
第一級陸上特殊無線技士の難易度や合格率は? 勉強方法と共に解説!
2017/06/14
第一級陸上特殊無線技士とは、陸上にある無線局で無線設備の技術的な操作を行うことができる資格です。20年ほど前から急速に普及が進んだ携帯電話の基地局や、テレビの中継局などで常に一定の需要があり、資格を取得していれば転職や就職に有利になります。受験資格は定められていませんので、資格を取得したいと考えている方も多いことでしょう。
そこで今回は、第一級陸上特殊無線技士の試験内容や合格率などを解説します。
この記事を読めば、第一級陸上特殊無線技士の試験対策もバッチリです。第一級陸上特殊無線技士の資格取得を目指している方は、ぜひ読んでみてくださいね。
1.陸上無線従事者の基礎知識
はじめに、第一級陸上特殊無線技士を含む陸上無線従事者とはどのような資格なのか、ということを解説します。取得すれば、どのような職務に就くことができるのでしょうか?
1-1.無線従事者とはどのような資格?
無線とは、電線を使わずに空中に電波を飛ばして情報をやり取りする通信手段です。自宅で使われる無線LANも無線通信の一種になります。無線に使う電波は電波法という法律で規定が定められており、好き勝手に無線通信を行うことはできません。無線従事者とは、電波法に沿って無線機器の技術的な操作を行うことができる資格です。現在は法改正によって、主任無線従事者の監督下でしたら、無資格者でも限られた無線通信を行うことができます。しかし、無線機器の操作を一生の仕事としたい場合は、無線従事者の資格は必要です。
無線従事者には、総合・陸上・海上・航空・アマチュアの資格区分があり、無線従事者の仕事に就きたい場合は、アマチュア以外の資格を取得する必要があります。
1-2.陸上無線従事者の種類
陸上無線従事者には
- 陸上無線技術士(第一級・第二級)
- 陸上特殊無線技士 (第一級~第三級)
- 国内電信級陸上特殊無線技士
の6種類の資格区分があり、それぞれ扱える周波数や無線設備が異なります。なお、陸上無線従事者が扱うことができる無線設備のある基地局は、陸上にあって陸上同士で無線を送受信する施設だけです。陸上にあっても船舶や航空機と無線でやり取りする施設では、無線機器の操作は行えません。
今回ご紹介する第一級陸上特殊無線技士は、30MHz以上の電波を使用する空中線電力500kW以下の無線機器を取り扱うことができます。ただし、放送局の無線設備は取り扱うことができません。
1-3.無線従事者の資格を取得するメリット
陸上特殊無線技士は、携帯電話の基地局やテレビの中継局などで無線機器の操作を行うことができます。第一級ならば、国内にあるほぼすべての施設で操作を行うことができるでしょう。現在、携帯電話は私たちの生活に欠かせない通信機器です。そのため、基地局で無線機器を操作できる陸上特殊無線技士の需要は高く、取得していれば通信会社などから常に一定の求人はあるでしょう、さらに、上位資格である陸上無線技術士の資格を取得すれば、仕事の幅も広がります。陸上特殊無線技士の平均給与は320万~ですが、第一級を取得していれば資格手当を多めに出すので来てほしい、という企業も多いでしょう。
2.第一級陸上特殊無線技士の難易度は?
第一級陸上特殊無線技士の合格率は35%前後と、陸上無線従事者の試験の中では低い方です。無線従事者の試験は上位資格になるほど試験範囲が広くなりますので、それに伴って合格率も下がっていきます。とはいえ、陸上無線通信士や総合無線通信士に比べると、取得はしやすいでしょう。また、第一級陸上特殊無線技士の資格に合格できれば、上位資格を十分に目指せる実力はあります。
3.第一級陸上特殊無線技士の資格を取得する方法
この項では、第一級陸上特殊無線技士の資格を取得する方法を解説します。ぜひ、参考にしてください。
3-1.資格取得の方法
第一級陸上特殊無線技士の資格を取得するには、2つの方法があります。1つは養成課程を修了し、修了試験に合格する方法です。ただし、養成課程を受講するには高校・専門学校・大学(短大)の電気科を卒業した方や、総合無線通信士・海上無線通信士などの資格を取得していることが条件になります。詳しくは、日本無線協会のホームページをご覧ください。養成課程は10日ほどで、受講料は69,548円です。
もう1つは、日本無線協会が主催する試験を受けて合格する方法になります。こちらの方は受験資格が定められていません。学歴・年齢・職歴問わず受験することができます。
3-2.試験科目など
第一級陸上特殊無線技士の試験は、無線工学・法規の2科目の学科試験です。一見すると試験科目が少ないので、難易度が低く感じられるかもしれません。しかし、無線工学は120点満点中75点、法規は60点満点中40点を取得しなければ不合格です。つまり、7割以上の点数を取得する必要があり、しかも1問当たりの配点が高いため、合格は容易ではありません。毎回、多くの受験生が1問の間違いで、不合格になっています。
3-3.受験の申し込み方法
第一級陸上特殊無線技士の試験は、毎年2月・6月・10月に札幌・仙台・東京・長野・金沢・名古屋・大阪・広島・松山・熊本・那覇で開催されます。試験の申し込みは、日本無線協会のホームページからの電子申請が便利です。受験料は5,362円になります。なお、すでに無線従事者の他の資格区分を取得している場合、試験科目の一部が免除になることがあるので、詳しくは協会のホームページを確認してください。
3-4.勉強のコツ
第一級陸上特殊無線技士は、電気関係の知識がある方ならば独学でも大丈夫です。電気工事士や電気主任技術者の資格を取得していれば、どのような参考書を読んでも、全く分からないということはないでしょう。参考書は、東京電機大学出版局から刊行されている「合格精選シリーズ」が人気です。この参考書は、テキストと問題集がセットになっていますので、ある程度電気や電波の知識がある方向けといえるでしょう。テキストを読んで暗記し、過去問題で覚えた知識を確認することが勉強の基本となります。
4.第一級陸上特殊無線技士に対するよくある質問
Q.第一級陸上特殊無線技士を受験する前に、第二級や第三級の陸上特殊無線技士の資格を取得した場合、試験科目の免除はありますか?
A.いいえ。上位資格を目指す場合は試験科目の免除はありません。
Q.陸上と海上など、複数の資格区分の特殊無線技士を取得することは可能ですか?
A.はい。資格区分によっては試験科目の免除がある場合もあります。
Q.どの位試験勉強を行えば合格できるでしょうか?
A.個人差はありますが、最低でも1か月前から勉強を始めてください。試験科目は少なくても、一夜漬けでは合格できません。
Q.陸上無線技術士を取得した方が、就職には有利ですか?
A.はい。第一級陸上特殊無線技士を取得できたら、陸上無線技術士を目指してみましょう。
Q.第一級陸上特殊無線技士は、学生でも取得できますか?
A.はい。学校によっては取得をすすめているところもあるでしょう。
おわりに
今回は、第一級陸上特殊無線技士の合格率や難易度について解説しました。試験科目は少ないものの、合格点が高めに設定されているため、1問の間違いが合否を分けることもあるでしょう。ですから、試験にのぞむ方はケアレスミスをなくし、確実に点が取れるようにしておくことが大切です。電気・電波の知識がある方はいきなり第一級を目指しても大丈夫ですが、全く知識のない状態から資格取得を目指す場合、三級からステップアップしていってもよいでしょう。
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