
【必見】ヒートポンプの種類や原理を徹底解説! どこに使われているの?
2016/04/26
2022/02/01
「ヒートポンプ」とは、少ないエネルギーで大きな熱エネルギーを生み出す技術を指します。
最近は、家電や冷暖房、給湯システムも「省エネ、エコ」が主流ですから、ヒートポンプが使われている家電やシステムはこれからも増え続けるでしょう。
今回は、ヒートポンプの原理や種類をご紹介します。
ヒートポンプという名前を知っていてもその原理や仕組みはよく分からないという方も多いでしょう。
この記事を読めばなぜヒートポンプが省エネでエコなのかお分かりいただけますよ。
1.ヒートポンプの原理や仕組みとは?
ヒートポンプとは、ガスや電力などのエネルギー源を利用して作った熱に大気中にある熱を加え、より大きな熱エネルギーを必要なところへ運ぶ技術を指します。
ヒートポンプの「ヒート」とは熱、ポンプは「吸い上げる」という意味を持つオランダ語です。
ですから、作りだす熱に対して消費するエネルギーは少ないので省エネになります。
さらに、大気中の熱を利用しますから二酸化炭素の発生量も少なくてすむのです。
これが、ヒートポンプが省エネ、エコな理由。
では、なぜヒートポンプは大気中から熱を集められるのでしょうか?
それは、気体(空気)の性質を利用しているからです。
空気は、圧縮すると温度が上がります。
ビニールのおもちゃに空気を入れて膨らませていると、何だか暖かくなったように感じたことがありませんか?
それは、気のせいではないのです。
また、気体は温度差があれば特に何もしなくても、勝手に移動していきます。
この性質を利用してヒートポンプは大気中の熱を集めているのです。
2.ヒートポンプが熱を運ぶ仕組みとは?
ヒートポンプが熱を集めて運ぶシステムだ、と前項ではご紹介しました。
では、どうやって熱は運ばれるのでしょうか?
ヒートポンプで熱を運ぶもの、それが「冷媒」です。
これは、圧縮したガスが使われることが多く、かつてはフロンガスが大部分を占めていました。
現在は、環境に配慮して別のガスに変わっています。
冷媒は「冷」という文字が使われていますが、暖かくも冷たくもあるのです。
ですから、エアコンは1台で冷房と暖房の両方の機能が備えられます。
冷媒が温度を変えることにより、空気は暖かくも冷たくもなるのです。
ヒートポンプというと暖房に使われるものというイメージがありますが、家庭用のほとんどのエアコンが、現在はヒートポンプ式になっています。
3.ヒートポンプの仕組みが使われている家電とは?
この項では、ヒートポンプが使われている家電の一例をご紹介します。
エアコン以外にはどのようなものに使われているのでしょうか?
3-1.家庭用の給湯器
エコキュートやエコジョーズといった給湯器は、ヒートポンプの仕組みを利用しています。
第三世代のエコな給湯器として導入に力を入れている自治体も少なくありません。
ガス給湯器と電気給湯器のどちらもありますので、給湯器の光熱費が高いというお宅は交換を考えてもよいでしょう。
3-2.業務用のエアコンや給湯器
ヒートポンプのメリットが最も生かせるのが業務用の給湯器やエアコンです。
商業施設や病院、オフィスビルなどは必ずエアコンと給湯器が備えつけられているでしょう。
利用者が多いほど、光熱費も増えていきます。
ですから、ヒートポンプ式にすれば、光熱費が大幅に節約できるでしょう。
3-3.冷凍庫や冷蔵庫
家庭で使う電化製品の中で、エアコンに次いで光熱費が高いのが、冷凍庫や冷蔵庫です。
冷蔵庫も冷媒を使って内部を冷やす仕組みはエアコンと同じ。
ですから、ヒートポンプの仕組みを使えば、それだけ光熱費を節約できるのです。
3-4.床暖房
家庭用の場合は給湯器とセットになって販売されている商品も少なくありません。
新しく家を建てる場合や、大規模リフォームをする場合はヒートポンプを使った給湯器と床暖房を導入する絶好のチャンスです。
今まで真冬や真夏になると光熱費がはね上がっていたというお宅は、ぜひ導入を検討してみましょう。
4.ヒートポンプの種類とは?
この項では、ヒートポンプの種類についてご紹介します。
熱の輸送原理によってヒートポンプの種類は決まるのです。
4-1.冷媒の発熱や吸熱を利用したもの
蒸気圧縮ヒートポンプや、吸収式ヒートポンプ、吸着式ヒートポンプなどは、液体が気化する際に発する気化熱や、凝縮熱を利用したりします。気化熱とは、アルコールを肌に塗ったときにヒヤッとするあの感触のことです。
液体が蒸発する際、周囲の熱を奪っていくので「気化熱」といわれています。
特に、アンモニアの気化熱を利用したヒートポンプは、冷凍庫や冷蔵庫に広く利用されているのです。
4-2.空気熱以外の熱を利用したもの
通常のヒートポンプは大気中の熱、いわゆる空気熱を利用します。
一般家庭のエアコンや給湯器はほとんどが空気熱を利用したものです。
しかし、そのほかにも地中熱、水源熱、太陽熱を利用したヒートポンプがあります。
いずれも熱源が近くになければ利用できませんが、空気熱よりもより効率よく熱を運ぶことができるでしょう。
特に、太陽熱を利用したヒートポンプは、太陽光発電とセットで販売されていることもあります。
オール電化式の住宅などに取り入れられているところもあるでしょう。
4-3.格子振動を利用したもの
半導体を用いたヒートポンプで利用されている方法です。
電流を熱電素子に流すことによって、素子内部に格子振動を自動的に起こします。
格子振動が起これば、熱移動が起こるのです。
格子振動による熱移動を行なうと、精密な温度管理が行えるので大学の研究室や医療機関などで用いられることが多いでしょう。
しかし、その反面費用がかかり故障したりすると修繕にも時間がかかります。
そのため、導入する場合はそのことをクライアントによく説明することが大切です。
4-4.そのほか
熱電導に気化熱の両方を利用したヒートポンプなど、最新式になるほどより効率的に大気中などから熱を取り入れる仕組みを取り入れた商品がでてきています。
ですから、ヒートポンプ式の家電を導入していても、年数がたったものはより新しいものへの交換も視野に入れた方が、光熱費の節約になるでしょう。
特に、1990年代に導入されたものはそろそろ寿命がきてもおかしくありません。
5.おわりに
いかがでしたか?今回は、ヒートポンプ式の仕組みや原理、そして種類についてご紹介しました。
ヒートポンプ式が初めて家電に導入されたのは1970年代のことです。
それから40年以上がたち、ヒートポンプは多くの家電や工場、ビルなどの空調や給湯機器に利用されるようになりました。
また、ご紹介したように、一口にヒートポンプといってもいろいろな種類があります。
ですから、ヒートポンプを導入したいという場合は、まずどのような種類を導入するか決めましょう。
家庭用の給湯器でもエコジョーズやエコキュートなどの種類があります。
業務用の冷暖房や冷蔵庫、冷凍庫などは業者任せにしないことも大切です。
また、施工会社に勤務する方も、一通りの知識を持っておくと便利でしょう。
施工する際に、どのように設置すればより効率的に熱を取り入れたり修理がしやすかったりするのか、知っておくと工事がやりやすくなりますし、修理のときも便利です。
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