ガス会社に就職したい人!資格取得でライバルと差を付けよう

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ガス会社は、景気の波を受けにくいことから、多くの人に人気の就職先です。倒産リスクも低く、定年まで安定して働きたい人たちを中心に注目が高まっています。しかし、採用人数には限りがあるため、就職試験を突破するためにはライバルたちに差を付けることが必要です。

そこで今回は、ガス会社に就職したい人のために資格取得の方法やメリットを解説しましょう。

  1. ガス会社の基本を確認しよう
  2. ガス会社の就職について
  3. ガス会社に就職するには?
  4. ガス会社への就職に有利なガス主任技術者とは?
  5. ガス主任技術者の試験について
  6. ガス主任技術者試験の勉強法について
  7. ガス会社の就職に関するよくある質問

この記事を読むことで、ガス会社に就職するために必要な知識が身に付き、就職試験を有利に進めるためのコツがわかります。また、資格試験合格のポイントも理解できるため、効率よく学習ができることでしょう。ガス会社への就職を真剣に目指す人は必見です。


1.ガス会社の基本を確認しよう

最初に、ガス会社の基本を学びましょう。職種・仕事内容など詳しく解説します。

1-1.ガス会社の職種や仕事内容は?

ガス会社の職種には、総務や経理など一般企業と同じもののほかにも、特有のものがあります。

  • ガスの製造::ガスを製造、製造する設備を建設、維持管理する。
  • ガスの供給:カスを安定的に供給するため、ガス管の建設、維持管理を行う。
  • ガスの販売:ガス及びガス機器の販売、販売促進、消費機器の点検・修理を行う。

1-2.ガス会社にはどんな種類がある?

ガス会社には、以下のような種類があります。どんな種類があるかチェックしておきましょう。

  • 都市ガス会社:ガス管を利用して都市ガスを供給する
  • 簡易ガス会社:ガス管を利用してLPガスなどを供給する
  • LPガス会社:専用のボンベを使用してLPガスを供給する
  • ガス設備会社:ガス設備の販売を行う
  • ガス工事会社:ガス設備の工事を行う

1-3.ガス会社の魅力を学ぼう

ガス会社には以下のような魅力があるため、求職者からの人気が高いものです。

  • 公共事業のため、人の役に立つという誇りを持てる
  • 一般企業と比べて業績が景気の影響を受けにくい
  • 高収入を期待できる
  • 福利厚生が整っている会社が多い

2.ガス会社の就職について

ガス会社の就職について詳しく解説します。求人の探し方・ガス会社での年収・現状・将来について学びましょう。

2-1.求人の探し方

ガス会社の求人は、主に以下のようなところで探すことができます。

  • 就職・転職フェア
  • ハローワーク
  • 求人誌
  • 民間の職業紹介所
  • インターネットの転職サイト

なお、ガス会社は求職者からの人気が高いため、求人が出ると応募が殺到することが多く、すぐに募集や掲載を打ちきることがあります。求人情報は、常に幅広くチェックし、素早く応募できるように履歴書・職務経歴書などの準備を進めておきましょう。

2-2.ガス会社の年収は?

ガス会社の年収は、平均で500~1,000万円程度が目安と言われます。もちろん、職種や役職によって上下するため、一概には言えません。より高年収を狙うためには、都市ガス会社など大企業への就職を目標にしましょう。また、社内でスキルアップを重ねるほか、管理職に就くことで高収入を目指すことも可能です。

2-3.ガス会社の現状と将来について

2017年4月に都市ガスの販売の全面自由化が始まり、ガス会社と新規参入する会社との競争が激化しています。景気の影響を受けにくい業界と言われてきたガス業界でも経営状況が厳しなることでしょう。ガス会社各社も、今後はライバルより魅力的な企業戦略を打ち出していくことが必要です。しかし、ガスは快適な暮らしに必要不可欠なものであり、需要がなくなることはありません。顧客のニーズをしっかり見極めることができるところに就職しましょう

  • ガスの製造:ガスを製造、製造する設備を建設、維持管理する。
  • ガスの供給:カスを安定的に供給するため、ガス管の建設、維持管理を行う。
  • ガスの販売:ガス及びガス機器の販売、販売促進、消費機器の点検・修理を行う。

3.ガス会社に就職するには?

ガス会社に就職するためには、具体的に何をすればいいのでしょうか。必要なスキル・適性・持っているといい資格など、詳しく解説します。

3-1.ガス会社に就職するために必要なスキル・適性について

ガス会社であっても、一般企業と何も変わりません。きちんとしたビジネスマナーを身に付け、常に仕事に前向きに取り組むことが必要です。また、新しい知識を自ら吸収しようとする姿勢も大切でしょう。なお、ガスは取り扱いを間違えると大きな事故につながる性質があるため、安全確認や細かな作業をコツコツとできる技能も必要です。

3-2.持っているといい資格は?

ガス会社の就職で、持っていると有利になる資格には以下のようなものがあります。中でも、特に需要が高いのがガス主任技術者です。

  • ガス主任技術者:一般家庭の都市ガスの製造から供給、消費機器までの保安監督ができる
  • 液化石油ガス設備士:一般家庭用などのLPガス供給設備や消費設備の設置工事もしくは変更工事ができる
  • 第二種高圧ガス販売主任者:LPガスの販売主任者となることができる

3-3.ガス会社に就職するときの条件について

ガス会社に就職するときには、以下の条件をチェックしましょう。会社によって、採用条件は大きく異なります。後日、こんなはずではなかったと思わないためにも、それぞれ確認しておきましょう。特に未経験者は、経験者だけの募集に応募しても無駄なので気を付けてください。

  • 職種
  • 望ましい人物像
  • 勤務場所
  • 勤務時間
  • 年収・ボーナスの金額
  • 福利厚生の内容
  • 優遇する資格
  • 未経験者でも応募可能か

3-4.ガス会社に就職するために必要なそのほかのこと

ガス会社に就職するためには、職種によって営業車の運転が必要です。営業職のほかにも、保守・保全業務では顧客を訪問して直接作業することになります。運転免許を持っていない方は早めに取得しておきましょう。また運転に自信のない方には会社内でトレーニングの機会があり、慣れるまではサポートが受けられることが多いようです。

4.ガス会社への就職に有利なガス主任技術者とは?

ガス主任技術者資格を取得することで、ガス会社への就職が有利になることもあります。資格概要・メリット・難易度や合格率について解説しましょう。

4-1.ガス主任技術者の資格概要

ガス主任技術者とは、一般家庭の都市ガスの製造から消費までの全過程を取り扱う資格です。ガス事業者は、法令によってガス主任技術者を選任する義務があるため、需要は高いと言えます。なお、ガス主任技術者には甲種・乙種・丙種の3種類の区分があり、甲種が最上位です。3種類の詳細については、下記を参考にしてください。

  • 甲種:すべてのガス工作物の工事・維持・運用
  • 乙種:最高使用圧力が中圧~低圧のガス工作物および特定ガス発生設備などのガス工作物等の工事・維持・運用
  • 丙種:特定ガス発生設備にかかわるガス工作物の工事・維持・運用

当該ガス事業者の保有する設備に応じて受験級を選択するのが基本です。

4-2.ガス主任技術者の資格を取得するメリット

ガス主任技術者の資格取得には、以下のようなメリットがあります。ガス会社への就職・転職の道を開くだけでなく、実務にも役立つものです。

  • ガス工作物の工事・維持・運用の知識があることを証明できる
  • ガス会社への就職・転職に有利
  • 就職後も昇給や昇進に役立つ

4-3.ガス主任技術者の難易度や合格率

平成28年度に実施した試験では、以下の合格率となっています。

甲種:17.9%
乙種:17.1%
丙種:32.0%

甲種および乙種は、10人受けて1人から2人程度、丙種であっても10人に3人程度の合格率になっています。試験の難易度は、高いと考えていいでしょう。

5.ガス主任技術者の試験について

ガス主任技術者の試験について解説します。試験当日に慌てないためにも、確認しておきましょう。

5-1.ガス主任技術者の受験資格

ガス主任技術者には、受験資格がありません。そのため、希望する人は国籍・性別・学歴・年齢を問わずに誰でも受験できます。また、実務経験の有無も問わないため、学生のうちに取得をし、新卒時の就職活動でアピールすることも可能です。もちろん、新卒以外の人も就職・転職活動と並行しながら資格取得をすることで武器となることもあります。

5-2.ガス主任技術者の試験概要

試験概要に関しては、下記を参考にしてください。甲種・乙種・丙種ともに、同じ要領での実施となります。

  • 試験日時:毎年 9月下旬から10月上旬に年1回実施
  • 試験場所:北海道・宮城県・東京都・愛知県・富山県・大阪府・広島県・香川県・福岡県・沖縄県
  • 受験料:12,700円
  • 申し込み方法:郵送にて願書を送付
  • そのほかの注意点:願書はダウンロード・郵送取り寄せ・直接受け取りから選択可能

毎年、願書の受付期間は5月中旬から6月初旬です。早めにチェックして、申し込み忘れを防ぎましょう。

5-3.ガス主任技術者の試験内容

試験内容は、以下を参考にしてください。

  • 試験科目:法令・基礎・ガス技術の3科目
  • 試験時間:学科試験(5択問題マークシート式)は2時間、論述試験(記述式)は1時間
  • 実地試験について:なし

なお、出題範囲などの詳しい情報は、一般財団法人日本ガス機器検査協会の試験実施の内容ページを確認してください。

5-4.ガス主任技術者の試験に関する注意点

ガス主任技術者の試験は、すべて筆記試験で行います。わからない問題があっても、ひとまず解答しておきましょう。なお、合格には以下のすべての基準を満たすことが必要です。

  • マークシート問題および論述問題が合計で180点以上
  • マークシート問題の法令科目が25点以上
  • マークシート問題の基礎科目が15点以上
  • マークシート問題のガス技術科目が30点以上
  • 論述問題が20点以上

6.ガス主任技術者試験の勉強法について

ガス主任技術者試験の勉強法について解説します。試験合格のためのコツや注意点を確認してください。

6-1.ガス主任技術者試験の学習方法

ガス主任技術者試験を受けるためには、計画を立てて学習しましょう。試験の難易度を考えても、効率よく学習し、当日をベストの状態で迎えることが必要です。学習方法としては、主に以下のものがあります。

  • 完全独学(日本ガス協会発行の都市ガス工業概要テキストや過去問題集などで学習)
  • 市販のDVD教材を利用する
  • 試験対策講習会に参加する

6-2.ガス主任技術者試験のおすすめの参考書・教材

ガス主任技術者試験で必要なテキスト、問題集、講習会、通信講座等ををご紹介します。

6-2-1 テキスト・参考書

日本ガス協会発行の「都市ガス工業概要」がテキストになります。全部で5冊あり、基礎理論編だけは他の国家試験と類似した内容が記載されていますが、製造編、供給編、消費機器編、法令編は他にテキストとなるものはなく、ガス主任技術者試験のバイブルになります。甲種、乙種共通でいすれも日本ガス協会のオンラインショップから購入可能です。

6-2-2 問題集

同じく日本ガス協会から毎年発行される試験問題解説集(甲種・乙種・丙種)は過去5年間の問題が収められています。アマゾンなどから買えるものとしては、甲種模擬問題集、乙種模擬問題集は毎年発行されています。丙種精選問題集もありますが、こちらは平成24年に発行されて以来新版が出ておらず、やや使いにくいのが欠点です。

6-2-3 講習会

首都圏では、エフユー(株)が実施しています。日時や場所が限定されるため、HPなどでご確認ください。

6-3.ガス主任技術者試験の過去問について

ガス主任技術者試験は、過去問を攻略することで合格率を高めることができます。過去問を入手し、繰り返し解いて出題方式に慣れておきましょう。試験当日に慌てずに対応できます。また、出題傾向をつかむことができるのでとても有意義です。早めに過去問に取り組み、自分の弱点を見つけて補強してください。なお、過去問は、日本ガス協会の試験問題解説集に過去5年分が解説付きで載っています。また市販の問題集にも過去問題は載っていますので、これらで学習できます。

6-4.ガス主任技術者試験の勉強法でそのほかのこと

限りある時間を有効に使うためには、毎日のすき間時間を上手(じょうず)に使いましょう。朝起きて20分程度学習することにしたり、通勤時間を利用して暗記をしたりしてください。1回の勉強時間は短くても、コツコツ続けていくことが大切です。また、ひとつの勉強法を試してみて自分に合わないと感じたら、早めにほかの方法に変更してください。勉強しやすい方法を見つけることも重要です。

6-5.ガス主任技術者試験に関する注意点

ガス主任技術者試験は、1年に1日だけ実施となります。当日の体調不良は、不利になるだけです。早めに学習計画を立て、試験日直前に無理をしないようにしましょう。試験前日は、詰め込み学習をするよりも、きちんと食事をして十分な睡眠を取ることを優先してください。スッキリした頭で試験に臨むことで本来の実力を発揮できるのです。

7.ガス会社の就職に関するよくある質問

最後に、ガス会社の就職に関するよくある質問に回答します。試験を突破し、無事に就職を果たすためにもそれぞれ確認しておきましょう。

Q.初心者で実務経験が無い場合、乙種・甲種を受けるのは無理ですか?
A.ガス主任技術者は、当該ガス事業者の保有する設備に応じて必要な種別が決まります。従って、自社設備の種類に応じて受験種別を決めるのが基本です。ただし、法令で定めるガス主任技術者に選任されるのは、事業所の所長やマネージャークラスになりますので、その職位にまだ達しない方は、ガス主任技術者となる実力を身につけておくことになります。そういった意味では、必要とされるのは甲種でも、乙種や丙種から挑戦して、自信を付けてクラスを上げていくという方法もあります。

Q.女性でもガス主任技術者として企業で活躍できるでしょうか?
A.ガス主任技術者は、ガス漏れなど危険業務に従事する可能性もありますので女性で法令上のガス主任技術者を勤めるケースは少数です。ただし、総務や経理などでも会社の仕事を知り、お客様に会社の仕事を説明する機会は数多くあり、ガス主任技術者試験の知識は大いに役に立ちます。事実、女性も数多く挑戦し、取得しています。

Q.ガス主任技術者を取得後、更新義務はありますか?
A.資格取得後は、更新義務はありません。そのため、半永久的に認定を受けることができます。ただし、ガスに関する知識や技術はめまぐるしく変化しているものです。資格取得後も、実務経験をとおして常に新しいことを吸収するようにしましょう。なお、免状に記載のある氏名や本籍が変わった場合は、一般財団法人日本ガス機器検査協会の免状情報のページで申請書のダウンロード後、更新手続きを進めてください。

Q.ガス主任技術者試験当日の心構えを教えてもらえますか?
A.試験会場には、余裕を持って到着できるようにしましょう。土地勘が無い場合は、前日までに自宅からの所要時間や通い方を確認しておくことです。試験開始ギリギリに到着していては、集中して受験することができません。また、遅刻は受験不可となることもあります。なお、当日の朝は早めに食事を済ませて心を落ち着かせてください。試験で実力を発揮するためにも、平常心を保つことが大切です。

Q.ガス主任技術者試験の合否はどこで発表になるのですか?
毎年、試験終了後の12月下旬を目安に合格発表があります。一般財団法人日本ガス機器検査協会のガス主任技術者試験の合格者発表ページでチェックしてみましょう。合格の場合は、受験番号の掲載があるので探してみてください。なお、合格した場合は併せて「合格通知書」の送付があります。不合格の場合は、残念ながら通知は届きません。

まとめ

今回は、ガス会社への就職を希望する人のために必要なことを解説しました。また、就職に有利になる資格のひとつとして、ガス主任技術者の資格を詳しくご紹介しています。未経験者でも受験できるため、本気でガス会社に就職したい人はぜひ資格取得を目指してください。資格があると企業からも一目置かれるだけでなく、自信を持って就職活動を進めることができます。実際に就職した後も実務に役立ち、昇進・昇給の手がかりともなるので取得しておく価値は大きいと言えるでしょう。

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