冷凍機械責任者とはどんな資格?受験資格はあるの?難易度は?

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「冷凍機械責任者」とはあまり聞きなれない名前ですが、高圧ガスを製造したり販売したりしている方にとって取得するメリットがある資格です。そこで、今回は冷凍機械責任者とはどんな資格かということや、取得する方法をご紹介します。国家資格の中には受験資格が必要なものも少なくありません。冷凍機械責任者はどうでしょうか?答えは記事を読んでいただければ分かります。興味がある方や高圧ガスの販売や製造に携わっている方は、ぜひ読んでみてくださいね。

  1. 冷凍機械責任者とはどんな資格?
  2. 高圧ガスっていったい何?
  3. 冷凍機械責任者の種類と業務とは?
  4. 冷凍機械責任者を必要としない冷凍設備が増えている?
  5. 冷凍機械責任者の試験を受ける方法とは?
  6. 冷凍機械責任者に関するよくある質問

1.冷凍機械責任者とはどんな資格?

冷凍機械とは、文字どおりものを冷凍する機械のことです。身近なものでは家庭用の冷蔵庫。大きいものは冷凍倉庫などがありますね。ものを冷凍するには電気で冷やす方法と、高圧ガスを用いる方法があるのです。冷凍機械責任者とは、冷凍機械にかかわる高圧ガスを製造する施設で保安業務を行える資格になります。冷凍機械を管理するだけの資格ではありませんので、間違えないように注意してください。「あまり聞いたことがない資格だな」と思った方もいるでしょう。書店の参考書コーナーにも「冷凍機械責任者」の参考書が並んでいることは少ないです。実は、冷凍機械責任者とは、「高圧ガス製造保安責任者」という国家資格の資格区分のひとつ。では、高圧ガスとはいったい何でしょうか?それを次の項でご紹介します。

2.高圧ガスっていったい何?

高圧ガスとは、「高圧ガス保安法」によって定められた条件を満たしたガスのことです。ガスというと、調理に使うものをイメージする方も多いでしょう。しかし、それ以外にもガスはいろいろな用途で使われています。整髪料などのスプレー缶は、ガスの力で整髪料を勢いよく押し出しているのです。

また、風船やアドバルーンなどもガスの力で浮いています。しかし、ガスは引火性があり爆発する性質があるです。スプレー缶も、中身が残ったまま火の中に入れると爆発します。大量の高圧ガスに引火したり衝撃が加わったりすれば、大事故になるでしょう。そこで、高圧ガスの製造・貯蔵・販売・輸入・移動・消費を法律で規制するとともに、保安業務を行う資格を作ったのです。

3.冷凍機械責任者の種類と業務とは?

この項では、冷凍機械責任者の種類と資格取得者が行う業務についてご説明します。これから冷凍機械責任者の資格を取得したいという方は、ぜひ参考にしてください。

3-1.冷凍機械責任者の種類は?

冷凍機械責任者には、1種から3種まで3種類の区分があるのです。第3種は100トン未満、第2種は300トン未満、さらに、第1種はすべての製造施設における製造にかかわる保安を行えます。難易度は、第1種が大学工学部卒業程度の知識が、そして第2種は工業高校卒業程度の知識が必要とされているのです。

ちなみに、第3種は第2種よりやや優しい程度、といわれています。ですから、第3種をまず取得してステップアップしていく方も少なくありません。

また、冷凍機械責任者の試験は学科試験だけでなく、講習会検定試験も存在します。講習会を受け、その後検定試験に合格すると学科試験の一部が免除されるのです。

3-2.冷凍機械責任者の業務は?

冷凍機械責任者の資格を取得すると、前述したように冷凍機械にかかわる保安業務を行います。冷凍機械責任者の試験を受けるのに、年齢制限や受験資格はありません。ですから、学生が将来のために資格を取得することも可能です。しかし、設備の保安責任者になるには、1年以上の実務経験が必要になります。さらに、一定規模の冷凍設備がある会社は、有資格者の中から冷凍保安責任者を選任し、都道府県知事へ届け出ることが義務づけられているのです。ですから、大規模な冷凍設備を備えた会社に就職したい場合は、冷凍機械責任者の資格を取っておくと有利になるでしょう。

ちなみに、冷凍機械責任者の監督の元であれば、無資格者も冷凍機械を運転することが可能です。

3-3.冷凍機械責任者の難易度は?

冷凍機械責任者の合格率は、講習会検定試験と国家試験で異なります。講習会検定試験は1種から3種まで合格率が50%を上回っているのです。しかし、国家試験では合格率が40%前後になっています。特に「保安管理技術と学識」の難易度が高いので、しっかり勉強をしておきましょう。

また、冷凍機械に関する知識が全くない場合は、講習会を参加する前に、参考書などで知識をつけておかないと講習についていけない可能性もあります。

3-4.冷凍機械責任者の資格を取得するメリット

冷凍機械責任者の資格を取得すれば、冷凍機械を設置してある会社や冷凍機械の管理を請け負っている会社に就職する際、有利です。現在は有資格者でなくても扱える冷凍機械が増えていますが、それでも有資格者に管理を任せたいというところはたくさんあります。第三種を取得するだけでも有利ですが、第二種まで取得すればより仕事の幅が広がるでしょう。

4.冷凍機械責任者を必要としない冷凍設備が増えている?

冷凍機械責任者は、冷凍機械を管理するだけでなく冷凍機械に使われている高圧ガスの保安業務を行うための資格です。現在、有資格者の保安業務を必要としないユニット型冷凍設備や地域熱供給の冷凍設備を導入している会社も増えてきています。ですから、資格を取得する意義が薄れているという意見もあるのです。しかし、冷凍機械責任者の資格を取得していると、「自分はこれだけ、冷凍機械に関する知識がある」という客観的な証明にもなります。ですから冷凍設備を備えてある会社への就職や転職をする際の、アピールポイントにはまだまだ役に立つでしょう。

また、冷凍機械責任者の資格取得をきっかけに、そのほかの「高圧ガス製造保安責任者」の資格を取得する人も少なくありません。高圧ガスの保安業務ができる資格を取得しておくと、冷凍設備を備えてある会社だけでなくそのほかの高圧ガスを扱っている会社にも就職する際に有利になるでしょう。

5.冷凍機械責任者の試験を受ける方法は?

冷凍機械責任者の資格試験は、毎年11月に高圧ガス保安協会が実施します。申し込み方法はインターネットかはがきで行ってください。詳しい応募方法は、保安協会のホームページを確認しましょう。試験は、各都道府県で行われます。

また、保安協会のホームページから、高圧ガス製造保安責任者の資格に関する講習などの案内がかかれたパンフレットをダウンロードもできるのです。講習会検定試験を受験したいという方は、読んでおきましょう。

冷凍機械責任者の試験は、第一種~第三種まで試験科目は同じです。

  • 高圧ガス保安法に係る法令
  • 保安管理技術
  • 学識(応用化学・機械工学)

以上のような3科目の学科試験となっています。受験資格は定められていません。学歴や職歴・年齢・性別を問わず試験を受けることができます。ただし、試験に合格するためには第三種でも工業高校を卒業した程度の機械の知識が必要です。ですから、しっかり勉強してから試験にのぞみましょう。

また、高圧ガス製造保安責任者の検定試験を主催している高圧ガス保安協会では、講習を開催しています。この講習会を受講して修了試験に合格すれば、資格試験の一部が免除となり、より試験に合格しやすくなるでしょう。講習も受講資格は必要ありません。必ず試験に合格したいという場合は、事前に講習を受講してから試験を受けるのがおすすめです。

6.冷凍機械責任者に関するよくある質問

Q.冷凍機械責任者の講習についての詳しい情報はどこに記載されていますか?
A.高圧ガス保安協会のホームページをまずは確認してください。

Q.冷凍機械責任者の資格は、第一種を取得すればより有利ですか?
A.現在は、第二種まで取得しておけばほとんどの冷凍機械が扱えます。ですから、絶対に第一種を取らなければならないということはありません。

Q.冷凍機械責任者を取得すれば、業務用空調の修理は行えますか?
A.いいえ。使用中の業務用空調の修理は電気工事の一環になるので、修理を行うならば電気工事士の資格が必要です。

Q.冷凍機械責任者を取得すれば、業務用空調を製造している会社に就職する際有利でしょうか?
A.製造だけでなく販売やメンテナンスも請け負っている会社ならば、非常に有利です。

おわりに

 今回は冷凍機械責任者の資格についていろいろとご説明しました。
まとめると

  • 冷凍機械責任者は高圧ガス製造保安責任者の資格区分のひとつ。
  • 機械を管理するだけでなく、高圧ガスの保安業務も行う。
  • 受験資格はないが、冷凍設備の保安管理責任者になるには1年以上の実務経験が必要。
  • 冷凍設備がある会社に就職や転職をしたい場合は取得しておくと有利になる。

ということです。現在、冷凍機械の製造や運転にかかわっている仕事の方は取得しておいて損はないでしょう。また、高圧ガスの製造や取り扱いにかかわっている人も、受験することが多いです。

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