
【徹底解説】主任技術者になりたい方必見!!必要な資格や実務経験とは?
2016/05/29
2022/02/08
主任技術者とは、小規模な元請け工事や下請け工事現場で、工事が適切に行われるように管理や監督を担える資格です。
知名度は決して高くありませんが、建築業界で仕事をしていくうえでは、取得しておいて損はありません。
そこで、今回は主任技術者になるための資格要件や条件、さらに注意事項などをご紹介しましょう。
主任技術者は監理技術者に比べて一段低い見方をされることも少なくありませんが、主任技術者がいなければ多くの工事現場では作業ができません。
また、主任技術者から監理技術者にステップアップする方法もこの記事の中でご紹介していきます。
この記事を読めば主任技術者の役割や選任条件などが分かるでしょう。
主任技術者の資格を取得したい方も、ぜひ読んでみてくださいね。
1.主任技術者の職務や必要とされる職場は?
始めに、主任技術者の職務や必要とされる職場についてご説明します。
よく似た別の資格もありますので、混同しないように気をつけましょう。
1-1.主任技術者の職務とは?
主任技術者とは、建設業法の規定により、外注総額3000万円未満の元請け工事。
もしくは、下請け工事を請け負った業者が直接雇用している技術者の中から工事現場に必ず配置しなければならないものです。
ちなみに、主任技術者自体は資格ではありません。
主任技術者になれる建築関係の資格があり、それを取得した方ならば誰でも主任技術者になれます。
また、電気主任技術者やガス主任技術者といった資格もありますが、工事現場に配置しなければならない主任技術者とは関係ありません。
混同しないようにしてください。
主任技術者の職務は、施工計画の作成や工程管理、品質確保の体制整備、検査や試験の実施、工事に使う資材の品質管理、工事に従事する技術者の指導監督など多岐に分かります。
ですから、一定の実務経験がないと務まらない仕事です。
1-2.主任技術者の職場は?
主任技術者が配置されるのは、外注総額3000万円未満の工事現場です。
ちなみに、建築業法の関係により建築一式工事の場合は4500万円までになります。
この金額の工事は決して高額ではありませんが、その分数がたくさんあるでしょう。
ですから主任技術者を必要としている職場は思っている以上にたくさんあります。
1-3.主任技術者と専任義務について
さて、主任技術者には専任義務があります。
この「専任」とは、元請けや下請けが直接雇用した技術者であるということ。
さらに、ひとつの営業所に勤務していなければなりません。
今は、職場で責任ある立場の人でも派遣社員ということが少なくないでしょう。
しかし、主任技術者が派遣やアルバイトというのは、法律上許されていないのです。
ですから、必ず工事の元請け、下請けを受注した会社の正社員である必要があります。
もう少し具体的に説明すると、社会保険や雇用保険を会社が払っていること。
主任技術者が営業所に通勤できる距離に住んでいることなどが挙げられます。
確かに専任していることを証明するために、社会保険の支払い証明書などを工事に請け負った先に提出することもあるでしょう。
また、主任技術者はごく近くに工事期間が重複し、工事に一体性が認められる等の条件以外の工事現場を兼任することはできません。
どんなに近くでも工事期間がずれていたり、関係のない工事だったりした場合は、主任技術者がふたり必要です。
1-4.主任技術者の求人と年収について
主任技術者は、前述したように資格ではありません。
ですから、「主任技術者の有資格者募集」といった求人が来ることはないでしょう。
しかし、主任技術者になれる資格の保持者は、一般建設業の営業専任技術者にも任命することができます。
原則的に主任技術者と営業専任技術者を兼任することはできません。
しかし、有資格者を求めている建築会社は少なくないのです。
また、年収は取得している資格によって微妙に変わりますが、400万円~600万円ほどになります。
転職にも有利に働くでしょう。
2.主任技術者とよく似た資格は?
この項では、主任技術者とよく似た役割を担う職務や、より上位に位置する監理技術者との違いをご紹介します。
どのような違いがあるのでしょうか?
2-1.専任技術者
専任技術者(営業専任技術者)というのは、建築業者が新しい営業所を開設するときに、必ず専任しなければならない直接雇用の技術者のことです。
資格ではありませんが、任命するには、一定の資格が必要になります。
専任技術者になれる資格は、主任技術者や監理技術者になれるものでもあるのです。
しかし、専任技術者と主任技術者、監理技術者を兼ねることはできません。
専任技術者は基本的に営業所内に勤務し、営業所が請け負ってきた建設工事について請け負い契約の適正な締結をしてその履行を確保することが職務です。
そのため、現場に出ることはほぼありません。
2-2.監理技術者
監理技術者とは、消費税を含む外注総額3000万円以上(建築一式工事の場合は4500万円以上)の工事を元請け。
もしくは、下請けで請け負ったときに現場に専任が必要になる技術者です。
主任技術者の上位の資格と考えてよいでしょう。
監理技術者になるためには一定の資格を取得し、さらに実務経験を積んだうえで講習を受講しなくてはなりません。
監理技術者は、独立した「資格」なのです。
また、特定建設業許可を得た営業所を開設した場合は監理技術者の専任が必要になります。
建築関係のホームページや書籍などで、「規模の小さい工事は主任技術者の専任、規模の大きな工事は監理技術者の専任が必要」という記述を見たことがある方もいるでしょう。
つまり、規模の大小は請け負い金額の総額できまるのですね。
ちなみに、一般住宅以外の工事のほとんどが外注総額3000万円以上になります。
ですから、監理技術者になった方がより多くの工事現場に監督者として専任することができるのです。
しかし、監理技術者になるには主任技術者よりも高度な資格と、長い経験が必要になります。
そのため、20代~30代ではなかなか取得が難しいでしょう。
そのため、まずは主任技術者になって経験を積んで、監理技術者になる人も少なくありません。
監理技術者は50代~60代でも十分に取得できます。
3.主任技術者になるための条件とは?
この項では、主任技術者になるために必要な資格や実務経験などの期間をご紹介しましょう。
ぜひ把握しておいてください。
3-1.資格について
主任技術者になるためには、1級、もしくは2級の国家資格が必要です。
建築関係ですと、建築士、建築施工管理技士、電気工事施工管理技士などになります。す
べて1級と2級がありますが、どちらでもかまいません。
これ以外にも関連分野の技術士、もしくは技能者の資格が該当します。
なお、電気主任技術者やガス主任技術者は、「主任技術者」という名前こそついていますが、工事現場での主任技術者にはなれません。
混同しないように気をつけましょう。
3-2.資格取得のための条件とは?
施工管理技士、技術士、技能士は、誰でも挑戦できる資格ではありません。
一定の資格を取得したうえで実務経験が必要な場合がほとんどです。
つまり、施工管理技士になるためにも時間が必要になります。学生では取得できませんので注意しましょう。
詳しくは、建設業振興基金のホームページを確認してください。
3-3.実務経験
通常の大学や高校、専門学校を卒業したうえで10年以上の実務経験。
建築関係の指定学科を修了し、高校ならば5年、大学ならば3年の実務経験があれば主任技術者になれます。
ですから、最短でも主任技術者になれるのは20代後半~30代前半ということになるでしょう。
4.主任技術者になるための資格を取得する方法は?
この項では、主任技術者になるために必要な資格を取得する勉強方法やコツをご紹介します。
参考にできることはぜひ参考にしてください。
4-1.施工管理技士とは?
主任技師になるために最も確実な資格は、各種施工管理技士です。
難易度は普通で、1級と2級があります。
1級の合格率は30%前後。2級の合格率は35%前後ですから、決して簡単な資格ではありません。
しかし、2級の場合は1日で試験が終わり、実務経験も1級よりも短くて済みます。
一刻も早く主任技術者になりたいという場合は、各種2級施工管理技士の資格を目指してみましょう。
4-2.勉強の方法は?
施工管理技士の試験は、受験する方が限られています。
ですから、予備校などはありません。
独学か、通信教材が主な勉強方法になるのです。
独学の場合は書店やインターネット通販で参考書と過去問題集を買ってきてくりかえし解きましょう。
実務経験があれば、ちんぷんかんぷんということはないはずです。
しかし、分からないことはインターネットで検索したりして必ず理解するようにしておいてください。
一方、通信教材の方は模擬試験を郵送すると、添削して返してくれます。
さらに、メールで分からないことを質問できるのです。
通信教材の購入費用は参考書よりもだいぶ高価ですが、添削をしてくれて質問もできる、ということを考えればそれほど高価ではありません。どちらを選ぶかは個人の自由ですが、一度で合格したい方や独学で一度チャレンジして失敗したという方は、通信教材の方がお勧めです。
4-3.隙間時間を活用しよう
施工管理技士の資格試験を受ける方のほとんどが、社会人として働きながら勉強をすることになります。
学生時代のころのようにまとまった時間を勉強に充てることはできません。
つい、週末にまとめて勉強しようと思ってしまう方もいるでしょう。
しかし、勉強時間が週末だけですと、1日のほとんどの時間を勉強に充てないと範囲が終わりません。
そして、人の集中力はそれほど長く持たないでしょう。
つまり、試験日までに範囲が終わらない可能性が高いのです。
ヤマカンをかけて突破できるほど施工管理技士の試験は甘くありません。
そこで、隙間時間を利用しましょう。通勤時間や昼休みの時間、さらに寝る前のいっときなど、10分、20分の時間を勉強に充てるのです。
いくら忙しくても10分~20分くらいの時間は取れるはず。
また、このくらいの時間なら集中力も続くでしょう。
10分~20分もあれば参考書も数ページ読めますし、過去問も1題くらいは解けます。
そうやってコツコツ勉強していきましょう。
最低でも半年は参考書を読んで過去問を解く、と繰り返してください。
5.主任技術者に関するよくある質問
Q.主任技術者は試験も講習もないの?
A.ありません。条件を満たしていれば誰でもなれます。
ですから、施工管理技士になると主任技術者になれる、というふうに書いてある参考書も多いのです。
Q.主任技術者と工事主任は違うもの?
A.全く違います。工事主任はあくまでも責任者であり、技術者の監督や品質の管理などはできないのです。
Q.実務経験はアルバイトを入れても大丈夫?
A.雇用形態は問われませんので大丈夫ですが、あまりにも簡易的な仕事(工事車両の出入りの際、事故防止のための誘導)などは、実務経験に入りません。
Q.主任技術者は正社員でなくてはならないの?
A.法律で選任が義務づけられています。ですから、正社員が一番望ましいのです。
Q.名義を貸してほしいって言われたけれど大丈夫?
A ダメです。名義貸しは法律違反になるので罪に問われます。
まとめ
いかがでしたか?今回は主任技術者になるための方法についていろいろとご紹介しました。
実務経験を積んだり資格を取得したりすればなれますが、専任されて損なことはありません。
ぜひ目指してみましょう。
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