
ボイラー技士の将来性は? 求人需要や転職で有利になる理由を解説!
2018/10/26
「転職に備えたい」「昇給や昇進のきっかけにしたい」などの理由で資格取得を目指す人は多いことでしょう。社会人にも人気がある資格の1つにボイラー技士があります。その一方で、ボイラーを備えた施設は年々少なくなっているのです。では、ボイラー技士の将来性はあるのでしょうか?
今回は、ボイラー技士を取得するメリットや必要としている職場、将来性などを紹介します。
この記事を読めば、ボイラー技士の資格取得方法もよく分かるでしょう。ボイラー技士の資格を取得したいと考えている人は、ぜひ読んでみてくださいね。
1.ボイラー技士の基礎知識
はじめに、ボイラー技士の資格区分や有資格者ができる仕事などを紹介します。
1-1.ボイラー技士はボイラーの操作や整備を行える資格
ボイラー技士は、ボイラーの操作・点検・管理・調整・検査などを行うことができる国家資格です。空調や温水ボイラーの操作や点検・管理は有資格者しか行うことはできません。そのため、ボイラー設備を備えている施設は、ボイラー技士の選任が必要です。
1-2.ボイラー技士の資格区分
ボイラー技士の資格区分は、特級・一級・二級の3種類です。どの資格区分を取得しても、すべてのボイラーを取り扱うことができます。ただし、取扱者を統括する取扱作業主任者になることができるボイラーの規模に以下のような違いがあるので、覚えておきましょう。
- 二級: 伝熱面積の合計が25㎡未満のボイラー
- 一級:伝熱面積の合計が500㎡未満のボイラー。ただし、貫流ボイラーのみを取り扱う場合において、その伝熱面積の合計が500㎡以上のときを含む
- 特級:すべてのボイラーの取扱作業主任者に選任可能
なお、一定以上の規模のボイラーを設置している施設は、ボイラー取扱作業主任者の選任が義務づけられています。ですから、上位の資格を取得するほど、仕事の幅が広がるでしょう。
1-3.ボイラー技士を求めている職場
ボイラー技士は、ボイラーを設置している施設すべてで需要があります。ですから、ボイラー技士の求人は常に一定数あると考えていいでしょう。また、ボイラーは冷暖房や給湯だけでなく、動力や発電にも使われているので、大規模なボイラーを取り扱えるほど転職には有利です。
1-4.ボイラー技士を取得するメリット
前述したように、空調や温水ボイラーを設置している施設はボイラー技士の選任が必要です。ですから、転職の際の武器にもなります。また、資格を活用して就職した場合、資格手当として数千円~1万円前後を支給する会社も多いでしょう。
なお、ボイラー技士の給与の平均は420万円前後です。これはすべての資格区分の平均であり、特級ボイラー技士の資格を活用して働く場合、600万円前後の職場もあるでしょう。
2.ボイラー技士の将来性
この項では、ボイラー技士の現状や将来性を解説します。
2-1.小型のボイラーは減少傾向にある
現在、小型のボイラーは温水ヒーターや操作に資格がいらない貫流ボイラーに取って代わられています。そのため、二級ボイラー技士を取得しても、活用できる場所も減少傾向です。
2-2.大型ボイラーを扱える上位資格者は将来性がある
その一方で、大型ボイラーに代わるものはまだありません。そのため、大規模なボイラーを設置している施設で取扱作業主任者の選任を受けられる一級・特級の需要は減っておらず、将来性があると言えるでしょう。
ですから、ボイラー技士を取得するならば、ぜひ一級や特級を目標にしてください。そうすれば、求人に困ることも少なく、転職の際も条件のよい会社を選ぶことができるでしょう。
3.ボイラー技士の資格取得方法
この項では、ボイラー技士を取得する方法や試験内容、合格に必要な知識を身につける勉強方法を紹介します。
3-1.ボイラー技士は資格試験に合格して取得する
ボイラー技士の資格を取得するには、安全衛生技術試験協会が主催するボイラー技士試験を受験し、合格する必要があります。資格区分の中で、二級だけは受験資格が定められていません。学歴・性別・職歴に関係なく受験できます。
ただし、免許を交付してもらうには、ボイラー運転に関する規定の普通職業訓練を修了しなければなりません。訓練は試験に合格した後でも受けることができます。また、18歳未満は試験を受けることはできても免許の交付が受けられません。特級と一級は、以下のような受験の条件があります。
- 一級:二級ボイラー技士を取得後、2年以上の取り扱い経験か1年以上ボイラー取扱作業主任者の経験など
- 特級:一級ボイラー技士を取得後、年以上の取り扱い経験か3年以上のボイラー取扱作業主任者の経験など
詳しい受験資格の条件は、協会のサイトを参照してください。
3-2.ボイラー技士の試験は学科試験
ボイラー技士の試験は、以下のような4科目の学科試験です。
- ボイラーの構造に関する知識
- ボイラーの取扱いに関する知識
- 燃料・燃焼に関する知識
- 関係法令
科目数や科目内容は全資格区分共通ですが、試験時間が全科目合計で二級は3時間、特級・一級は4時間になります。各科目で40%以上得点し、全体で60%以上の得点率で合格ですが、1科目でも40%以下の得点だと不合格になるので注意してください。ちなみに、特級に限り科目合格があり、2年間で全科目を合格すれば合格になります。
3-3.試験日や申し込み方法
ボイラー技士の試験は、二級が毎月、一級が2か月に1度の割合で行われます。国家試験の中では試験回数が多いものです。一方、特級は毎年10月に1度行われるだけなので、受験を考えている人は日程をあけておきましょう。試験は、全国の安全衛生技術センターで行われます。なお、二級と一級は年に1度全国で出張試験が行われるので、それを利用してもいいでしょう。センターの場所や試験の日程については、安全衛生技術試験協会のサイトを参照してください。
申し込み方法は、安全衛生技術試験協会や各センターから願書を入手し、必要事項を記入した後で受験を希望する安全衛生技術センターへ郵送しましょう。電子申請は行っていません。受験料はすべての試験区分で6,800円です。
4.ボイラー技士に関するよくある質問
この項では、ボイラー技士に関するよくある質問を紹介します。
Q.ボイラー技士の実務経験は、アルバイトなどでは積むことはできませんか?
A.はい。アルバイト扱いでボイラー技士を雇用するところは少ないでしょう。
Q.ボイラー技士の試験は年に何度も受けることができますか?
A.はい。年に何度受けてもかまいません。
Q.ボイラー技士は、高校生のうちに受験し、18歳になったら講習を受けて免許を取得することは可能ですか?
A.はい。大丈夫です。
Q.ボイラー技士は2級を取得しても、これからは転職に役立たないのでしょうか?
A.そんなことはありません。資格を取得すればボイラー技士として働くことができます。実務経験を積めば上位の資格区分の受験資格も得らることも可能です。ぜひ、機会あれば取得しましょう。
Q.ボイラー技士は、ボイラーの設備がある施設で1人しか働けないのでしょうか?
A.いいえ。大きなボイラーがあるところでは、複数のボイラー技士が働いていることもあります。
まとめ
今回は、ボイラー技士の将来性について解説しました。小型ボイラーを備えた施設は減少傾向にありますが、大型ボイラーを備えている施設は、まだボイラー技士の需要はたくさんあります。ボイラー技士の資格を取得するならば、ぜひ二級・一級・特級とステップアップできるように頑張りましょう。
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