
ボイラー技士は就職に強い! 仕事内容の理解で資格試験突破!
2016/12/20
ボイラー技士は、一生仕事に困らない資格として高い人気を誇っています。ボイラーを扱うためには、国家資格であるボイラー技士の資格が必要であるため誰にでもできる仕事ではないからです。では、実際に就職市場で資格保持者がどのように有利になっているのでしょうか。また、就職後の給与や手当てなども気になりますよね。
そこで、今回は、ボイラー技士の仕事内容・就職状況などだけでなく、資格取得に有益な情報を満載でご紹介しましょう。手に職を付けて長く働きたい人には、特に必見の内容ですよ。
記事を読んだ皆さんは、ボイラー技士の就職状況について深く理解できることでしょう。また、自分が目指すべきボイラー技士の種類もわかるようになります。ひとたび資格を身に付けると、転職や再就職にも有利です。まずは、記事をじっくり読んでみてください。皆さんにとって必要な情報が必ず書いてありますよ。
1.ボイラー技士の就職について
まずは、ボイラー技士の就職状況について解説します。主な就職先・求人率・手当てや年収・勤務形態について学んでください。
1-1.ボイラー技士の主な就職先
ボイラー技士の主な就職先としては、以下を参考にしてください。
- 特級ボイラー技士:大規模工場・プラント建設会社・職業訓練校などを含む幅広い業種
- 一級ボイラー技士:中規模以上の工場・プラント建設会社・職業訓練校などを含む二級ボイラー技士より広範囲の業種
- 二級ボイラー技士:ビル管理会社・ビル設備会社・建設会社・ホテル・病院・温泉施設・工場など
ボイラー技士は、資格の種類によって扱うことができるボイラーの性能に差があります。従って、上位資格である特級を持っている人の方がさまざまな就職先を選びやすいのも事実なのです。
1-2.ボイラー技士の求人率
ボイラー技士の求人率は、常に安定しています。地域によっては、求人数が求職者数の何倍にもなっていることも多いです。ボイラー技士は専門技術として高い評価を受けていることや必要としている職場が多いため、就職難ということはありません。ただし、年収や休日などの条件がいい職場は求職者の間で争奪戦となります。常に求人票をチェックして、採用情報を見逃すことが無いように注意してください。
1-3.ボイラー技士の手当てについて
ボイラー技士として就職した場合、企業によっては毎月数千円程度の資格手当てが出ることがあります。毎月数千円であっても、長く勤務するほどに大きな差となるので求人情報を見るときには必ずチェックしておきましょう。なお、資格手当てに関しては支給しない企業も多いです。資格手当ての支給が無い場合は、基本給などほかの条件で判断してください。
1-4.ボイラー技士の年収はどのくらい?
ボイラー技士は、年収300万円から400万円台が多くなります。ただし、大企業などで管理職に就くと年収が600万円以上になることも夢ではありません。ボイラー技士の年収は、企業によって大きく設定が異なるため、できるだけ条件のいい求人をみつけることが大切なのです。なお、二級ボイラー技士が一級を取得するなどで社内評価を上げたり転職をしたりすることで年収を引き上げることも可能となりますよ。
1-5.ボイラー技士の勤務形態について
ボイラー技士の勤務形態は、フルタイムとして働くことが多いです。また、ボイラーを24時間稼働している企業では交代制で勤務することもあります。詳しくは、就職したい企業の採用情報を確認してください。ただし、残業や休日出勤は多くありません。超過勤務の心配はありませんから、安心してください。
2.ボイラー技士の仕事内容を学ぼう
ここでは、ボイラー技士の仕事内容について学びましょう。試験対策の基本となるだけでなく、実際に仕事に就いたときに役に立ちますよ。
2-1.ボイラーとは
ボイラーとは、容器に入れた水もしくは油などの熱媒(ねつばい)を加熱することで蒸気や温水を供給する設備のことです。加熱には石油や石炭・燃焼ガス類などのほかにも電気を使うこともあります。ボイラーがあるおかげで、工場では蒸気や温水を蒸留・加熱・滅菌などに利用したり温水供給を行ったりすることができるのです。身近なところでは、お風呂の給湯設備もボイラーの仕組みを持っていると考えてください。
2-2.ボイラーを扱うこと全般が仕事内容
ボイラー技士は、ボイラーを扱うことに対してすべてが仕事内容となります。ボイラーの運用だけでなく、管理やメンテナンスに至るまで責任を持って行うのがボイラー技士の務めです。仕事中は、常に気を配って安全の確保をする必要があります。そのため、ボイラーに関する深い知識が必要になるのです。国家試験を受けて合格する必要があるのも、ボイラー業務を適切かつ安全に進めるためと覚えておいてください。
2-3.取り扱い可能なボイラーの大きさや種類の違いを学ぼう
ボイラー技士の種類ごとに、取り扱い可能なボイラーの大きさや種類の違いを学ぶことにします。上位の資格になればなるほど、取り扱い範囲が広がることを学びましょう。
- 特級ボイラー技士:すべての規模のボイラー取り扱うことが可能
- 一級ボイラー技士:伝熱面積の合計が500平方メーター未満のボイラーの取り扱いが可能
- 二級級ボイラー技士:伝熱面積の合計が25平方メーター未満のボイラーの取り扱いが可能
- ボイラー取り扱い技能講習修了者:小規模ボイラーの取り扱いが可能
企業や工場の規模によっては、より大型のボイラーを扱う必要があります。ボイラー技士の種類によっては取り扱いができないこともあるので、注意してください。
2-4.ボイラー技士の仕事内容
ボイラー技士の仕事内容は、ボイラーの監視・調整・点検などが主になります。ボイラーに問題が発生することは、企業にとって大きなダメージとなることが多いです。正常な運用を維持することは、企業利益を生みだすためにも重要な意味を持ちます。決して簡単な仕事内容だと考えてはいけませんよ。
2-5.ボイラー技士の職場について
ボイラー技士の職場は、ボイラー設備があるところすべてです。しかし、職場によってボイラー技士に求めている仕事の範囲が異なります。どんな仕事を実際にすることになるのか、調べてから採用試験を受けることが大切です。職場によっては、二級ボイラー技士の資格だけで十分なこともあったり、特級ボイラー技士の難易度を求めたりすることもあります。実際に就職してからのミスマッチを防ぐためにも、事前調査はきちんと行いましょう。
3.ボイラー技士の資格取得について
ボイラー技士の資格取得について、具体的にご紹介します。受験資格や試験概要など、視資格取得のために知っておくべき情報を理解しておきましょう。
3-1.ボイラー技士の受験資格は?
ボイラー技士の受験資格は種類によっても異なります。それぞれ解説しましょう。
3-1-1.特級ボイラー技士の受験資格
- 一級ボイラー技士免許を取得している者
- 大学などでボイラーに関する学課を修了し2年以上の実地研修を受けた者
- エネルギー管理士(熱)の免許保持者で2年以上の実地研修を受けた者
- 海技士(機関1・2級)免許を受けた者
- ボイラー・タービン主任技術者(1種または2種)の免許保持者で伝熱面積の合計が500平方メーター以上のボイラーを取り扱った経験がある者
ボイラー技士資格で最上級となるため、受験資格も比較的厳しくなります。しかし、受験資格がある人にとっては取得しがいがあると言えるでしょう。
3-1-2.一級ボイラー技士の受験資格
- 二級ボイラー免許を取得している者
- 大学などでボイラーに関する学課を修了し1年以上の実地研修を受けた者
- エネルギー管理士(熱)の免許保持者で1年以上の実地研修を受けた者
- 海技士(機関1・2・3級)の免許を受けた者
- ボイラー・タービン主任技術者(1種または2種)の免許保持者で伝熱面積の合計が25平方メーター以上のボイラーを取り扱った経験がある者
- 汽関係員試験に合格した者でかつ伝熱面積の合計が25平方メーター以上のボイラーを取り扱った経験がある者
一級を受験するときは、自分が上記受験資格のいずれかに当てはまることを確認しておきましょう。受験資格が無い場合は、二級ボイラー技士の資格取得から考えてください。
3-1-3.二級ボイラー技士の受験資格
二級ボイラー技士の受験資格は、特にありません。そのため、希望する人は誰でも受けることが可能です。ただし、実務経験が無い場合は、相応の準備が必要となります。未経験でも合格を目指すためには、しっかりと受験対策を行ってください。なお、実務経験が無い人のために、試験合格後に免許交付のための講習を受ける必要があるので覚えておきましょう。
3-2.ボイラー技士の試験概要について
- 試験日時:特級・年に1回、一級・年に7回程度二級・月に1回程度の開催頻度(ひんど)
- 試験場所:各地の安全衛生技術センター(北海道・東北・関東・中部・近畿・中国四国・九州)
- 受験料:6,800円(全種類共通)
- 申し込み方法:希望地の安全衛生技術センターに郵送するか持参する
- そのほかの注意点:申し込みは指定の書式を使用すること
なお、より詳しい内容に関しては下記もご覧ください。
公益財団法人安全衛生技術試験協会の受験申請から資格の取得まで紹介ページ
3-3.ボイラー技士の試験内容
- 試験科目:ボイラーの構造に関する知識・ボイラーの取り扱いに関する知識・燃料および燃焼に関する知識・関係法令
- 試験時間:特級・各科目1時間で合計4時間、一級・午前午後で合計4時間、二級・4科目で合計3時間
- 実地試験について:なし
国家試験では、実地試験はなく筆記試験だけとなります。試験対策として、自分が受験する種類の難易度に合わせて効率的な学習を行いましょう。
3-4.ボイラー技士の難易度や合格率
- 特級ボイラー技士:約20%から30%
- 一級ボイラー技士:約50%から60%
- 二級ボイラー技士:約50%から60%
最上級の資格であるため、特級ボイラー技士の難易度が最も高くなるのも納得です。しかし、実務経験を重ねたり勉強を続けたりすることで取得は十分に可能となります。
3-5.ボイラー技士の試験に関する注意点
ボイラー技士試験は、3時間から4時間のハードな筆記試験となります。試験時間中の集中力を維持するためには、日ごろからの体調管理がものを言うことは間違いありません。試験勉強のほかにも、生活リズムを整えたり食生活に気を付けたりするなどで万全の状態で試験当日を迎えましょう。なお、筆記試験は満点を取る必要はありません。自分がわかる問題から先に回答をして、わからない問題は後回しにすることで効率よく回答してくださいね。
4.ボイラー技士の講習・更新について理解しよう
ボイラー技士は、資格取得後も講習や免許更新などが関連してきます。それぞれ具体的に解説しましょう。
4-1.ボイラー技士講習の受講資格とは
二級ボイラー技士の国家試験に合格した人を対象に、免許の交付要件を満たす目的で行う講習があります。受講資格は、二級ボイラー技士の国家試験に合格をしていることです。つまり、二級ボイラー技士の国家試験に合格しても、実務経験が無い人は講習を受けることで初めて免許の交付を受けることができると考えてください。
4-2.ボイラー技士講習の概要について
- 開催日時:平日の連続した3日間(合計20時間)
- 開催場所:都道府県労働局長登録講習機関(一般法人日本ボイラ協会など)
- 受講料:21,600円(教材費は別途必要)
- 申し込み方法:窓口・郵送・FAXのいずれか
なお、より詳しいことについては下記もご覧ください。
4-3.ボイラー技士講習の内容
講習の内容に関しては、最初に学科として2日間で下記4科目を学びます。
- 燃焼
- 附属設備および附属品の取り扱い
- 水処理および吹き出し
- 点検および異常時の処置
学科の後は、最後の1日間で実習を行います。実習の後は、修了証を受けて完了です。
4-4.ボイラー技士免許の交付について
- 必要書類:免許申請書・免許試験合格通知書・免許用の写真・そのほかに指定を受けた書類
- 交付料金:1,500円(免許申請書に同額の収入印紙を貼(は)り付ける)
- 申し込み方法:東京労働局免許証発行センターの東京労働局長宛てに郵送で申し込み
なお、免許証の返送のために、専用の定形封筒に392円分の返信用切手を貼(は)っておくことも忘れないようにしましょう。より詳しい内容については、下記も参考にしてくださいね。
4-5.ボイラー技士の免許更新について
- 更新頻度(ひんど):基本的に更新しなくていい
- 更新申請先:申請先の都道府県労働局の安全課・健康課(または健康安全課)
- 更新料金:1,500円(免許申請書に同額の収入印紙を貼(は)り付ける)
- 更新方法:免許証・書き換え申請書・更新用の写真などを郵送
ボイラー技士の免許には、基本的に更新義務がありません。しかし、結婚などで氏名が変更になったり本拠地をほかの都道府県に変更したりした場合は、書き換えの申請をしましょう。なお、新規取得のときと同様に専用の定形封筒に392円分の返信用切手を貼(は)ったものを同封してください。申請書の記入例については、下記も参考になりますよ。
5.ボイラー技士の就職や仕事に関するよくある質問
最後に、ボイラー技士の就職や仕事に関するよくある質問に回答します。内容をしっかりチェックして総まとめとして活用してください。
5-1.二級ボイラー技士として数年の実務経験があれば一級に合格できますか?
一級ボイラー技士の受験資格として、二級ボイラー技士免許を取得していることという条件があります。従って、資格試験にチャレンジすることは可能です。ただし、実務経験を積んでいることが必ずしも試験の合格を保証することにはなりません。資格試験なのですから、相応の対策をする必要があります。実務経験があることは心強いことです。しかし、教材や過去問題を利用してしっかり勉強してください。
5-2.出産後の再就職用に二級ボイラー技士を取得する意味はありますか?
今は、女性も出産後に社会復帰をして働く時代となりました。しかし、女性の再就職は希望どおりの職種に就くことができないことも多いです。特に、事務職を希望する場合は厳しいと言えます。ただし、二級ボイラー技士を取得することでほかの人とは違う能力があることや、現場で必要な知識を習得していることの証拠となるため、有利になることは明らかです。ぜひ、二級ボイラー技士の取得を目指してください。
5-3.ボイラー技士の仕事に向いている人はどんな人ですか?
ボイラーは、取り扱いに注意しないと大きな事故につながるものです。そのため、職務に忠実であることが必要となります。ボイラー技士の仕事に向いている人は、勤勉で仕事に対して手を抜くことが無い人と考えましょう。たとえば、就業時間を適当にのんびりしながら過ごしたいと思っている人には向きません。ボイラー技士がなぜ国家資格であるのかという意味を考えてみることも必要です。
5-4.ボイラー技士は専任で仕事に就くのでしょうか?
ボイラー技士は、ボイラーの管理運用が主な職務となります。専任で仕事をする場合が多くなると考えてください。ただし、管理職になるとボイラーの管理運用以外の業務も増えてきます。事務作業などの雑務やそのほかの仕事も兼任するケースもあるため、就職・転職のときには業務範囲を確認してみてください。
5-5.ボイラー技士のほかに持っているといい資格には何がありますか?
ボイラー技士のほかに持っていると重宝する資格としては、ビル管理技術者や電気主任技術者があります。いずれも、国家資格であり専門的な知識を必要とする資格です。ボイラー技士がビル管理技術者や電気主任技術者を取得することで仕事の範囲が広がるため、収入アップや昇進に有利になります。資格取得のためには、勉強が必要になりますがチャレンジしてみる価値は十分にあると考えましょう。
まとめ
ボイラー技士は、就職や転職・再就職に有利な資格であることがおわかりいただけたことでしょう。また、ひとたび資格を取得しておくことで、定年後にも働き続けることも可能です。ほかの人との差別化を図る意味でも、ボイラー技士免許の取得は大きな意味があると言えます。ただし、資格試験に合格するためには効率よく勉強することも大切です。評判のいい教材を利用したり、空き時間を上手(じょうず)に使ったりしてコツコツと勉強を続けてください。また、当日に力を最大限発揮できるように体調を整えることも忘れないようにしましょう。
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