
建設機械施工技士の資格を取る! 試験や講習会の内容を解説!
2017/07/27
2021/04/07
建設機械施工技士は、建設機械施工に必要な各種機器の取り扱いだけでなく、安全な工事進行のために必要な資格です。資格取得には多くのメリットがあり、仕事の幅も広がるため、建設業界で活躍したい人はぜひ取得を目指しましょう。
今回は、建設機械施工技士の資格について、講習会の内容を含め詳しく解説します。
この記事を読むことで、建設機械施工技士に関する理解が深まり、試験に向けて万全の準備ができます。絶対に合格するために役立つ情報が満載ですから、ぜひ読んでみてください。
1.建設機械施工技士の基礎知識を学ぼう
最初に、建設機械施工技士の基礎知識を解説します。準拠する法律や資格の種類・分類などを理解しましょう。
1-1.建設機械施工技士とは?
建設機械施工技士は、建設工事における機械化施工に従事する者の技術向上を目指して作られた資格です。国土交通省が管轄しています。建設工事を計画どおりかつ安全に行うためには、正しい知識と経験を持った人物が必要です。そのため、建設機械施工技士が重要な役割を持っています。2級は1960年から、1級は1962年から認定しており、歴史のある資格です。
1-2.建設機械施工技士が準拠する法律
建設機械施工技士は、建設業法第27条に準拠しています。建設機械施工技士は、施工技術の向上を図るためできた資格です。建設工事現場においては、ケガや事故のリスクが高いため、安全かつ確実に建設機械の操作および指示ができる人材を確保するべく、法律によって定められています。
1-3.建設機械施工技士の種類や分類について
建築機械施工管理技士には1級と2級があり、2級は、以下の6つの区分に分類されます。2級取得者は合格した区分の機械だけを取り扱うことが可能です。
- 第1種 : トラクター系建設機械操作施工法(ブルドーザー)
- 第2種 : ショベル系建設機械操作施工法(油圧ショベル)
- 第3種 : モータ・グレーダ操作施工法(モータ・グレーダ)
- 第4種 :締固め建設機械操作施工法(ロード・ローラ)
- 第5種 :舗装用建設機械操作施工法(アスファルトフィニッシャ)
- 第6種 :基礎工事用建設機械操作施工法(アースオーガー)
1-4.建設機械施工技士の職務とは?
建設機械施工技士の主な職務は、建設機械に対する正しい知識を身に付け、安全・確実に操作することです。工事における建設機械の使用計画を立て、スムーズに作業を進めるための指示や監督も大切な職務といえます。建設機械に関する深い専門知識を持ったエキスパートとして、現場作業員を統率し、工事を成功に導くため真面目に仕事に当たることを求められるのです。
1-5.建設機械施工技士の目的や必要性について
建設工事現場では、多くの作業員が働いています。建設機械の取り扱いを間違えると、大きな事故になる可能性もあるのです。建設機械施工技士は、建設機械に関する正しい知識と操作技術を身に付けることで、工事を計画どおりに進めるために存在します。また、建設機械施工技士は工事計画を安全に進めるだけでなく、現場に適切な指示を与え、工事品質を高めるためにも必要なのです。
2.建設機械施工技士の資格について
建設機械施工技士の資格について取得のメリットをはじめ、受験資格や試験概要・内容・難易度や合格率などを解説します。
2-1.資格取得のメリットは?
- 事業内特定自主検査の資格の付与を受けられる
- 経営事項審査制度対策で高い評価を得られる
- 1級の資格保有者は社会保険労務士の受験資格を得られる
- 1級の資格保有者は土木・鳶(とび)大工の区分で監理技術者になることができる
さらに、就職や転職に有利になる・昇給や昇進の手がかりとなる、仕事の幅が広がりキャリアアップができるなどがあります。
2-2.建設機械施工技士の受験資格について
建設機械施工技士は、1級・2級ともに一定の受験資格が必要です。それぞれ確認しておきましょう。
2-2-1.1級の受験資格
1級の受験資格は、細かく指定があります。主なものを抜粋してご紹介しましょう。
- 大学で指定学科を卒業後に実務経験が3年以上(指定学科以外の場合は4年6か月以上)
- 短大もしくは高専の指定学科卒業後に実務経験が5年以上(指定学科以外の場合は7年6か月以上)
- 高等学校の指定学科を卒業後に10年以上の実務経験(指定学科以外の場合は15年以上)
1級の受験資格に関するより詳しい内容は、一般社団法人日本建設機械施工協会の1級受験の手引きを参照ください。
2-2-2.2級の受験資格
2級の受験資格については、以下を参考にしてください。
- 大学の指定学科を卒業後、受験しようとする種別に6か月以上かつほかの種別の経験を通算し、1年以上の実務経験がある(指定学科以外の場合は、それぞれ9か月以上・1年6か月以上)
- 短期大学もしくは高等専門学校の指定学科を卒業後、受験しようとする種別に1年6か月以上の実務経験がある(指定学科以外の場合は、それぞれ1年以上1年6か月未満・2年以上)
- 短期大学、高等専門学校の指定学科以外を卒業して受験しようとする種別に2年以上の実務経験
- 高等学校の指定学科を卒業して受験しようとする種別に2年以上の実務経験
- ほかの種別の経験を通算して3年以上の実務経験
- 高等学校の指定学科以外を卒業して受験しようとする種別に3年以上の実務経験
なお、2級の受験資格のより詳しい内容は、一般社団法人日本建設機械施工協会の2級受験の手引きを参照ください。
2-3.建設機械施工技士の試験概要
試験概要は、以下を参考にしてください。申請書類は、例年2月初旬から配布・申し込みは3月初旬から4月初旬までとなります。受験を希望する人は、覚えておきましょう。
- 試験日程:1級・2級ともに1年に1回6月中旬ごろ
- 試験場所:(学科)北広島・滝沢・新潟・東京・名古屋・大阪・広島・高松・福岡・那覇、(実地)石狩・岩沼・下都賀郡・秩父・小松・富士・刈谷・明石・小野・広島・善通寺・糟屋郡・国頭郡
- 受験料:1級(学科・10,100円、実技・27,800円)、2級(学科・10,100円、実技・21,600円)
- 申し込み方法:申請書類および添付書類を一般社団法人日本建設施工協会に郵送
2-4.建設機械施工技士の試験内容
試験内容に関しては、以下をご覧ください。
2-4-1.1級の試験内容
一次試験として行われる筆記は、以下の科目となります。
- 土木工学
- 建設機械原動機
- 石油燃料
- 潤滑剤
- 建設機械
- 建設機械施工法
- 法規
二次試験は実地試験となり、以下より2科目選択して所定コース内での操作施工法を行います。
- トラクター系
- ショベル系
- モータ・グレーダ
- 諦固め
- 舗装用
- 基礎工事用建設機械操作施工法
- 建設機械組み合わせ施工法
2-4-2.2級の試験内容
2級の筆記試験は、以下の科目となります。
- 土木工学
- 建設機械原動機
- 石油燃料
- 潤滑剤
- 法規
- 選択種の建設機械施工法
また、実技試験は、選択した種類での所定コース内運転操作となります。
2-5.建設機械施工技士の難易度や合格率について
試験の合格基準は、以下のとおりです。
- 学科試験の得点が60%以上
- 実地試験(1級組み合わせ施工法)の 得点が60%以上
- 実地試験(1級操作施工法・科目ごと)で 各科目の得点が60%以上
- 実地試験(2級操作施工法・第1種~第6種までの種別ごと)の 得点が70%以上
合格率は、1級の学科で40%前後・実地が80%前後となります。2級は学科が60%前後となり、実地が90%程度です。数字だけを見ると難易度が低く見えますが油断しないでください。建設機械施工技士は、受験資格が厳しく、いずれも数年以上の実務経験を積んできた人たちばかりです。学科試験を見ても、1級は10人受けて4人程度・2級でも6人程度が突破できるのですから難易度は高いと考えてください。
2-6.建設機械施工技士の資格に関する注意点
建設機械施工技士の資格は、実務経験と試験対策の両方により合格を得られるものです。実務経験が長年あっても、必ずしも試験に合格できるとは限りません。資格試験である以上は、試験の形式に沿った回答をする必要があります。当日までに、きちんと学習計画を立てるほか、体調管理にも気を配り、万全な状態で受けられるようにしましょう。
3.建設機械施工技士の講習について
建設機械施工技士の講習に関して詳しく解説します。概要・内容・注意点など、しっかり理解しておきましょう。
3-1.建設機械施工技士の講習とは?
建設機械施工管理技士の資格取得を目的として、各地で講習を開催することがあります。実際の出題傾向に沿った内容であるため、試験合格に大きな力となるでしょう。独学で勉強を続ける自信がない人や、合格可能性をより高めたい人などにおすすめです。うまく活用し、建設機械施工技士の試験突破のためのコツをつかんでください。
3-2.建設機械施工技士の講習概要
建設機械施工技士の講習は、各地で行われています。一例として一般社団法人日本機械土工協会が開催するものをご紹介しましょう。詳細は、以下を参考にしてください。
- 申し込み方法:インターネットもしくはFAXにて
- 講習日程:例年5月中旬から6月初旬で連続した2日間
- 実施場所:東京など13都市で開催(平成29年度の場合)
- 受講料:19,000円(別途テキスト代2冊で13,608円が必要)
なお、より詳しいことは「受験準備講習会開催のご案内」を確認してください。
3-3.建設機械施工技士の講習内容
建設機械施工技士の講習内容は、主に各科目ごとの筆記試験対策(記述式を含む)です。基本的に1級受験希望者に合わせてあるため、2級受験希望者は自分が受験する科目と「関係法令」および「建設機械一般」を受講すればカバーできます。もちろん、すべての科目を受講しても構いません。2日間にわたって過去問を参考にした試験対策授業となるため、とても有意義な内容です。
3-4.建設機械施工技士の講習に関する注意点
単に講習を受けただけで合格できたような錯覚に陥ってしまう人がいます。しかし、講習はあくまでも、資格試験合格に向けた対策方法のひとつです。帰宅したら、必ず復習をして学習した内容を無駄にしないようにしましょう。また、講習も受け身で参加すると効果が弱まります。疑問に思ったことは質問タイムなどを活用し、解決しておきましょう。
4.建設機械施工技士の勉強法について
建設機械施工技士になるためにおすすめの勉強法やテキスト・教材などを解説します。試験合格のために重要なポイントですからじっくり目をとおしておきましょう。
4-1.建設機械施工技士の勉強法のポイント
建設機械施工技士の勉強は、過去問の活用を優先してください。過去問を繰り返し解くことで、試験の傾向がわかるだけでなく、本番の試験形式に慣れることにもなります。まずは、試験時間内にすべて解いてみて、自分の弱点を見つけましょう。間違えたりあやふやだったりした問題はそのままにせず、必ず正解を確認し理解することが大切です。類似問題を多く解いて、苦手分野を克服しましょう。
4-2.建設機械施工技士でおすすめのテキストや教材
建設機械施工技士の勉強で、おすすめのテキストや教材をご紹介します。いずれも受験生から評判のいいものばかりなので参考にしてください。
4-2-1.建設機械施工技術必携(平成29年度版)
2017年2月に出た「建設機械施工技術必携(平成29年度版)」は、一般財団法人建設物価調査会が監修しています。資格取得に必要な知識レベルを身に付けたい人には、オールマイティーに網羅でき、おすすめです。
4-2-2.建設機械施工技術検定問題集(平成29年度版)
上記の「建設機械施工技術必携(平成29年度版)」と同時期に出た「建設機械施工技術検定問題集(平成29年度版)」もおすすめです。実際の試験を想定した問題を数多く解くことができるため、実戦力を高めたい人はチェックしてください。
4-3.建設機械施工技士の勉強法に関する注意点
建設機械施工技士の勉強は、通勤時間や家に帰ってひと息ついた後など、10分から20分程度のすき間時間を見つけて行うと効果的です。建築施工機械技士に求められる知識は、専門的なものであるため、無理せずにコツコツと積み上げていくことをおすすめします。休日などにまとめて勉強するより、仕事のある日に勉強をする習慣を付ける方が、続きやすいので試してみてください。
5.建設機械施工技士の資格や講習に関するよくある質問
最後に、建設機械施工技士の資格や講習に関するよくある質問に回答します。資格取得前の不安や疑問をなくすためにもそれぞれ参考にしてください。
Q.実務経験が長年あれば資格取得しなくてもいいですか?
A.確かに、現場における実務経験は何よりも大切で、業務に生きるものです。しかし、経験や実力があることは外部から証明してもらうことは難しいでしょう。資格取得は、自分の実力を証明する手段でもあります。また、建設機械施工技士は、国家資格の中でも重宝されるもののひとつです。企業において手離したくない人材となり、仕事の幅を広げるためにもぜひ資格取得を考えてください。
Q.受験申請後の受験地の変更は可能ですか?
A.何らかの理由で、受験地を変更したいときは、正当な理由(転勤など)があるときに限り、申請により認められることがあります。まずは、問い合わせてみましょう。なお、試験日程が迫っている時点での申請は、却下となることもあります。当初の受験地での受験がどうしても厳しい場合は、来年度の受験を目指すことも考えてください。
Q.資格取得に年齢制限はあるのでしょうか?
A.1級・2級ともに細かい受験資格はありますが、年齢の上限はありません。そのため、受験資格を満たしている人は高齢であっても可能です。ただし、未成年者の場合は、17歳以上であれば2級の学科試験を受けることができます。ひとまず学科試験に合格しておけば、実務経験を積んで実技試験に挑み、資格取得をすることも可能です。
Q.講習を受けることで科目免除はありますか?
A.建設機械施工技士の講習を受けても、実際の試験で科目免除を受けらません。講習は、あくまでも試験対策のためのものだからです。講習は学科試験を突破するために活用してください。なお、学科試験合格者は、申請によって翌年度の受験時に、学科試験を免除されます。
Q.建設機械施工技士の講習のメリットは?
A.講習を受けることは、義務ではありません。しかし、試験前に講習を受けることで、当日の試験を受けるための準備を効率よく進めることが可能です。勉強の挫折を防ぎ、直前の仕上げを行うという意味でも受講の意味は大きいでしょう。
まとめ
今回は、建設機械施工技士に関して詳しく解説しました。資格取得にはさまざまなメリットがあり、建設業界で活躍したいと考えている人にはおすすめです。計画的に勉強を続けることで合格を手にしましょう。建設機械施工技士の勉強は、独学でももちろん可能です。優れた教材を入手し、コツコツ続けることで必ずいい結果が出るでしょう。講習も同時に活用すれば、さらに効率よく学習ができます。
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