
【必見】高圧ガスの定義や種類は?扱うのに必要な資格・取得方法も解説
2015/12/17
2022/02/08
高圧ガスは、私たちの生活のいたるところで使われています。家庭で使用するプロパンガスも高圧ガスの一種です。しかし、高圧ガスは取り扱いを間違えると取り返しの付かないことにもなりかねません。
そこで、今回は高圧ガスの定義や種類についてご紹介しましょう。高圧ガスは会社などだけではなく、医療の現場や大学の研究室などでも使われています。つまり、いろいろな立場の人が高圧ガスを扱っているのです。
この記事では、高圧ガスの種類や定義、取り扱い方、特定の高圧ガスを扱える資格についてご紹介します。高圧ガスを扱う方は、ぜひこの記事を読んでみてくださいね。
1.高圧ガスの定義は?
ガスとは、英語で気体の総称です。ガスというと調理に使うプロパンガスや都市ガスを思い浮かべる方は多いでしょう。しかし、霧などの自然現象も広義の意味ではガスになります。ガスは、通常の状態では体積がかなり大きくなるのです。天然ガスの貯蔵庫はかなりの大きさですが、それでも入れられるガスの量は限りがあるでしょう。
高圧ガスとは、圧力をかけて圧縮したガスのことです。一般的に、大気圧(1気圧)よりも圧力の高いガスは、高圧ガスに分類されます。しかし、日本で高圧ガスというと「高圧ガス保安法」で定められたものを指すのです。その定義とは、圧縮ガスは、アセチレンガスを除いて常温の気温で1PMa(約10気圧)以上になるもの。(アセチレンガスは常温の温度で0.2PMa(約2気圧)以上)液化ガス(ガスを加圧冷却して圧縮したもの)は、常温で0.2PMa(約2気圧)のものを指すのです。この定義に基づくと、風船やカセットボンベなどに使われるガスは少々圧が高くても、高圧ガスとは呼びません。
2.高圧ガスにはどんな種類があるの?
高圧ガスには、大きく分けて3つの種類があります。
ひとつは、圧縮ガス。前述したように、ガスは気体ですから通常の状態ではかなり体積が大きくなるのです。そこで、圧力をかけてガスを圧縮させます。ちなみに、なぜアセチレンガスだけ圧力が低いのかというと、空気がなくても自己分解をして、爆発する危険性があるのです。アセチレンガスは、昔は照明器具などに広く使われていましたが、危険性が高いということで使われなくなりました。
もうひとつが、液化ガス。これは、カセットボンベやプロパンガスが該当します。カセットボンベを振ると、水のような音がするでしょう。これは、液体化したガスなのです。このガスは、温度をあげると体積が急激に膨らんで爆発します。ですから、通常の圧縮ガスに比べると低い圧力で高圧ガスに指定されるのです。ちなみに、液化ガスを使ったカセットコンロ用のガスボンベが加熱によって爆発する事故は、毎年のように起こっています。
3つ目が、特殊高圧ガス。圧縮液化天然ガスや液化石油ガスなどです。これらは、爆発事故を起こす危険性が高いため、輸送や保存に厳しい決まりがあります。
3.高圧ガス保安法とは?
高圧ガス保安法とは、高圧ガスによる災害を防止するための法律です。高圧ガスの製造,貯蔵,販売,移動などに制限を設けるとともに、保安に関する自主的な活動を促進するのが目的、とされています。つまり、高圧ガスは毒劇物や危険物と同じ扱いです。特に、天然ガスやLPガスはどのご家庭でも調理用や暖房用として広く使われていますが、事故を起こすと命の危険があるでしょう。
また、あまり意識している方は少ないですが、ガス類は頻繁に運搬されています。ですから、危険物と同じように取り扱いができる資格保持者が同乗しないと、運搬できないようになっているのです。高圧ガスを取り扱う資格には、高圧ガス製造保安責任者、高圧ガス販売主任者、液化石油ガス設備士があります。
4.高圧ガス製造保安責任者とは?
では、高圧ガス製造保安責任者とはどのような資格なのでしょうか? この項で少し詳しくご紹介します。
4-1.高圧ガス製造保安責任者とはどんな資格?
高圧ガス製造保安責任者とは、文字どおり高圧ガスを製造したり高圧ガスを使った器具を使ったりする場所などで、保安監督を行う資格です。危険物取扱者と同じようなものと考えるとイメージがわきやすいでしょう。その資格は、9種類に分かれており、それぞれに扱える高圧ガスが違います。
4-2.高圧ガス製造保安責任者の専任が必要な職場とは?
高圧ガス製造保安責任者は、一定の規模の高圧ガスを扱う職場で選任しなければなりません。一例をあげると、石油コンビナートやLPガス充てん所なのです。また、ガソリンスタンドよりも数が少ないですが、ガススタンドなども保安責任者の専任が必要でしょう。
食物などを冷凍するための機械にも高圧ガスを用います。この場合は高圧ガス製造保安責任者の中の冷凍技術責任者という資格所有者を選任しなければなりません。全く別の資格のように思えますが、高圧ガス製造保安責任者の中のひとつなのです。
4-3.高圧ガス製造保安責任者の資格を取得する際の注意点
高圧ガス製造保安責任者は、前述したように高圧ガスを取り扱う業種になくてはならない資格です。ですから、取得しておけば就職や転職の役に立つでしょう。しかし、高圧ガス製造保安責任者の資格は、取得する種類によって働ける職場が限られています。
たとえば、冷凍機械責任者の資格がなければ、冷凍機械を扱っている職場の保安は行えません。逆に、冷凍機械責任者の資格を持っていても、石油コンビナートでは保安などが行えないのです。ですから、とりあえず資格を取っておこうというのではなく、就職したい業種に合わせた資格を取っておきましょう。
4-4.規定量以下でも取り扱いには注意する
大学の実験室などでは、高圧ガスを少量取り扱うところも多いです。このような場所では、高圧ガス製造保安責任者の専任は必要ありません。しかし、高圧ガスは少量でも取り扱いを間違えると爆発の危険があるのです。前述したように、カセットコンロのガスボンベさえ、爆発すれば犠牲者が出ることもあります。それよりも圧力の高いガスならば、少量でも大事故につながりかねません。ですから、高圧ガス保安法に基づいて管理マニュアルなどを作成し、しっかりと保管してください。なお、自治体によっては独自に管理方法の規定が定められているところもあります。
おわりに
今回は、高圧ガスの種類や定義についてご紹介しました。ガソリンや灯油などと違って、ガス類はあまり素人が扱うことはありません。プロパンガスを利用しているお宅でも、交換などは業者に任せているのが一般的です。しかし、カセットコンロのガスボンベを例にあげたように、ガスは少量でも爆発すれば大きな被害が出ます。ですから、ガスを使った製品を扱う場合は、説明書をよく読んで注意書きを守りましょう。
また、高圧ガス販売主任者も、高圧ガスの保安が行えると思っている方もいるかもしれません。しかし、高圧ガス販売主任者が行えるのは、販売に関する保安だけです。機械のメンテナンスなどはできませんので、注意してください。高圧ガスに関する資格は、できることが細かく区切られています。ですから、高圧ガスにかかわる資格を取得しようと思う場合は、その資格でどのようなことが行えるのか、しっかり確かめてから受験しましょう。
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