
コジェネレーションの仕組みや種類とは?どんな効果があるの?
2016/02/08
コジェネレーションとは聞きなれない名前ですが、今まで排熱として排出してきた熱を利用してお湯を沸かしたり冷暖房に利用したり、さらに発電を行ったりすることです。
私たちの身近なところでは次世代型給湯器として商品化されています。
では、どのような仕組みなのでしょうか?
そこで、今回はコジェネレーションの仕組みや用途などをご紹介します。
家庭用の給湯器以外ではどのような場所で使われているのでしょうか?
答えは、この記事を読めば分かりますよ。
1.コジェネレーションって何?
コジェネレーションとは、ガスや石油などの燃料を使って発電を行いつつそのときに出る排熱で給湯や暖房をするシステムのことです。
「熱併給発電」ともいいます。
従来の発電設備は発電をしたときに出た排熱は、そのまま外部に放出されていました。
ですから、燃料を燃やして得られたエネルギーの約40%しか活用できていなかったのです。
しかし、コジェネレーションでは、得られたエネルギーの約70%~80%まで利用できます。
つまり、エネルギー効率が格段に向上することにより、燃料費が節約や二酸化炭素の削減ができるのです。
2.コジェネレーションの仕組みと種類とは?
では、コジェネレーションはどのような仕組みなのでしょうか?
この項では、その種類とともにご紹介します。
2-1.コジェネレーションの仕組みとは?
コジェネレーションの仕組みを一言で説明すると、燃料で発電をしてその際に発生する熱を給湯や暖房に利用する設備のことです。
発電手段は主にガスエンジン、ガスタービン、燃料電池が使われます。
また、ごくわずかですが石油を燃料としたものもあるのです。
コジェネレーションは業務用と家庭用の2種類があり、大規模な施設で使われるものはガスエンジンやガスタービンが用いられます。
家庭用には使用時の音の静けさを考えて、燃料電池が使われることが多いのです。
ちなみに、家庭用のコジェネレーションは「エネファーム」という商品名で販売されています。
ガス会社が盛んに宣伝をしているので、ご存じの方も多いでしょう。
2-2.コジェネレーションの種類とは?
コジェネレーションには、ガスタービン、ガスエンジン、ディーゼルエンジン、コンパインドサイクルなどの種類があります。
「エンジン」の名前がつくように、実はガスエンジンとディーゼルエンジンは自動車用のエンジンやディーゼル車のエンジンと同じ原理を利用しているのです。
ちなみに、ガスタービンは飛行機のエンジンとして使われています。
コンパインドサイクルはガスタービンと蒸気タービンの複合設備です。
大規模な発電所用の設備なので、主に火力発電所で使われています。
燃料電池は、天然ガスで水素発電をして電気をたくわえ、家庭用の電力として使う仕組みです。
太陽光発電と同じように電気を使うときは燃料電池にたくわえた電気を使うので、電気代の節約になるでしょう。
2-3.コジェネレーションのシステム構成とは?
コジェネレーションは、主にエンジンと余熱タンク、さらに給湯タンクの3つのシステムから成り立っています。
家庭用の電熱式のコジェネレーションの場合は、燃料電池と給湯タンクのふたつの室外機が必要です。
受電設備から発電電力を取ったエンジンはエンジンやタービンを回して発電し、そして出た排熱でお湯を沸かして給湯タンクにたくわえます。
そうすることで、発電と給湯、さらに暖房と3つのことを同時に行えるのです。
3.コジェネレーションのメリット・デメリットとは?
この項では、コジェネレーションのメリット・デメリットをご紹介します。
自宅や所有の設備で発電できれば光熱費の節約になる一方で、問題点もあるのです。
3-1.コジェネレーションのメリットとは?
コジェネレーションを導入すれば、大幅な省エネになります。
特に、電気料金の高い設備や、お湯をたくさん使う設備はコジェネレーションを使えば光熱費がかなり安くなるでしょう。
また、排熱は暖房に使えるだけではありません。
冷凍機を通じれば冷房としても使えるでしょう。
また、発電設備をもともと使っていた施設は、今まで排熱として捨てていた熱が再利用できますから、より環境にとっても優しいです。
さらに、コジェネレーションはガスさえ通じていれば、発電も可能になっています。
災害時、地下を通る天然ガスは電線より破壊されにくいため、電気がダメでもガスは問題ないということも珍しくありません。
ですから、病院や介護施設などライフラインの有無がそのまま人の生死にかかわるような場所では、導入しておけばいざというときも安心でしょう。
そのうえ、停電のときも電気が問題なく使えます。
電線は空中を渡しているところが多いので、台風などでも切れやすいのです。
そのため、大きな台風が毎年のように上陸する場所の設備にも適しています。
3-2.コジェネレーションのデメリット
コジェネレーションは、まだまだ知名度が低い設備です。
家庭用のエネファームはCMのおかげで少しは知名度もアップしました。
しかし、同じようなシステムの太陽光発電の知名度や普及率に比べればずっと低いでしょう。
また、コジェネレーションを導入するには、初期設備と費用がかかります。
特に、発電した電気を各部署に配給するシステムを作るには、一から電気工事をやり直さなければなりません。
新しく設備を作る際にコジェネレーションを導入する場合は問題ないでしょう。
しかし、「今ある設備が老朽化したので、代わりにコジェネレーションを導入しよう」と思うと、大規模な工事になるのです。
これは、一般家庭用のエネファームにも同じことがいえます。
また、給湯設備はたくさん使うけれど、それほど電気は使わないという場合はコジェネレーションのメリットがあまり感じられないこともあるでしょう。
さらに、都市ガスは全国隅々まで引かれているわけではありません。
いまだにプロパンガスを利用しているところも多いのです。
プロパンガスでもコジェネレーションを使えます。
しかし、料金が全国均一の都市ガスと違い、プロパンガスは小売店で料金が違うのです。
コジェネレーションを利用すれば、当然ガス代はアップします。
ですから、電気代が安くなった以上にガス代がかかればメリットはなくなるのです。
さらに、天然ガスも輸入に頼っているので、世界情勢によっては値段が大花場にアップすることもあるでしょう。
4.おわりに
いかがでしたか?
今回はコジェネレーションシステムの仕組みや種類についてご紹介しました。
ご家庭用のエネファームは、ある程度普及しているそうです。
しかし、太陽光発電に比べれば、まだ知名度は低いでしょう。
また、コジェネレーションシステムを導入したいと考えている企業やご家庭は、今までの光熱費と導入費をまずは確認してみてください。
光熱費が高く、お湯や冷暖房をたくさん使うという場合はコジェネレーションを導入してもメリットの方が大きいです。
逆に、光熱費はかかるけれどあまり給湯などは行わないという場合は、メリットをそれほど感じられないかもしれません。
また、コジェネレーションシステムは排熱を利用しますので、熱の制御を行わないのです。
ですから、商業施設など特定の時間帯に冷暖房が集中する場合は、出る熱にも時間差が発生します。
そのため、素に時間帯に排熱をうまく利用できるかどうかも確かめておいた方がよいでしょう。
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