
流体の性質や分類とは?どんな特徴があるの?
2016/04/11
2016/11/09
流体とは、固体以外の物質全般を指します。
液体をイメージする方も多いですが、気体やプラズマも工学上は流体に該当するのです。
そこで、今回は流体の種類や性質、さらに定義をご紹介しましょう。
流体を通す機械や工具を作ったり、流体を通す工事を行ったりする企業はたくさんあります。
そこで働く方にとって流体の種類や性質を知ることは、大いに勉強にもなるでしょう。
管工事施工管理技士の資格取得を目指している方も、ぜひこの記事を読んでみてください。
1.流体の定義や性質とは?
流体とは、少しの力を加えると変形する物質の総称です。
私たちの回りにもたくさんあると思います。
流体というと、その響きや漢字から、液体をイメージする方も多いでしょう。
しかし、液体だけでなく気体やプラズマも流体の一種になります。
また、流体は、静止しているときに接触面にかかっている力は常に垂直です。
ですから、水圧や油圧が平行にかかるということはありません。
このことは、パスカルの原理で証明されています。高校の物理の授業で習った方もいるでしょう。
私たちの身の回りにある流体の代表的なものといえば、水と空気です。
この流体の性質を利用して作られているのが、水圧器や油圧ジャッキなどになります。
2.流体の性質を求める公式とは?
この項では、流体の性質を求める公式についてご紹介します。
流体は固体よりも測定しにくいものが多いので、公式を知っているといろいろと楽になるでしょう。
また、物理のテストなどでも出題されます。
2-1.流体の密度
流体の密度は運動方程式を考える際に、質量の代わりに用いられることが多いです。
体積を質量で割ることで求められます。
気体の密度は、温度によっても変わるものも少なくありません。
ですから、気体の密度は定数であるとは限らないのです。
一方、水などの液体は、定数と考えて問題ないでしょう。
2-2.粘性
流体の流れている速度を、「流速」といいます。
しかし、流体内部の速度がすでに均一であるとも限らないのです。
流体内部に速度の差があるとき、その差を無くそうと抵抗力が働きます。
流速が大きい方は抵抗力によって流速が下がり、小さい方は逆に大きい方に引きずられて流速が上がるでしょう。
この抵抗力や引きずる力を粘度や粘性係数といいます。抵抗力を求める公式は、「粘度×ふたつの流れが接している面積×(速度の差÷位置の差)」になるのです。
ちなみに、粘性がこのような式で現される流体を「ニュートン流体」といいます。
2-3.圧力
液体や気体は、少量ですと重さを感じにくいでしょう。
しかし、大量の水や空気に接すると圧力を感じます。これが、気圧や水圧です。
流体では、圧力が一点集中することは少なく、分散してかかることが一般的。
そこで、単位体積当たりに換算する必要があります。
私たちが天気予報で耳にしている「低気圧」や「高気圧」も気圧の一種なのです。
圧力の単位は、パスカルで現わします。
これも、天気予報でおなじみですね。
一方水圧は、容器の中に液体が静止して入っている場合、重力方向に垂直な面の真上にある液体の力になります。
その求め方は「面積×深さ×密度÷面積」となるのです。
3.流体の分類
流体は大きく分けると気体と液体に分かれますが、さらにその性質によって細かく分類されます。
この項では、その種類をご紹介しましょう。
3-1.密度の変化による分類
流体の密度とは、前述したように質量の代わりに用いられます。
流体には、非圧縮性流体と、圧縮性流体にまずは分類されるのです。
非圧縮性流体とは、密度を定数とみなせる流体になります。
水などの液体に多く当てはまるでしょう。一方圧縮性流体とは条件によって密度が変化する流体です。
空気や各種ガスが当てはまります。
圧縮性流体を保存する場合は、圧力の変化に気をつけなければなりません。
その一方で、圧縮性流体は密度を小さくすることによって、コンパクトに収納できる方法もあるのです。
たとえば、カセットボンベなどに使われるLPガスはガスを圧縮することによって液体にし、あの小さなカンの中に封入しています。
そのため、熱を加えると密度が変化し爆発事故を起こす可能性もあるのです。
3-2.粘性による分類
粘性は、一般的に気体よりも液体の方が高くなっています。
非粘性流体とは、粘性を一切持たない流体のこと。
粘性がない気体や液体は、圧力しか生じません。
粘性を持つ液体は、さらにニュートン流体と非ニュートン流体に分類されるのです。
ニュートン流体とは、応力が速度勾配に比例する流体になります。
水に代表される低分子の流体は大抵ニュートン流体に分類されるでしょう。
高校の物理学レベルでは、ニュートン流体の名前くらいは出てきても、それ以上のことは扱いません。
大学で物理学を専攻するようになると、外部からの力のかけ方や流速によって、粘性が変わる高分子体なども扱うようになるでしょう。
3-3.層流と乱流
層流とは、流体が平行線のように流れていることです。
液体や気体をパイプなどに入れて流すと、層流になるでしょう。
抵抗が少ないほど流れは速くなっていきます。
一方、乱流とは、平行だけでなく垂直方向にも流れの影響が出ている流体になるのです。
乱気流がその代表例になります。
また、水が勢いよく流れて動きのないところに落ち込むような場所でも、乱流は発生するでしょう。
一例を上げると滝つぼです。
「滝つぼの中では、水が渦を巻いている」と表現されることがありますが、これも乱流の一種でしょう。
3-4.混相流
混相流とは、固体と液体、さらに液体と気体が混ざった流体のことです。
液体の中に気泡ができてしまったり、水の中に固体が混ざってしまったりする場合、流体を流すポンプやパイプがつまってしまうこともあるでしょう。
液体や気体が流れるパイプやポンプが故障する場合、このような混相流が発生していることも少なくありません。
ですから、技術者は可能な限り混相流が発生しないように流体をパイプの中に通すかのか、知恵を絞ることも珍しくないでしょう。
私たちの身近なところでは、排水口に網が設置してあるケースです。
配管に残飯などがつまれば、そのまま汚水が逆流して大変なことになるかもしれません。
それを防ぐために、網が設置されているのです。
このほか、気体と液体が混じらないように処置がされているものも少なくありません。
4.おわりに
いかがでしたか?
今回は、流体の性質や定義、分類などをご紹介しました。
液体だけでなく、気体も流体だと知って驚いたという方もいるかもしれません。
分かりやすい分類の仕方としては、容器なしでも形をたもっていられるのが固体、たもっていられないのが流体という分類の方法もあります。流体の性質や分類は一見すると私たちの生活には関係ないようにも見えるでしょう。
しかし、ガスや水を通す配管は、建物になくてはなりません。
ですから、流体力学を理解していないと、ガスや水を最もスムーズに通す配管は開発できないのです。
高校の物理学などは一見すると将来の役には立ちにくく思える学問ですが、管工事施工管理技士など配管工事のプロフェッショナルになりたいという場合は、改めて学び直す必要もあるでしょう。
流体のさまざまなエネルギーの出し方は公式を覚えていればある程度分かります。
ですから、公式を忘れずに覚えておきましょう。
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