
電気工事士が人手不足になる理由を解説。有資格者の需要は増加する?
2018/08/30
「電気工事士は興味がある資格だが、取得しても資格を活用して仕事ができるか不安だ」と思っている人もいるでしょう。「就職に役立つ」と言われている資格はたくさんありますが、苦労して取得しても有資格者の需要がなければ、宝の持ち腐れになってしまいます。では、電気工事士はどうでしょうか? 実は、電気工事士は将来の人手不足が今から心配されています。
今回は、電気工事士の需要や将来性などを紹介しましょう。
この記事を読めば、電気工事士の試験勉強のコツも分かります。電気工事士の資格に興味がある人は、ぜひ読んでみてくださいね。
1.電気工事士の人手不足が懸念される理由
はじめに、電気工事士資格概要や人手不足が懸念される理由などを解説します。
1-1.電気工事士の資格概要
電気工事士は、文字どおり電気工事を行うことのできる国家資格です。有資格者でないと、電線を建物内に配線したり取り除いたりする工事や、電気設備に関するほとんどの工事を行うことができません。ガスや水道工事と異なり、有資格者の監督下であっても無資格者は電気工事ができないため、有資格者を求めている職場はたくさんあります。
資格区分に第一種と第二種があり、第一種は、最大電力500kw未満の工場やビルなどの電気工事を行うことが可能です。第二種は、600V以下で受電する設備の工事を行うことができます。
1-2.電気工事士の人手不足が懸念されている理由
電気工事を行う場所は、これからも増え続けることが予測されています。その一方で、少子化によって労働人口は減り続けることが予想されているのです。つまり、電気工事の資格を取得する人も減少していくと考えられます。また、電気工事士は定年を超えても働いている人が珍しくありません。しかし、60代・70代でも元気に働いている人も、やがて引退していくでしょう。その結果、電気工事士の人手不足が起きると考えられます。
1-3.電気工事士はどのくらい不足するのか?
経済産業省が行った調査によると、2020年前半には20万4千人程度の技術者の需要があるのに対し、第一種電気工事士で2万人前後、第二種でも3千人前後の人手不足になると言われています。つまり、将来的に電気工事士が引っ張りだこになる日が来るかもしれません。
1-4.養成機関の不足と高い離職率も問題
第二種電気工事士は工業高校など、経済産業省が認定した認定校を卒業しても取得することができます。30年ほど前までは、工業高校で第二種電気工事士を取得し、電気工事を行う仕事に就いて経験を積み、第一種電気工事士の資格を取得する人がたくさんいました。しかし、現在は工業高校をはじめとする養成機関の不足により、このモデルが成り立たなくなっています。また、現在、電気工事士の離職率は20~40%と高いのも問題です。電気工事士の資格を早く取得したくでもできない、資格を取得しても活用して仕事をしないことが、電気工事士不足に拍車をかけていると言えるでしょう。
さらに、電気工事士の資格を取得しても、「有資格者でも経験者でないと採用をしぶる」という会社もあるため、資格が活用できないケースもあります。
2.電気工事士の人手不足を防ぐための試み
この項では、電気工事士の人材育成や人材確保のために行われている取り組みを解説します。
2-1.外国人労働者の受け入れ
電気工事士は、年齢・性別・国籍問わずに取得できます。そのため、外国人であっても有資格者であれば、積極的に雇用していく企業も増えてくるでしょう。その一方で、言葉や文化の違いから起こる摩擦など、新しい問題が起こる可能性もあります。
2-2.女性技術者の育成
今まで、電気工事士の多くが男性でした。しかし、人材確保のため女性技術者の育成や雇用に積極的になっている企業もたくさんあります。女性技術者はこれからも右肩上がりで増え続けていくでしょう。しかし、人口が減少していれば女性技術者の人数にも限度があります。
2-3.若手の育成
現在は、畑違いの分野から電気工事士の資格を取得した人でも、積極的に雇用して育てる企業は増えています。未経験者歓迎という求人も一時期よりかなり増えました。ですから、社会人になってから資格を取得しても、活用できる場所は多いはずです。
3.電気工事士を取得するメリットと取得方法
この項では、電気工事士の資格を取得するメリットや、資格取得方法を紹介します。
3-1.電気工事士の需要はこれからも増え続ける
これまで記事をお読みいただければ分かりますが、電気工事士の需要はこれからも増え続けて行くでしょう。ですから、畑違いの分野から資格を取得して転職しても、将来性は十分にあります。また、電気工事士として経験を積めば自分で電気工事士として独立することも可能です。
3-2.電気工事士を必要としている職場
電気工事士を必要としている職場は、主に以下のようなものがあります。
- 建築関係:建物の建築・解体・リフォームをする際の電気工事を行う
- 鉄道関係:鉄道設備の点検や整備を行う
- ビルメン(ビルメンテナンス業務):不特定多数の人が利用する施設の維持管理・整備の一環として電気工事を行う
3-3.電気工事の資格を取得する方法
電気工事士の資格は、基本的に電気技術者試験センターが主催する試験を受けて合格すれば取得できます。前述したように、電気工事士の試験は性別や年齢・国籍に関わらず受験可能です。ただし、第一種は試験に合格しても5年以上(条件を満たせば3年)の実務経験がなければ、免状が交付されません。ですから、初めて電気工事士の試験に挑戦する場合は、第二種の試験を受けましょう。資格取得方法は、こちらの記事にも詳しく記載されています。ぜひ併せて読んでみてください。
4.電気工事士に関するよくある質問
この項では、電気工事士に関するよくある質問を紹介します。
Q.電気工事士はどのくらい勉強すれば合格できるでしょうか?
A.人によりますが、学科試験は3か月ほど真面目に勉強すればほぼ合格できる力が身につくはずです。技能試験は、道具の使い方や細かい作業手順を身につけることができれば、合格できる可能性が高まります。
Q.第一種電気工事士は、免状交付条件を満たしていなくても試験を受けることは可能ですか?
A.はい。試験を受けることはできるので合格した後で、免状交付条件を満たすために、第二種電気工事士として経験を積む人もいます。
Q.電気工事士の資格は、学生のうちに取得したほうが有利ですか?
A.電気関係の会社に入社したい場合は、取得しておけば有利になることもあるでしょう。
Q.電気工事士の資格を持っておけば、さらに目指すことができる上位資格はありますか?
A.一定の実務経験を積めば、電気工事施工管理技士の受験資格を得ることが可能です。
Q.電気工事士の資格を活用してどのくらいまで働き続けることができますか?
A.仕事内容にもよりますが、70代で働いている人も珍しくありません。
まとめ
いかがでしたか? 今回は、電気工事士が人手不足になる原因や有資格者の需要について解説しました。電気工事は、多くの工事現場で必要とされている工事です。資格を取得していれば、活用できる機会は豊富に恵まれるでしょう。学生から社会人まで幅広い年代で取得できる資格の中では、かなり実用性が高く、長年にわたって役立つ資格と言えます。
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