
冷凍機械責任者の有資格者が行える仕事とは? 求人が多い職種はどこ?
2017/03/15
2021/04/07
冷凍機械責任者とは高圧ガス製造保安責任者の資格の一種であり、冷凍に関わる高圧ガスを製造する施設において、保安業務を行うことができる資格です。冷凍に関わる高圧ガスの製造施設というと、冷凍庫や冷蔵庫をイメージされる方が多いことでしょう。この他にも、大型商業施設やオフィスビルに設置されている空調も、冷凍機械の一種になります。
今回は、冷凍機械責任者の資格が必要な仕事や求人についてご紹介しましょう。
この記事を読めば、冷凍機械責任者の資格を取得するメリットが分かります。冷凍機械責任者の資格取得を目指している方も、ぜひ読んでみてくださいね。
1.冷凍機械責任者の基礎知識
はじめに、冷凍機械責任者とはどのような資格かということをご紹介します。資格を取得すれば、どのようなことが行えるのでしょうか?
1-1.冷凍機械責任者とはどのような資格?
冷凍機械責任者は、高圧ガス製造設備の保安監督業務が行える、高圧ガス保安責任者の資格の1つです。第一種から第三種まであり、第一種はどのような冷凍機械でも保安業務が行えます。第二種は、1日の冷凍能力が300t未満・第三種は、1日の冷凍能力が100t未満の冷凍機械の保安業務を行える資格です。
また、第一種冷凍機械責任者の資格を取得すると、冷凍機械を製造する際の材料試験、耐圧試験・気密試験証明書の検査員になることができます。
1-2.有資格者を求めている仕事場とは?
高圧ガス保安法により、一定規模の冷凍設備を設置している会社では、冷凍機械責任者の有資格者の中から冷凍保安責任者を選任し、都道府県知事に届け出なければなりません。ですから、冷凍・冷蔵倉庫や冷凍食品、アイスクリームなどを製造している会社、大規模な空調設備を備えている施設などに、需要があります。
最近の空調設備は、冷凍機械責任者の資格を持たなくても保安ができるものが増えてきました。しかし、資格を取得していれば冷凍機械の取り扱いに関する知識が十分にあるということで、優遇する企業も多いでしょう。
2.冷凍機械責任者の有資格者が行う仕事とは?
冷凍機械責任者の資格を生かして就職した場合、冷凍機械の操作や保守点検・整備などを行います。操作といっても冷凍機械は自動運転を行っているところがほとんどですから、故障やトラブルの防止が主な職務にとなるでしょう。
ビルメンテナンス業務も空調設備を扱うため、有資格者の求人が豊富です。
管工事施工管理技士の資格を併せ持っていると、冷凍機械の設置工事を行う職場でも高い需要があります。
第一種・第二種の有資格者には、冷凍庫や冷凍設備を備えている会社からの求人が多く、第三種の有資格者には、空調設備の点検整備を行うビル管理などの会社からの求人が多いでしょう。
3.冷凍機械責任者の資格を取得する方法
この項では、冷凍機械責任者の資格を取得する方法をご紹介します。ぜひ参考にしてください。
3-1.資格の難易度と受験資格について
冷凍機械責任者の資格難易度は、種ごとにことなります。第一種は大学の工学部を修了した程度の知識が必要であり、第二種・第三種はそれぞれ高等専門学校・高校の工学部を修了した程度の知識が必要です。冷凍機械責任者の受験資格は定められていませんが、全く知識のない状態から資格取得を目指す方にとっては、第三種もそれなりに難易度があります。
工業高校・高専・工業大学に在学している方や卒業している方は第二種・第一種から挑戦してみてもよいでしょう。知識のない状態からチャレンジする場合は、まず第三種の取得を目指すのがおすすめです。
3-2.資格取得の方法
冷凍機械責任者の資格試験は、高圧ガス保安協会が行っています。また、協会は講習も行っており、講習を受けて検定試験を合格すれば、試験の一部が免除になるのです。できるだけ早く確実に資格を取得したいという場合は、講習を受けてから試験を受けましょう。全科目を受験するより合格率は高まります。
講習の日程はホームページから確認できますので、まずは一読してみてください。講習は3日間の日程で行われます。
仕事の都合などで講習を受けることが不可能な場合は、高圧ガス保安協会が年に一度行っている資格試験を受けましょう。試験の申し込みは協会のホームページから行えます。試験は毎年11月に行われ、第二種・第三種は全国で受験が可能です。第一種だけは、試験地が東京や大阪など大都市に限られていますので、遠方の方は宿泊場所なども手配しましょう。
3-3.試験科目について
試験科目は、第一種・第二種が
- 高圧ガス保安法に係る法令
- 保安管理の技術
- 応用化学及び機械工学
の3科目、第三種は、法令と保安管理の技術の2科目です。講習を受けて受験する場合は、法令だけを受験します。合格率は全科目を受験した場合は10%~25%、講習を受けて受験した場合は60%~75%です。試験は各科目6割以上の得点で合格になります。
3-4.試験問題の内容
冷凍機械責任者の試験問題は、択一式です。第一種や第二種は学識計算問題も出されるため、計算問題を早く正確に解く練習をしておきましょう。また、科学や物理の知識があれば参考書の内容はほぼ理解できると思います。
なお、第三種では計算問題は出題されません。ですから、勉強は暗記が中心となります。
3-5.試験勉強の方法
冷凍機械責任者の試験勉強は、独学か通信教材を使って行います。独学の場合は、書店で販売されている参考書と過去問題集を購入し、勉強してください。過去問題を5年分くらい解いておけば、本番でも類似の問題に当たる可能性が高いでしょう。満点を取る必要はありませんので、理解できない部分がある場合は放置しておくのも一つの方法です。
4.冷凍機械責任者の仕事や求人に関するよくある質問
Q.冷凍機械責任者だけでは、求人はあまりないのでしょうか?
A.第一種ならば、冷凍機械責任者の資格だけでも求人は豊富です。第三種の場合は、危険物取扱者などの資格を一緒に取得しておくとよいでしょう。
Q.空調設備の保安ならば、第三種の取得で十分といいますが本当ですか?
A.空調設備の保安だけを行いたい場合は、第三種だけでも十分でしょう。その代わり、働ける職場も限られます。
Q.空調設備が壊れた場合は修理ができるのでしょうか?
A.空調設備は管工事や電気工事の一種になるので、管工事の経験や電気工事士の資格が必要です。冷凍機械責任者の資格だけを持っている方では、工事は難しいでしょう。
Q.冷凍庫や冷蔵庫の保安管理をしたい場合は第二種でも行えますか?
A.大丈夫です。
Q.第三種冷凍機械責任者の資格だけでは、冷凍庫や冷蔵庫の点検整備は行えないのでしょうか?
A.1日の冷凍能力が100t未満の冷凍設備ならば、可能です。ただし、小型の業務用冷凍倉庫・冷蔵倉庫は数が少なく、求人も少ないでしょう。大型の冷蔵倉庫や冷凍倉庫の整備点検などの管理業務を行いたい場合は、第三種を取得してから、第二種にチャレンジしてみましょう。
おわりに
今回は冷凍機械責任者の有資格者に対する求人や仕事についてご紹介しました。冷凍機械責任者が絶対に必要な職場は以前よりも減少していますが、資格を取得していれば知識があることの証明にもなります。取得をしておいて損はありません。機会があったらぜひ取得しておきましょう。
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