
ボイラー技士の実技講習を知りたい人へ!資格合格を確実にするには?
2017/02/01
2021/04/07
ボイラー技士の資格取得には、実技講習を修了することが必要不可欠です。国家試験に合格しただけでは、免状を受け取ることはできません。今回は、ボイラー技士の実技講習について知りたい人のために、詳しく解説することにしましょう。また、ボイラー技士の職務や資格試験の詳細・免許に関する内容も触れていきます。資格取得を目指している人には、必見の内容です。
記事を読んだ人は、ボイラー技士の実技講習に関して詳しい知識を身に付けることができます。また、ボイラー技士試験の概要や注意点なども理解できるので資格取得に向けての準備がはかどることでしょう。ボイラー技士資格を確実に取得するためにも、ぜひ記事を参考にしてください。
1.ボイラー技士について
まずは、ボイラー技士の基本を学びましょう。ここでは、種類や職務を詳しく解説します。
1-1.ボイラー技士の種類を確認しよう
ボイラー技士は、4種類の区分があります。それぞれについて、内容を理解してください。
1-1-1.特級ボイラー技士について
特級ボイラー技士は、ボイラー技士の最上位資格です。すべての規模のボイラー取扱作業主任者となることができるため、企業で重要なポジションを与えられることが多くなります。また、職業訓練指導員 (ボイラー科)の受験資格と一部学科と実技試験の免除を受けることも可能です。
1-1-2.一級ボイラー技士について
一級ボイラー技士は、伝熱面積の合計が500平方メーター未満のボイラー取扱作業主任者となることが可能です。また、職業訓練指導員 (ボイラー科)の受験資格を得ることができます。
1-1-3.二級ボイラー技士について
二級ボイラー技士は、伝熱面積の合計が25平方メーター未満のボイラー取扱作業主任者となることができます。ボイラー技士の中でも初級となるため、まずは二級の取得を目指すことが基本です。なお、二級に関しては受験資格はありません。
1-1-4.ボイラー取扱講習終了者について
ボイラー技士資格を所持していなくても、ボイラー取扱講習を受講した場合は、小規模ボイラーに限り作業責任者となったり取り扱ったりすることが可能です。ボイラー取扱講習に関しては、一般財団法人日本ボイラ協会をはじめとする登録講習機関で受講ができます。
1-2.ボイラー技士の職務を確認しよう
ボイラー技士の職務に就いて、種類別に解説します。それぞれの内容を理解してくださいね。
1-2-1.特級ボイラー技士の職務
特級ボイラー技士は、ボイラー技士の最上級資格として次のような職務があります。大規模なボイラー設備の運用・管理・点検が主な職務です。また、一級ボイラー技士・二級ボイラー技士を含むボイラー取扱者の教育や指導も入ります。
1-2-2.一級ボイラー技士の職務
一級ボイラー技士の職務は、特級ボイラー技士の内容と基本的に変わりません。取り扱い範囲内のボイラーの運用・管理・点検の各業務が職務となります。また、二級ボイラー技士の指導も職務のひとつです。
1-2-3.二級ボイラー技士の職務
二級ボイラー技士の職務は、取り扱い範囲内のボイラーの運用・管理・点検です。また、上級ボイラー技士の指示や指導を受けることもあります。二級はボイラー技士としては下位資格となりますが、ボイラーの取り扱いに関する責任は同様です。
1-2-4.ボイラー技士取扱講習終了者の職務
ボイラー技士取扱講習終了者は、小規模ボイラーの運用・管理・点検作業が主な職務となります。ボイラー技士としての免許は持っていなくても、小型ボイラーに関しては責任を持って職務に当たることが重要です。小型とはいえ、ボイラーは取り扱いを間違えると重大な事故につながるので注意しましょう。
2.ボイラー技士の実技講習について
では、ボイラー技士の実技講習について解説します。概要や内容を理解しておくことが大切です。
2-1.ボイラー技士の実技講習とは
二級ボイラー技士の免許を受けようとする人で、実務経験が無い人のために開催する講習です。二級ボイラー技士試験自体は、実務経験が無い状態でも試験を受けることができます。ただし、免許の交付は規定の講習を受ける義務があるのです。なお、試験に合格してから講習を受けることも、講習を受けてから資格試験にチャレンジすることも可能となります。なお、実技講習を受けただけの状態ではボイラーを扱うことはできません。
2-2.ボイラー技士の実技講習の概要
- 申し込み方法:窓口・郵送・FAXのいずれかで申し込む
- 講習日程:平日の連続した3日間(学科2日間・実技1日間)
- 実施場所:47都道府県の指定会場
- 参加費用:都道府県によって異なる(東京都の場合21,600円)
なお、講習の実施場所などより詳しいことに関しては下記をご覧ください。
2-3.ボイラー技士の実技講習の内容について
実技講習はすべて座学で、下記のような内容で行います。
- 点火(1時間)
- 燃焼の調整(7時間)
- 附属設備および附属品の取り扱い(6時間)
- 水処理および吹き出し(1時間)
- 点検および異常時の処理(5時間)
なお、講習後の筆記試験などはありません。講習終了後は、「ボイラー実技講習修了証」を受領(じゅりょう)することができます。二級ボイラー技士の免許の交付を受けるときに必要ですから大切に保管しましょう。
2-4.ボイラー技士の実技講習の申し込み先について
ボイラー技士の実技講習を受けたい場合は、各都道府県の一般社団法人日本ボイラ協会支部に申し込んでください。実技講習の実施日程などは各支部によって異なるので注意しましょう。なお、各都道府県支部の連絡先に関しては下記を参考にしてください。
3.ボイラー技士の資格取得について
ボイラー技士の資格取得について、理解しましょう。資格取得のためには、国家試験に合格する必要があります。また、難易度や合格率・注意点に関しても解説しましょう。
3-1.ボイラー技士の受験資格を確認しよう
ボイラー技士試験の受験資格について、種類ごとに確認しておきましょう。
3-1-1.二級ボイラー技士の受験資格
二級ボイラー技士には受験資格が無いため、誰でも受験できます。また、年齢制限もありませんから子どもでもチャレンジができるのです。ただし、免許の交付を受けるには、規定の実技講習を別途受講する必要があるので覚えておきましょう。
3-1-2.一級ボイラー技士の受験資格
一級ボイラー技士を受けようとする人は、以下のような受験資格が必要です。
- 二級ボイラー免許取得者
- 大学などでボイラーに関する学科を修了した者でかつ1年以上の実地研修を受けた者
- エネルギー管理士(熱)の免許取得者でかつ1年以上の実地研修受けた者
- 海技士(機関1・2・3級)の免許取得者
このほかについては、下記を参考にしてください。
3-1-3.特級ボイラー技士の受験資格
特級ボイラー技士の受験資格は、主に以下となります。
- 一級ボイラー技士の免許取得者
- 大学などでボイラーに関する学科を修了した者でかつ2年以上の実地研修を受けた者
- エネルギー管理士(熱)の免許取得者でかつ2年以上の実地研修受けた者
- 海技士(機関1・二級)の免許取得者
より詳しいことは、下記をご覧ください。
3-2.ボイラー技士の試験概要について
- 試験日時:特級は1年1回10月、一級は2か月に1回程度、二級は毎月実施
- 試験場所:全国7か所の安全衛生技術センター
- 受験料:種類にかかわらず6,800円
- 申し込み方法:各安全衛生技術センターに郵送もしくは窓口持参
- そのほかの注意点:専用の「免許試験受験申請書」を窓口もしくは郵送で取り寄せること
受験する種類の試験概要をきちんと確認して、申込期間内に忘れずに手続きしましょう。
3-3.ボイラー技士の試験内容について
- 試験科目:4科目(ボイラーの構造に関する知識・ボイラーの取り扱いに関する知識・燃料および燃焼に関する知識・関係法令)で特級は各6問、一級と二級は各10問
- 試験時間:一級と特級が合計で4時間・二級が合計で3時間
- 実地試験:無し
なお、ボイラー技士の種類によって各科目の難易度は異なります。
3-4.ボイラー技士試験の難易度や合格率
ボイラー技士試験の合格率は、特級が約23%・一級が約55%・二級が約58%となっています。特級は最上位資格であることからも、難易度が高くなることは明らかです。まずは、難易度が最も低い二級を受けて実務経験を積み、最終的に特級の取得を目指すことをおすすめします。
3-5.ボイラー技士の資格取得に関する注意点
現在の職場で資格を生かそうと考えている場合は、取り扱いを予定しているボイラーの種類や性能を確認しておきましょう。現在は二級ボイラー技士の取得を考えていても、一級や特級を目指した方がいい場合もあります。また、二級を取得した人が一級や特級の取得を目指すことは、職務範囲を広げることになり昇給や昇格などに有利になるので積極的に考えましょう。
4.ボイラー技士免許について
ボイラー技士免許の交付について、交付資格や方法など詳しく解説します。免許を正しく受けるためにしっかり学びましょう。
4-1.ボイラー技士免許の交付について
- 申請に必要な書類:免許申請書・免許証送付用封筒・写真・免許試験合格通知書・実務経験従事証明書
- 交付料金:1,500円
- 申し込み方法:東京労働局免許証発行センター宛てに郵送で申請
ボイラー技士免許の交付に関しては、下記も参考にしてください。
4-2.ボイラー技士免許の交付資格や科目免除について
ボイラー技士免許の交付資格は、資格試験に合格していることと規定の実務経験などがあることの両方が必要です。試験に合格しているだけの状態や、実務経験の条件を満たしているだけの状態では免許を受けることはできません。なお、試験を受けて不合格になった場合でも、科目合格制度を利用することで科目免除で試験を受けることができるので、覚えておきましょう。
4-3.実務経験従事証明書とは
一級ボイラー技士および特級ボイラー技士の免許の交付には、実務経験従事証明書が必要となります。現在の勤務先もしくは以前の勤務先に、記入を依頼してください。なお、実務経験従事証明書のフォーマットについては、下記からもダウンロードが可能です。
4-4.ボイラー技士免許の更新について
- 更新頻度(ひんど):本拠地や氏名に変更があったとき
- 更新料金:1,500円
- 更新方法:居住地の都道府県労働局に郵送もしくは持参する
- 更新に必要な書類:免許申請書・免許証送付用封筒・写真・免許証
免許の更新は、本拠地や氏名に変更が無ければ基本的に行う義務はありません。なお、更新する場合は、免許証送付用封筒に392円分の切手を貼ることを忘れないでください。
4-5.ボイラー技士免許に関する注意点
ボイラー技士免許は、満18歳以上であることが条件となります。そのため、満18歳に満たない場合は、18歳の誕生日を過ぎてから免許申請してください。そのほか、法律の変更があるとボイラー技士免許の形式が変わることもあります。特に更新の必要が無い場合でも、こまめに情報をチェックしておきましょう。
5.ボイラー技士の実技講習や資格取得でよくある質問
では、ボイラー技士の実技講習や資格取得でよくある質問に回答します。それぞれが役に立つ内容ですから確認しておきましょう。
5-1.ボイラー技士資格を取得するとどんな職場で働くことができますか?
ボイラー技士が活躍できる主な職場に関しては、下記を参考にしてください。ボイラーを取り扱っている職場は、たくさんあるものです。
- ビル管理会社
- 病院
- 工場
- 温泉施設
- 宿泊施設
なお、上級資格を取得することによって取り扱うボイラーの範囲が広がるため、大企業が求める人材としてマッチしやすくなります。
5-2.ボイラー技士資格は必ず二級から取得するべきですか?
一級や特級の受験資格は、複数の指定があります。二級取得者以外でも、受験資格がある場合は、一級や特級を受けても構いません。ただし、二級を受けることは一級や特級を受ける前の腕試しとしても意味があるものです。マークシート方式の試験に慣れておくことも、確実に合格するためのコツだと考えましょう。また、二級を取得することが自信にもつながるのでメリットはありますよ。
5-3.ボイラー技士の実技講習は居住地以外の都道府県でも受講できますか?
ボイラー技士の実技講習は、必ずしも居住地の都道府県で受ける必要はありません。日程や条件によっては、ほかの都道府県で受けることも検討してください。受講当日は、開始時刻に遅れることが無いように余裕を見て出掛けましょう。なお、実技講習は3日間となります。平日の開催となるため、必要に応じて宿泊先の手配なども忘れないようにしてください。
5-4.ボイラー技士の実技講習は人数制限があるのですか?
ボイラー技士の実技講習は、各講座とも定員があります。申し込みが遅くなると、希望の日程や地域での受講が不可となるので気を付けましょう。居住地もしくは受講を希望する地域の開催日程を早めに調べて、速やかに申し込んでください。
5-5.ボイラー技士の資格取得のためにおすすめの勉強法は?
ボイラー技士資格の取得を本気で目指しているのなら、資格試験合格に向けた勉強法を実行するべきです。たとえば、過去問をたくさん解いて試験の傾向をつかむことも大切でしょう。また、市販のテキストやDVD教材などを利用すると効率よく学習することができます。すき間時間や休日を利用して、計画的に学習しましょう。
まとめ
今回は、設備系の資格として人気の高いボイラー技士の資格や実技講習について詳しく解説しました。ボイラー技士の資格保持者は、ビル管理会社をはじめ多くの企業で引く手あまたとなり、就職や転職などに有利です。また、中高年者の再就職にも役立つことから長く働きたい人にも向いている資格と言えます。特に、二級ボイラー技士は未経験者でも受験可能なことから人気ですが、免許の交付を受けるにはボイラー実技講習の受講が必要です。記事で解説したとおり、資格試験の合格とともにボイラー実技講習の受講も忘れないでくださいね。
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