扱いミスが原因で発生する労働災害は減少傾向にあります。
その一方で、長時間労働やパワハラなどの過重労働が原因で起こる労働災害は増加する一方です。最近では、大手広告代理店で発生した社員の過労死が大きな話題となりました。
仕事のストレスが原因で発症する精神疾患や心筋梗塞・脳出血などの病気は、どのような職種でも起こる可能性があります。ですから、安全管理や衛生管理を職務としている方は、相談窓口の利用方法や産業医との相談方法などを衛生教育の一環で教えるとよいですね。
また、高層オフィスビルに職場がある場合は、避難訓練も大切な安全教育になります。特に、エレベーターが主な移動手段である場合は、非常階段の場所や避難具の使い方などを教えておきましょう。非常階段周辺を荷物置き場にしないなどの対策も大切です。
この他、工場など危険を伴う仕事を行う職種の事務所では、万が一の時に備えて消防署や警察署への通報の方法など緊急時の対応や、けが人の応急処置などの方法を教育しておくと、非常時に役立ちます。
2-3.職場に合った安全衛生教育を行うことが大切
各自治体の労務局や労働基準監督署では、安全衛生教育のマニュアルを作っています。中には、パンフレットにして配布しているところもあるでしょう。労働安全衛生法に基づく安全衛生教育には一定の決まりがありますが、それ以外の安全衛生教育は職場に必要な教育をするのが一番です。衛生管理者が職場を巡視していて気が付いたことや、安全衛生委員会で話し合われたことを元に、職場に合った安全衛生教育のマニュアルを作っていきましょう。
3.安全衛生教育を行う職務は?
安全衛生教育は、安全管理者や衛生管理者が行うことが一般的です。衛生管理者は、職種に関係なく従業員が50名以上所属している職場に選任が義務づけられています。安全管理者は、従業員が50名以上所属している製造業や鉱業など、危険を伴う仕事が行われる職種の事業所に選任が義務づけられている有資格者です。衛生管理者や安全管理者の選任が義務づけられていない小規模な職場では、安全衛生推進者が選任され、安全管理者や衛生管理者の職務を兼任して行います。
安全衛生教育は安全管理者や衛生管理者・安全衛生推進者が直接行うこともありますが、各業界の団体が安全衛生教育の講習会などを主催していますので、それに参加することで安全衛生教育とすることもあるでしょう。この場合は、講習会の開催日時などを調べ、参加者を集い、申し込みをするまでが安全管理者や衛生管理者の役割となります。
また、経営者は定期的に安全管理者や衛生管理者などから、安全衛生教育の内容を聞いておくとよいでしょう。
4.安全衛生教育に対するよくある質問
Q.マニュアルを元にパンフレットを作り、配布するだけでは安全衛生教育には不十分ですか?
A.オフィスワークならばそれでもよいかもしれませんが、危険を伴う仕事の安全衛生教育としては不十分でしょう。
Q.安全衛生教育を行う職務者向けの講習などもありますか?
A.はい。全国でいろいろな業界団体が主催しています。
Q.外部から労働安全コンサルタントを招いて教育を行ってもらうことは可能ですか?
A.もちろん問題ありません。
Q.安全衛生教育を行う時間が取れないのですが、どうしたらよいでしょうか?
A.安全衛生教育を受けさせるのは経営者の義務です。経営者にかけあいましょう。
Q.派遣社員の場合は、派遣先と派遣元どちらに教育の義務がありますか?
A.派遣元です。
安全衛生教育まとめ
今回は安全衛生教育についていろいろと解説しました。現在は、仕事の時間を確保するのが手いっぱいで、安全衛生教育にまで手が回らないという会社もあるでしょう。しかし、労働災害が起こってからでは遅いのです。昼休みなどの時間も使って安全衛生教育を行いましょう。
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