ビル施設管理の仕事について知りたい! ビル管理関連資格を取得しよう!

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ビルなど大きな施設には専門知識・技術を持っている有資格者が重宝されます。一般住宅とは違う施設・設備だからこそ専門的な知識が必要です。ビル施設管理で役立つ資格にはボイラー技士・建築環境衛生管理技術者・電気主任技術者・ビル設備管理技能士などがあります。ビル施設管理とは何なのか・必要な資格・仕事内容など詳しく説明しましょう。

  1. ビル施設管理とは
  2. ビル施設管理の仕事について
  3. ビルの施設管理をするには
  4. ビル施設管理の資格習得について
  5. ビル施設管理に関してよくある質問

この記事を読むことで、ビル施設管理をするための必要な知識を身につけることができます。ビル施設管理について知りたい方・資格を取りたい方は必見です。


1.ビル施設管理とは

ビル施設管理・ビルメンテナンスのことを省略して「ビルメン」と呼ばれています。そもそもビルメンとは一体どんな内容なのでしょうか。ビルメンの主な職場・仕事内容・必要性など詳しく見ていきます。

1‐1.ビル施設管理(ビルメン)の主な職場・仕事内容

ビルメンの主な職場はビル管理会社になります。ビル全体を管理している会社に勤め、担当するビルの施設管理をおこなうことになるでしょう。主な仕事内容は「ビル施設管理の保守点検」から「テナント・業者との交渉」「オーナーとテナントの橋渡し」があります。複数のテナントが入るビルだからこそ、やり取りが大切なのです。

1‐2.ビル施設管理の必要性

大型施設のビジネスビルや商業ビルで利用者が快適に過ごせるのは、ビル施設管理をおこなっているからこそです。多くの人が出入りしている場所なので、徹底的に管理しなければなりません。多くのビルが出入りするほど汚れや老朽化が目立ちます。清掃・空調・ボイラーなど全体のビル管理をおこなうビル施設管理者は必要不可欠な存在といってもいいでしょう。ビル施設管理者はビルに設置している機械や電気・電気通信の知識はもちろんのこと、コミュニケーション能力や冷静なトラブル対処など、あらゆる能力が必要とされます。

1‐3.ビルの管理義務とは

「建築物における衛生的環境の確保に関する法律(通称:ビル管理法)」に基づいて、ビル管理技術者にはビル管理が義務づけられています。原則、ビル管理義務が課せられるのは1つのビルにつき1名です。ビル管理技術者はテナントや利用者からのクレーム対応・問題対処などビルの監督をおこなう役割を果たさなければなりません。ビルの管理義務には、受水槽の清掃・水質検査・空気環境測定・定期的点検などが含まれています。

1‐4.ビルメンの給与・求人について

ビルメンの給与・求人について気になっている方は多いでしょう。ビルメンの平均給与は年収350万~700万円です。ビルメンとしての経験を積めば積むほど昇給が期待できます。経験が豊富な人は大きい仕事も安心して任せられるものです。また、オフィスビルや商業施設が多い都市部では、ビル施設管理者の求人が増えてきています。2020年の東京オリンピック開催に向け、高度経済成長期に建てられたビルを見直すところが増加中です。不動産価値をあげるためにも、改修工事が必要であり、計画を立てるビルメンが必要とされています。

2.ビル施設管理の仕事について

それでは、ビル施設管理の仕事内容について、より詳しく掘り下げていきたいと思います。電力設備管理・空調設備管理など主なビル施設管理の仕事を1つずつチェックしていきましょう。

2‐1.電力設備管理

オフィスビル・商業ビルなど大規模なビルほど数千~数万Vという高圧電流が必要です。エレベーター・照明・各部屋のコンセントなど電気を使う場所はたくさんあります。どの場所にも安定した電気を供給するためにも電気設備管理を徹底させていかなければなりません。ビルメンは変電装置などの電気設備による事故の防止や正確な操作・電力計や電流計などの監視をおこないます。

2‐2.空調設備管理

空調設備管理は室内の温度や湿度・換気を管理しながら冷暖房をコントロールします。ビルの各部屋における冷暖房効率の維持・向上を目的としている仕事です。また、こまめに冷暖房の掃除・点検をするなど細かい業務も含まれています。

2‐3.給排水設備管理

給排水設備管理は衛生面に関連する大切な業務です。飲み水を貯める受水槽・高置水槽などの貯水槽が汚れてしまってはキレイな飲み水が供給できません。また、ポンプ・排水の処理に関する管理・保守・点検も大切な仕事の1つです。安全かつキレイな水を供給するため、定期的な貯水槽の清掃もおこないます。ちなみに、清掃に関しては外部清掃業者に依頼するケースが多いです。

2‐4.機械設備管理

多くの人が移動に使うエレベーター・エスカレーター・自動ドアなどの機械設備管理です。点検・保守はもちろんのこと、定期的メンテナンスでは機械設備の各メーカーへ依頼をおこないます。トラブルが起きた際も対処することになるでしょう。

2‐5.ボイラー管理

空調・熱湯給水・ポンプなどビル内にある機器はすべてボイラーが動力源になっています。大規模のビルには巨大ボイラーがあり高温で動くものです。もし、ボイラーが動かなくなってしまえば、ビル全体が機能できなくなります。ビルメンは安全かつ正常に動作させるため、監視・点検をおこなうのです。

2‐6.点検

巡回点検や定期点検も大切な仕事になります。ビル内を巡回し破損・消耗・老朽化している部分がないかどうか確認しなければなりません。もし、当てはまる場所があればすぐに修理して改善します。すぐに実践することで事故防止ができるのです。

2‐7.コスト削減・修繕計画

ビルメンの仕事はただビル内の設備を点検・保守するだけではありません。ビルの維持管理だけでなく、どうすればもっと快適な空間になれるのか改善し続けます。近年、省エネ対策がすすんできていますが、ビル管理においても省エネによるコスト削減は大切です。コスト削減できるかどうかは、ビルメンの腕にかかっていると思ってください。また、不動産価値をあげるためにも先を見据えた大規模修繕計画が必要です。修繕計画の立案もビルメンがおこないます。

3.ビルの施設管理をするには

ビルの施設管理をするためにはビル設備に関する知識が必要です。大学の電気・機械専攻を修了してビル管理会社に勤め、経験を積みながら資格を取得していきます。中途採用の場合は、有資格者が有利になるでしょう。

3‐1.ビル施設管理の資格について

ビル施設管理における資格は必要です。資格なしでもビル施設管理に従事できますが、資格を持っておいたほうが役立ちます。ビル管理業界においても求人内容には「資格取得者」と記載されているケースが多いです。ビル施設管理の資格にはさまざまな種類があるので、それぞれどんな資格内容なのか把握しておかなければなりません。

3‐2.関連資格について

ビルメンの関連資格にはボイラー技士・建物環境衛生管理技術者・ビル設備管理技能士・電気主任技術者と4種類が主に挙げられます。それぞれどんな資格になるのか、詳しく見ていきましょう。

3‐2‐1.ボイラー技士

ボイラー技士は国家資格の1つです。ボイラーが設置されている場所でボイラーの点検・取り扱い・保守・安全管理をおこないます。ビルだけでなく、多くの施設で熱源設備が普及されているため、ボイラー技士の需要が高まってきているのです。ボイラーの取り扱いに関しては、法的に資格が必要だと決まっていません。しかし、専門知識を持っている証(あかし)になるボイラー技士を求める企業が増えてきているのです。

3‐2‐2.建物環境衛生管理技術者

建物環境衛生管理技術者も国家資格の1つで、通称「ビル管理技術者」と呼ばれています。ビル管理技術者はオーナー・テナントなどに対して意見を述べる力を持っている有資格者です。そのため、ビルメンに関しては事実上の最高責任者になるでしょう。クレーム対応や室内環境・衛生・給排水・廃棄物・害虫やねずみ防除など幅広い仕事をおこないます。

3‐2‐3.ビル設備管理技能士

ビル設備管理技能士は国家資格である技能士の1つです。ビル設備管理技能士の役割は、ビルにおける電気設備や空調換気設備などビル設備の点検・保守・運転監視になります。ビルが安全・快適に機能するための必要な作業をおこなう大切な有資格者です。

3‐2‐4.電気主任技術者

電気主任技術者は電気工作物に関する仕事に従事する資格者のことです。主に、ビルの受電設備や配電など電気設備の保安監督をおこないます。電気設備を設けているビルには必ず電気主任技術者を選任しなければなりません。

3‐3.必要なスキル

ビル設備に関する知識はもちろん必要ですが、ビルメンはコミュニケーション能力・高い順応力が必要になってきます。ビル全体の様子を見るための視野の広さも大切でしょう。ただし、最初からスキルを必要とするわけではありません。ビルメンの実績・経験を積みながら自然に身につくスキルがほとんどです。

3‐4.資格取得のメリット

資格を取得すれば転職・就職が有利になります。ほとんどの企業が無資格者よりも有資格者を求めているのです。また、資格手当といって給料面での待遇もあります。さらに、有資格者でしかできない仕事もあるので、さまざまな面でのメリットが生まれるのです。

4.ビル施設管理の資格習得について

ビル施設管理に必要な資格を取得するには、一体どうすればいいのでしょうか。資格試験の内容や資格習得のポイント・勉強法・おすすめのテキストなど紹介します。

4‐1.資格試験について

ビル施設管理に関連する資格は試験に合格しなければなりません。先述した4つの資格についての受験資格や試験内容をチェックしていきましょう。

4‐1‐1.受験資格

ボイラー技士は特級・1級・2級と3種類があります。特級は1級ボイラーの免許を持っている方でないと受験できません。1級ボイラー技士は2級ボイラーの有資格者になり、2級ボイラー技士は誰でも受験できます。ビル管理技術者は厚生労働省が定めた建築物の用途部分において、実務経験が2年以上ある者です。受験資格者は試験を受けずとも講習会を受けることで免許取得できる方法もあります。そして、ビル設備管理技士は1級・2級とそれぞれ実務経験の年数によって受験資格が決まっているのです。詳細は以下のURLをチェックしてください。電気主任技術者の受験資格には制限がありません。

ボイラー技士:安全衛生技術試験協会
ビル管理技術者:日本建築衛生管理教育センター
ビル設備管理技士:全国ビルメンテナンス協会
電気主任技術者:電気技術者試験センター

4‐1‐2.試験内容

試験内容を以下にまとめてみましたので、ぜひ参考にしてください。

  • ボイラー技士  特級・1級・2級ともに「ボイラーの構造に関する知識」「ボイラーの取り扱いに関する知識」「燃料および燃焼に関する知識」「関係法令」
  • ビル管理技術者  建築物衛生行政概論・建築物の環境衛生・空気環境の調整・建築物の構造概論・給水および排水の管理・清掃・ねずみや昆虫などの防除
  • ビル設備管理技能士  ビル設備管理作業・ビル設備管理法・関連法規・安全衛生
  • 電気主任技術者  第1種・第2種ともに「理論・電力・機械・法規・管理・制御」、第3種は「理論・電力・機械・法規」の4科目

4‐2.資格習得のポイント

資格習得のポイントは地道に勉強を続けることです。1冊のテキスト・参考書と過去問を数冊使用して勉強を毎日続けていきましょう。休日を使って一気に勉強する人はいますが、一気にやるよりも毎日数分でも勉強したほうが頭の中に入ります。そのため、自分のペースで毎日続けられる勉強法が好ましいです。

4‐3.おすすめのテキスト

テキストは自分にとってわかりやすいかどうか、試験ポイントを押さえているかどうかが大切です。東京ビルメンテナンス協会が出版している「ビル設備管理テキスト」をおすすめします。ビル設備管理業務に従事する技術者向けの入門書です。初心者でもわかりやすくまとめられています。

5.ビル施設管理に関してよくある質問

ビル施設管理に関してよくある質問を5つピックアップしてみました。これから、ビル設備管理・システムの仕事に就きたい・資格取得したいと考えている方はぜひチェックしてください。

5‐1.ビル設備管理の台帳とは?

ビル設備の点検や状態などを記録するのが「台帳」です。ビル設備管理の台帳は作成後、きちんと保管して使い続けていかなければなりません。点検するときは台帳に記載した記録と比較していきましょう。比較すれば、ビル設備管理が正常かどうかわかりやすくなります。

5‐2.ビル設備管理の就職・転職のコツとは?

「ビルメン転職ナビ」を利用してください。ビルメン転職ナビはビル設備管理に関する求人を中心に取り扱っています。応募書類の添削や企業面接のアドバイスももらえるでしょう。
ビルメン転職ナビ

5‐3.ビルメンの仕事が楽なのは本当か?

ビルメンの仕事は楽とよく耳にしますが、決して楽な仕事ではありません。従来のビルメンは専門の業者がおこなう仕事でした。しかし、近年は管理者にある程度の保守点検業務を任せています。有資格者しか採用してくれない職場もあるので、決して楽な仕事だとは考えないようにしてください。

5‐4.ビルの設備管理をおこなう際の心がけとは?

ビルの設備管理をおこなう際の心がけは「責任」と「地道な作業の継続力」です。ビル全体の管理をする責任は大きく、地道な作業を毎日続けなければなりません。毎日の努力がビルの価値向上に影響します。

5‐5.ビル管理技術者の合格率とは?

ビル管理技術者の合格率はおよそ17%~23%です。国家資格の難易度は「普通」になっていますが、出題範囲が広いので合格率も低くなっています。

まとめ

ビル施設管理は利用者が快適に過ごせるための大切な職務です。専門的な知識を取得するためにも、ビル施設管理に関する資格を取得してください。有資格者のほうが転職・就職に役立ち、幅広い仕事をこなすことができますよ。また、資格を取得するには資格の内容や試験について把握することが大切です。あらかじめ、きちんと資格の内容を把握しておけば、上手に時間を使って試験勉強ができます。ビル施設管理について知識を身につけてください。

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