
潜水士の年収はどのくらい? どのような職種から求人があるの?
2017/12/29
潜水士とは潜水用具を装備して、水中で作業をすることができる国家資格です。マリンスポーツとして人気のあるスキューバダイビングのインストラクターになるためにも、潜水士の資格が必要になります。また、誰にでも簡単に取得できる資格でもないので常に一定の求人があるでしょう。資格取得を目指している人や、興味がある人も多いと思います。
そこで、今回は潜水士の年収や求人を出す職場、資格取得の方法などを解説しましょう。
この記事を読めば、潜水士の試験に合格するコツなどもよく分かります。潜水士を目指している人や潜水士の資格に興味のある人は、ぜひ読んでみてくださいね。
1.潜水士の基礎知識
はじめに、潜水士の定義や年収、求人などの基礎知識を解説します。どのような職場が、潜水士を求めているのでしょうか?
1-1.潜水士とはどのような資格?
前述したように、潜水士は酸素ボンベなどの潜水用具を用いて潜水し、水中で作業をすることができる国家資格です。ダイビングライセンスと混同されることがありますが、これは潜水技術と知識を証明する民間資格のため、所持していても仕事として潜水を行うことはできません。ですから、ダイビングインストラクターとして働きたい場合は、ダイビングライセンスと潜水士、両方の資格が必要です。
また、素潜りで作業を行う場合、潜水士の資格は必要ありません。ですから、素潜りで漁を行う海女や漁師は、潜水士の資格なしでも大丈夫です。
1-2.潜水士の職務
潜水士の仕事は、魚介類の採取や水中で行う工事・海底や水中の調査・人命救助と多岐にわたります。ですから、「潜水士として働きたい」と考えているだけではダメです。「潜水士になって何をしたいか」が大切になります。仕事の内容によっては、潜水士以外の知識が必要になることも珍しくありません。ですから、最初から「潜水士になりたくて資格を取得しました」という人は少なく、「就きたかった仕事は潜水士の資格が必要なので、取得した」という人が大半です。
1-3.潜水士の求人
潜水士の求人は、建築会社やダイビングスクール・調査会社など数多くあります。警察や海上保安庁で潜水士として働きたい場合は、まず警察官や海上保安官になる必要があるため、潜水士というだけでは採用されません。また、多くの職場では、潜水士以外の知識や技術が必要とされます。
1-4.潜水士の平均年収
潜水士の年収は平均で400~600万円です。20代では年収が低くても、経験を積むにつれて給与がアップしていくという会社も多いでしょう。また、危険な業務が多いほど各種手当がついて給与が高くなる傾向があります。
1-5.潜水士に向いている人
潜水士は、水中で作業を行うため危険が伴います。職種によっては人命を預かることもあるでしょう。ですから、体力があって責任感が強く、泳ぎがうまい人が潜水士に向いています。また、職場によってはまだ男性の潜水士だけ、というところも珍しくありません。その一方で、ダイビングインストラクターなどは女性が活躍しています。
2.潜水士のキャリアアップについて
前述したように、潜水士として働くためには潜水士以外の知識や技術も必要です。ですから、すでに建設や調査の仕事に就いている人は、仕事の幅を広げるために潜水士の資格を取得してもいいでしょう。また、ダイビングが趣味でインストラクターになりたいという人は、ダイビングの技術を磨き、総仕上げとして潜水士の資格を取得する方法もあります。
警察や海上保安庁で潜水士の仕事がしたいという場合は、警察学校や海上保安学校に進学してもいいでしょう。なお、潜水士の資格は実務経験がなければそれほど活用できません。資格取得を目指す人はできるだけ早く資格を取得しましょう。そうすれば、キャリアアップをする時間も十分にあるので、年収も上がりやすいはずです。
3.潜水士の資格取得方法
この項では、潜水士の資格を取得する方法や勉強のコツを解説します。ぜひ、参考にしてください。
3-1.潜水士の資格を取得する方法
潜水士の資格は、安全衛生技術試験協会が主催する試験を受け、合格すれば取得できます。受験資格は設けられていませんが、免許の交付は18歳以上に限られているため、17歳で試験に合格した場合、免許の交付は18歳まで待たなくてはなりません。
3-2.潜水士の試験とは?
潜水士の試験は、以下のような4科目の学科試験です。
- 潜水業務
- 送気、潜降及び浮上
- 高気圧障害
- 関係法令
実技試験はありません。潜水士の試験は、すでに潜水の技術を身につけている人が対象です。ですから、潜水に関する知識があることを証明できれば取得できます。そのため、1度も潜水をしたことがない人でも潜水士の資格は取得可能です。ただし、資格を活用して仕事をすることはできません。潜水士の資格を取得した後、潜水の技術を学んでも問題はないのです。
3-3.試験日や申し込み方法など
潜水士の試験は、年に数回、各地の安全技術試験センターで行われます。センターの場所は、安全衛生技術試験協会のホームページに記されているので、確認しましょう。また、年に1度程度全国各地で特別出張試験も行われるので、協会のホームページをチェックしておいてください。試験を申し込む場合は協会で願書を購入し、受験したい安全技術試験センターへ送付します。電子申請は行っていないので、注意しましょう。
3-4.勉強方法のコツ
潜水士の合格率は80%で、国家試験の中ではずば抜けて高いものです。潜水の技術がある人ならば、参考書を読んで過去問題集を2.3回解いておけば、合格できるでしょう。しかし、仕事をしながら受験に挑む場合、効率的に勉強をして試験範囲全体をカバーしなければなりません。潜水士試験の効率のよい勉強方法などは、こちらの記事にも詳しく記載されているので、ぜひ併せて読んでみてください。
4.潜水士に関するよくある質問
Q.自力で潜水技術を身につけたい場合は、どうしたらいいでしょうか?
A.ダイビングスクールに通うのが、最も一般的です。
Q.潜水士は、何歳くらいまで働けますか?
A.肉体的に負担が大きな仕事ですので、職務の内容によっては50代が限度ということもあるでしょう。しかし、負担が軽ければ60代以降でも潜水士として働き続けることもできます。
Q.潜水士の資格を取得しておけば、警察官や海上保安官になるために有利になることはありませんか?
A.残念ですが、潜水士の資格を取得していても有利になることはないのです。
Q.潜水士の試験は1日で終わりますか?
A.はい。1日で終わる試験です。
Q.潜水士の年収は職場によってだいぶ変わるのでしょうか?
A.職場よりも仕事の内容によって変わります。危険が高い仕事ほど給与も高めです。
5.おわりに
いかがでしたか? 今回は潜水士の年収や求人などを中心に解説しました。潜水士の試験自体はそれほど難しいことはありません。しかし、仕事の内容によって必要な技術が異なるので、自分が就きたい仕事のことをよく調べてから試験に挑戦しましょう。そうすれば、目標とする仕事にも就きやすくなります。潜水士の資格さえ取得すれば大丈夫、という仕事はないので注意が必要です。
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